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AndroidとPixelの12月月例更新 「重大」脆弱性修正やAI関連の新機能など盛りだくさん

Googleは、12月版のAndroidとPixelの月例アップデートを公開した。Pixelの新機能として、AIによる通知の整理・要約、拡張ダークテーマ、ペアレンタルコントロールの統合、詐欺検知などの新機能が追加された。また、「重大」7件を含む107件のAndroid脆弱性と、Pixel固有の「重大」2件を含む28件の脆弱性に対処した。

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 米Googleは12月1日(現地時間)、AndroidとPixelの月例ソフトウェアアップデートの12月版を公開した。複数の危険度「重大」の脆弱性修正が行われる。Pixelシリーズのスマートフォンでは、新機能追加、幾つかのバグ修正と改善も行われる。更新サイズは筆者の端末(Pixel 10 Pro)では74.4MBだった。

新機能

 Pixelシリーズだけでなく、「Android 16」搭載のサードパーティ製端末でも追加されるものもある。新機能の一部を紹介する。

AIによる通知の整理と要約

 通知機能で、長いメッセージやグループチャットの内容をAIが短く要約して表示する。

 また、優先度の低い通知を自動的にグループ化し、通知音を鳴らさずにまとめて確認できるようにする通知オーガナイザー機能も追加される。

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メッセージの要約(左)と通知オーガナイザー(画像:Google)

画面の視認性と個人の好みに合わせたカスタマイズ

 ダークモードに対応していないアプリでも、OSがダークモードになっていれば強制的に暗く表示する拡張ダークテーマが追加された。

 また、ホーム画面のアイコンの形を変更できる機能も追加された。

ペアレンタルコントロールの統合

 「設定」に「ペアレンタルコントロール」が追加された。保護者はここで、子供の端末の画面の利用時間制限やアプリのロックなどを設定できる。Googleファミリーリンクとも連携している。

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ペアレンタルコントロール(画像:Google)

通話とメッセージの強化

 電話をかける際、相手の画面に緊急であることを表示する機能が追加された。この表示は、履歴にも残る。

 グループチャットの保護機能として、知らない番号からグループに追加された際、それがスパムかどうかチェックし、簡単に退出、ブロック、通報ができるようになる。

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緊急表示(画像:Google)

詐欺対策

 画面上の怪しいメッセージやサイトを「かこって検索」すると、AIが詐欺の可能性があるかどうかを分析し、ある場合は警告を表示する。

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「かこって検索」でメッセージが詐欺かどうかチェック(画像:Google)

アクセシビリティ関連

 動画の字幕に、話者の感情(喜んでいるなど)や環境音が表示されるようになる。

 カメラに、視覚障害のあるユーザー向けのGeminiによる撮影補助機能が追加される。例えば、カメラを向けた先に映っているものについて「黄色い服の少女がソファに座っています」などと具体的に音声で説明する。

その他

 Emoji Kitchenに幾つかの新しい組み合わせが追加された。

 ChromeブラウザをPCのようにピン留めできるようになった。

Pixelでのバグ修正と改善

 Pixelでのバグ修正と改善は以下の通り。ほとんどは「特定の条件下で」起きていた問題だ。数が多いので、対象モデルについては記載していない。対象については公式ブログを参照されたい。

  • 時折オーディオがクラッシュする問題の修正
  • ステータスバーのバッテリーアイコンに空白または疑問符が表示される問題の修正
  • バッテリーの80%充電制限設定が正しく行われない可能性がある問題の修正
  • 特定のBluetoothデバイスまたはアクセサリとの接続が時々妨げられる問題の修正
  • カメラの安定性の全般的な改善
  • 画面が点滅したり黒くなったりする問題の修正
  • 画面が時々ハングしたりフリーズしたりする問題の修正
  • 画面の明るさが暗くなり、通常の明るさに戻すには画面のオン/オフを切り替える必要がある問題の修正
  • 常時表示ディスプレイからロック解除を試みても画面がすぐに反応しない問題の修正
  • 特定のゲームを起動すると、Pixel Foldの内部ディスプレイがちらついたり黒くなったりする問題の修正
  • 画面がフリーズしたり表示が乱れたりする問題の修正
  • 「さらに輝度を下げる」クイック設定タイルを切り替える際に発生する問題の修正
  • スプラッシュスクリーンが正しく閉じられず、システムのメモリが不足する可能性がある問題の修正
  • ディスプレイ変更中にピクチャーインピクチャーモードを使用する際の安定性の問題の修正
  • システムの安定性とパフォーマンスの全般的な改善
  • センサー関連機能のメモリ割り当てエラーによって引き起こされる安定性の問題の修正
  • 緊急通話機能が不安定になったり、断続的に問題が発生したりする問題の修正
  • ネットワーク接続の安定性とパフォーマンスの全般的な改善
  • 指紋認証が失敗する問題の修正
  • アプリドロワーで検索する際にキーボードがちらついたり、表示されないことがある問題の修正
  • Googleホームのコントロールが空白画面で起動する問題の修正
  • ジェスチャーナビゲーションやアプリ切り替えを使用すると画面がフリーズする問題の修正
  • メッセージ通知音が再生されないことがある問題の修正
  • 遷移中のレイアウトとアニメーションに関する問題の修正
  • 通知シェード内のUI要素が重なり合う問題の修正
  • 電源ボタンを2回押してカメラを起動すると、画面に半透明の背景が残る問題の修正
  • スワイプアップジェスチャーで概要を表示したりアプリを終了したりできない問題の修正
  • クイック設定シェードの問題の修正
  • 通知オンボーディングボタンを操作するとシステムUIがクラッシュする問題の修正
  • 画面のロックを解除した後、通知シェードに通知ではなくクイック設定シェルフが誤って表示されることがある問題の修正
  • 特定のUI遷移とアニメーションのパフォーマンスと安定性の全般的な改善
  • Wi-Fi接続の安定性と性能を向上させる修正

セキュリティ関連

 Androidセキュリティ情報によると、12月に対処した脆弱性は、危険度が最高の「重大」7件を含む107件。重大な脆弱性には、追加の実行権限を必要とせずにリモートからサービス拒否(DoS)を引き起こす可能性のあるものや、追加の実行権限なしでローカルでの特権昇格につながる恐れのあるものなどが含まれる。

 Pixelのセキュリティ情報によると、対処した脆弱性は、「重大」2件を含む28件だった。重大の「CVE-2025-54957」は、リモートから攻撃者が任意のプログラムコードを実行できてしまう恐れがあるもので、「CVE-2025-36935」は攻撃者が本来持っていない高い権限(特権)を取得できてしまう恐れがあるものという。

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