「日本で前年比4倍成長」のNothing、次の一手は? au販路拡大と楽天の“すみ分け”に見るキャリア戦略(2/3 ページ)
日本市場で前年比4倍の急成長を遂げたNothingが新型ミッドレンジ2機種を国内投入する。KDDIの販路開拓や楽天モバイルとのカニバリ回避など、キャリアごとの巧みな戦略が明かされた。カメラの強化や生成AIウィジェットの搭載に加え、年内開設の直営店でさらなるブランド認知を狙う。
2025年は日本市場で前年比4倍の成長 店舗網をどう伸ばすかが重要
―― 昨年は楽天モバイルとのパートナーシップで業績も拡大しました。カール・ペイ氏は国内で4倍の成長と言っていましたが、まさに急成長といえるのではないかと思います。
黒住氏 4倍は大きいですね。年単位で見ると、確かに24年から25年で4倍に伸びています。これは、いわゆるネットレベニューと呼ばれるもので、キャリアさんが取る分の利益を除いた数字が4倍になりました。大きなチャネルが楽天モバイルさんしかなく、チームも小さくてマーケティングにもそこまでお金をかけられない中、4倍まで伸びるほど多くの方に知っていただけたのは、大きな成果です。
ただ、これに今年はKDDIさんが乗ったからといって、8倍になるかというとそうはいきません(笑)。4倍を継続するというよりも、日本ではプロダクトをできる限り多くの方に買っていただけるようなインフラ作りが大事になります。われわれのようなプレイヤーは、どう伸ばしていくか。やはりお店に行くという行動パターンのお客さまは依然として多いと考えています。オンライン販売全体も伸びてはいますが、結果的にかなりの部分をけん引しているのがAppleさんですから。
―― 初めてのNothingとなると、やはり買う前に実機に触れてみたい人も多いと思います。
黒住氏 KDDIさんのポイント(Pontaポイント)を持っていて、離れられないという方もいます。こういうものが出たというのを伝えるにはいいと思います。実際、手に取ってみると親しみやすい端末だと思います。製品写真はデザインドリブンということもあり、そこを強調した形になっていますが、ものを見たときの印象として、デザインがとがっているだけでなく、持ってみてもいいとなるかもしれません。
カメラの望遠需要とマクロ需要は大きい
―― 今回のPhone (4a)と(4a) Proは、どちらも望遠カメラが売りの1つになっています。
黒住氏 望遠需要とマクロ需要は大きいですね。コンピュテーショナルフォトグラフィーを強化したウルトラズームを入れたことで、140倍(Phone (4a) Proの場合)でもキレイに撮れます。とはいえ、望遠には絶対トレードオフがあります。70倍(4a)や140倍(4a Pro)のようなズームにはAIを使って精度を上げていますが、それでもマックスまでズームするとどうしてもノイズが多かったり、意図しないものが出たりする可能性もあります。それがなくても、処理の中で白っぽくなってしまうのも避けられない。
ただ、ここまでズームできる実力値があることで、20倍ぐらいで撮ったときの画質が上がっています。光学の部分でも、ロスレスでズームできるところをしっかり強化しているからです。マクロに自動で切り替わる機能も入っています。これが、ズーム機能をつけることのもう1つのメリットで、近くのものをより近くで撮るというのは、ソーシャルメディアをやる方にも求められています。
―― Nothingと言えばデザインだったり、背面のGlyphだったりの独自性が一番の特徴だと思いますが、カメラ性能を求める声は大きいのでしょうか。
黒住氏 カメラはGiven(当たり前のもの)です。スマホを買うとき、昔ならカメラ性能は「あったらいいよね」だったのが、今は「なければいけない」ものになっています。普段の生活においても、ソーシャルにおいても、撮ることは大切なコミュニケーションツールの1つ。いいなと思ったものを撮る喜びはありますし、共感を得たいという強い思いもあります。そのような中で、カメラをないがしろにする選択肢はないですね。
カメラは積み重ねです。ソフトウェアとハードウェアの組み合わせでできるもので、1回出してしまうと、あとはソフトウェアでしか改善ができません。今回は、アップグレードを重ねてクオリティーを上げる、土台としてのものが出せたと考えています。
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