なぜ店員によって勧めるルーターが変わる? 自宅回線から逆算する、新生活に役立つWi-Fiルーター選びの超基本(1/3 ページ)
Wi-Fiルーター選びで失敗しないコツは、外からの回線(水道管)とルーター(蛇口)の関係を知ること。自宅の環境を3パターンに分類し、スペック表を見る前に押さえておくべき「自分に最適なモデル」の見極め方を解説します。
新生活シーズンを迎え、Wi-Fiルーターの新規購入や買い替えを検討している方は多いだろうが、初心者にとってWi-Fiルーター選びは難しいものだ。以前、家電量販店の店員にアドバイスを求めたら、人によっておすすめする商品が違った──なんて話もSNSで話題になっていた。
正直、買う側と売る側双方の事情はよく理解できる。Wi-Fiルーター選びが難しいのは、ルーター自体の仕様が複雑であることはもちろん、自宅や用途の条件によっても最適解が変わる。
「通信」という目に見えない技術だからこそ、ユーザー側が能動的に勉強しないと、本質的に理解できないのが厄介だ。
そして商品を選ぶ側の視点に立つと、「どれが良いの?」と気軽に聞かれたときに、相手に前提として共有すべき知識が多すぎるからでもある。
本記事では、筆者なりにWi-Fiルーターの選び方についてのポイントをなるべく枝葉を省きつつ、ミニマルにまとめてみたい。店頭に買いに行く前の予備知識として役立ててほしい。
「家までの通信」と「家の中の通信」がある
そもそも、自宅にインターネット回線を引く場合には、2種類の通信があることを頭に入れておかなくてはならない。厳密な表現ではないが、なるべく単純化してかみ砕くならば、「家の外の通信」と「家の中の通信」だ。
家の外の通信
家の外の通信、すなわち「インターネットを家の中に招き入れるための通信」を導入する手段としては、外にある電柱から住宅までケーブルを引いてつなげる「光回線」(すごく速い)や、携帯電話向けのネット回線を活用する「モバイル通信」(速い)などがある。
マンションなどの集合住宅では、あらかじめ光回線が建物に導入されており、住民は光回線のマンション向けプランを契約すればスムーズに使えるというケースも多い。
しかし、「マンションまでは光回線が通じているが、各部屋までは電話線(メタル線)を使用しており、100Mbps程度までしか出ない『VDSL方式』が採用されているなんてケースも少なくない。特に古い集合住宅などではありがちだ。
家の中の通信
一方で「家の中の通信」はスマートフォンやPC、スマートTV、ゲーム機などをインターネットに接続する手段を指す。家の外からやってきたインターネット回線をWi-Fiルーターに接続し、飛ばしたWi-Fiによる無線接続を行ったり、LANケーブルを接続して有線接続したりできる。
例えるならば、水道管(家の外の配管)と蛇口(家の中の配管)のようなものだ。いくら蛇口(Wi-Fiルーターの性能)を大きくしても、水道管の太さや水を送るためのポンプ(インターネット回線の速さ)が十分でなければ、水は勢いよく出ない(デバイス上でネット接続速度が出ない)。いくら蛇口を枝分かれさせようと、勢いの良いシャワーヘッドを付けようが同じことだ。
要するに「高性能なWi-Fiルーターを買う」というのは「太い蛇口を設置する」ようなものだ。
もし筆者が親族から「どのWi-Fiルーターが良い?」と聞かれても、まずは「ご自宅の“水道管”はどうなっていますか?(戸建てで10Gbpsの光回線を引いていますか? それとも集合住宅で100Mbps程度のVDSL方式ですか?)」と聞かなければ、的確なアドバイスはできない。
おそらく、Wi-Fiルーター選びに悩んでしまう方、詳しい人にアドバイスを頼んでもよく分からない方は、個別の通信規格がどうこうという話をする前に、こうした全体像を俯瞰した方がいいだろう(ただし、それを自力でリサーチするのが難しいことも分かっている……)。
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