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3COINSで1万1000円の「プロジェクター」を試す 自動台形補正、HDMI入力、Android OS搭載で満足度は高め(2/2 ページ)

本格的である必要はないものの、ちょっとだけ使いたい――家庭用プロジェクターとはそのようなものではないだろうか。その「ちょっとだけ」のニーズにぴったりなのが1万1000円で買える3COINS「プロジェクター」だ。本当に使えるのだろうか?

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全体的にもっさりしているが、写ってしまえば安定動作

 付属のACケーブルを接続し、リモコンで電源をオンにすると、製品名のロゴに続けて起動中のアニメーションが表示され、1分ほどでホーム画面が現れた。

起動直後
製品名が表示された
起動中のアニメーション
起動中のアニメーションがかわいらしい
ホーム画面
ホーム画面。ネットワーク接続前なので、日時が合っていない

 台形補正機能が働いていないので、リモコンの「設定」ボタンを押して設定画面に入り、「投影設定」から「自動台形補正」をオンに、その後「ワンクリック補正」にターゲットを合わせてリモコンの「OK」ボタンを押すと、すぐに台形補正が行われた。

設定画面
リモコンの設定ボタンを押せば、すぐに呼び出せる設定画面。台形補正は「投影設定」から行う
台形補正
自動で台形補正が行われるので楽だ。もし、「ワンクリック補正」を行っても台形補正が行われていないと感じるのであれば、3COINS プロジェクターの角度を少しだけ動かしてみよう。すると、すぐに台形補正が実行される

 その後は3COINS プロジェクターの角度を変えるたびに、自動的に台形補正が行われるので優秀だ。しかし、投写角が30度を超えると、上と下でピントの合わない部分が生じてしまう。スクリーン(投影先の壁や天井)に対して、あまりにも斜めから投影しないようにしたい。

 なお、投影距離が変わったときにもピントが合わなくなるが、その場合はレンズ上部にあるピント調節ダイヤルを回して調整しよう。

ピント調節ダイヤル
ピント調節ダイヤル

 手始めに、YouTubeを立ち上げて視聴してみたが、色再現が良く、コントラストもはっきりしており、「これはありだな」と感じた。このサイズのプロジェクターとして輝度に限界はあるため、部屋を暗くして使うことが前提とはなるが、スマホの小さな画面で映像などを見るよりも満足感がある。ベッドサイドに持ち込んで、寝ながら映画を視聴してみたいところだ。ただし、スピーカーから流れる音質は惜しい。

YouTube
天井にYouTube動画を投影した。TV画面のようにくっきりしている。音は良くない

 続いてGoogle PlayからAmazon プライムビデオをインストールしてみた。

Amazonプライムビデオ
Amazonプライムビデオのアプリをインストールすることはできたが……

 アプリは問題なく起動できるが、リモコンではスクロール操作を行えないためトップ画面に表示されているコンテンツ以外を選択することが難しい。回避策として、プロジェクター本体のUSB Standard-A端子にマウスを接続してホイールを回せばスクロールできる。ドングルタイプのワイヤレスマウスを使えば快適になるだろう。

 スマートフォンからのHDMI接続も試してみたが、入力切り替えを行う必要があるものの、その後は他のプロジェクターや外付けディスプレイに接続した場合と同じように扱うことができた。

Dex
Samsung Galaxy Z Flip7と接続したので、Dexが立ち上がっている
QuickShareアプリによるミラーリング
QuickShareアプリを使えばワイヤレス転送によるミラーリングも行える
縦横切替
QuickShareアプリを使ったミラーリング。動画を全画面表示にすると、自動的にランドスケープモードで表示される

 ちまたにある本製品のレビューの中には、リモコンの反応のしづらさを指摘する声もあったが、リモコンセンサーの向きにさえ気を付けていれば、そのような問題は生じなかった。むしろ、リモコンのボタンの位置は使いやすく、少し触るだけで手元を見ずに操作できるようになった。プロジェクターを使う場面では手元が暗くて見えづらくなるので、これはありがたいなと感じた。

向きを考えよう
リモコンのセンサーと本体の受光部の位置を考えて操作したい

 3COINS プロジェクターは、Android 11を搭載している。Google Playからゲームなどもインストールできるが、内蔵ストレージは8GBしかないため、必要最低限といったところだ。動きも全体的にもっさりしているので、アプリの起動やホーム画面への遷移などに時間がかかってしまうのも難点だ。また、今後はアプリ側が古いバージョンのOSをサポート対象外とする場合もあるので、将来的にAndroid OSの機能は使えなくなる可能性もある。

8GB
8GBしか内蔵ストレージがないので、アプリのインストールはほどほどに

 とはいえ、「暗くした寝室で寝転びながら、プロジェクターで映像を楽しんでみたい」というライトユーザーにとっての需要は十分に満たせるスペックを持っている。機能も豊富で、HDMI入力やスマホの映像投写を活用すれば長く使えるだろう。何より、一昔前の安価なプロジェクターにはなかった自動台形補正機能も搭載されているのは驚きだ。1万1000円という価格を考えれば、“プロジェクター欲”を満たせる価値はある。

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