Apple幹部が語る「iPhone 17e」投入の理由 「MacBook Neo」との連携も狙った“エコシステム総取り戦略”へ:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
AppleはiPhone 17eを含むエントリーモデル3機種を3月に同時発売した。これらは日本独自の商戦期や税制を強く意識した戦略的な価格と仕様を備えている。単体での訴求にとどまらず、iPad AirやMacBook Neoとの連携によるエコシステム囲い込みを狙う。
新入学、新生活がターゲット、日本市場を強く意識した製品に
では、iPhone 17eはどのようなユーザーを想定しているのか。ドランス氏は、「スマホを初めて使う人や、Proモデルのカメラ機能やProRes録画までは必要がないかもしれない人にとって素晴らしい選択肢になると思う」と語る。後者には、「『iPhone 11』や『iPhone SE』などの古い機種からの乗り換え」も含まれるという。
初めてiPhoneを使うユーザーには、学生も含まれる。日本では、1月終わりごろから3月までが春商戦と呼ばれ、携帯電話の新規契約が増える時期にあたる。若年層をターゲットにした割引が提供されるのは、そのためだ。9月入学が一般的な欧米とは、学生向け製品の商戦期にズレがある。
グローバルメーカーの場合、夏に「Back to School(バック・トゥ・スクール)」向けと銘打った新製品を投入することも多い。にもかかわらず、全世界で発売するiPhone 17eを3月に投入したのは、Appleが日本市場を重要視している証拠といえる。ドランス氏も、「新学期と新生活の時期に日本に来ることができ、大変興奮している」と話す。
投入時期に加え、その価格設定も実に日本市場向けだ。iPhone 17eの価格は9万9800円から。これは、企業が消耗品として経費に一括計上できる10万円をギリギリ下回る金額だ。日本の税制では、10万円以上の製品を購入した場合、固定資産として計上する必要があり、複数年での減価償却が必要になる。キャッシュが出ていくにもかかわらず、税金はかかってしまう。
そのため、10万円を境に企業導入のハードルは大きく変わる。iPhone 17シリーズが日本円では値上げになっていたのに対し、iPhone 17eのみ価格を据え置きにしたのもこうした背景があると見ていいだろう。実際、ドランス氏も「中小を含めた企業が、iPhone 17eのように耐久性があり、機能的な携帯電話を評価する可能性も見込んでいる」と語っている。
時期と価格――iPhone 17eは、これら2つの観点で日本市場に最適化した端末に仕上がっている。本来、エントリーモデルは間口を広げ、ユーザーを呼び込むために投入する製品だが、日本市場では単なるエントリーモデル以上の戦略性を帯びているといえる。
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