「iPhone 17 Pro」と「iPhone Air」のアウトカメラを撮り比べ 話題の「光学品質8倍ズーム」もチェック:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/3 ページ)
iPhone 17 ProとiPhone Airのアウトカメラって、何が違うんでしょうか――撮り比べてみましたよ!
iPhone 17 Proのトリプルカメラのどれを使うか問題
イマドキのiPhone 17 Proを使ってて「あれ?」と思うことがあるとすれば「3つあるカメラのどれを使うかを、カメラアプリが判断する」という問題かと思う。
代表的なところが「マクロ」だ。メインカメラの撮影最短距離は、それほど短くない。なので、ある程度以上近くから撮ろうとすると、マクロアイコンが表示されて、カメラが自動的に「超広角カメラの高額相当1倍」になる。何を言ってるのかよく分からないと思うかもしれないけれど、以下のような流れだと思ってくれればいい。
- 超広角カメラの方が近くまでピントが合う
- 超広角カメラの中央部(1200万画素分)を使えば、「0.5x×2」でメインカメラ相当の画角になる
- メインカメラでピントが合わないくらい近いときは、自動的に超広角カメラの1xに切り替えて撮ればOK!
この流れは数年前のiPhone Proシリーズから採用されており、ハイエンドのAndroidスマートフォンのカメラでも採用されている。
ただ、iPhone 17 Proはメインカメラの方がセンサーサイズが大きいし、どうしても中央部の1200万画素だけを使うので、クオリティはちょっと落ちる。それを嫌う人も多い。
実際、ディテールが気になりそうな被写体(ネコ)でiPhone 16 Proと17 Proで撮り比べたところ、気持ちレベルが上がった気がする。色もディテールも。
このマクロモード、その気になればここまで寄れるのは素晴らしい。
iPhone Airは、シングルカメラゆえにこれが使えない。ある程度以上近寄るとピントが合わないのだ。撮るときは、このくらい離れる必要がある。
ただ、「ちょっと大きく撮りたいな」と思ったときは無理に近寄るより、あえて2xにして撮る手もあるわけで、よほどマクロ撮影したい人以外は気にしなくていいかなと思う。
もう1つの「3つあるカメラのどれを使うかはアプリが決める」問題は、望遠の撮影。4x望遠カメラのクオリティーが以前の5xより上がってるのはありがたく、気軽に使えるようになった。
200mmの8x望遠も、昼間ならすごくよい。
ただ、望遠カメラはメインカメラより最短撮影距離が長い(=近くまでピントが合わない)という問題がある。
ある程度以上近い距離にある被写体を望遠カメラで撮ろうとすると、カメラアプリは自動的により近くまでピントが合う「メインカメラのデジタルズーム」に切り替わるのだ。
これは以前からの仕様ではあるのだが、その影響で近くの物を大きく撮ろうと「光学4倍」にしたつもりが「デジタル4倍」だったという現象が起きる。
ちょっとずつ距離を変えながら調べてみると、被写体との距離がおよそ80〜85cmくらいで切り替わった。両者の画質差は微妙ではあるのだが、やはりデジタル4倍より光学4倍の方がいい。
改善して欲しいのは「どこで切り替わるか」を教えてくれない点。マクロの時はアイコンを表示して教えてもらえるのだが(設定でオン/オフ可能)、望遠の時はないのである。よーく見ていると、切り替わる瞬間が分かるには分かるのだが、常時それを気にしろっていうのは現実的じゃない。
光学4倍のつもりで撮ったらデジタル4倍だったってのは、ちょっと気分が落ちる。アイコンを表示するとかなんかして欲しいな、と思う。
ちなみに、iPhone 16 Proの5x望遠カメラで同じように測ったら、95cm〜1mくらいでカメラが切り替わった。ちょっとだけiPhone 17 Proの方が扱いやすくはある。
結論として、望遠でよく撮る人はiPhone 17 Proはいいぞ!
ということで。正直、iPhone 15 Proから16 Proに買い換えたときより、16 Proから17 Proにした時の方が気分が上がっております。望遠でも撮るよって人はiPhone 17 Proにしちゃおう。
別記事では、動画とインカメラの話をします。新しいインカメラは良いですよ。
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