モトローラが“横折り”スマホを投入する理由 「フォルダブルiPhone」上陸前夜に先手、他社Foldの弱点を解消:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)
モトローラは他社の弱点を克服した初の横折りフォルダブルスマホ「razr fold」を国内発売する。部材高騰で価格は約30万円と高価だが、IIJmioが10万円割引などの強力な施策を展開して対抗する。背景には、うわさされる折りたたみiPhone上陸を見据え、拡大する横折り市場で先手を打つ狙いがある。
モトローラ・モビリティ・ジャパンは、8月4日に同社初の横折りフォルダブルスマホとなる「razr fold」を発売する。同モデルは、3月にスペイン・バルセロナで開催されたMWC Barcelonaで正式発表されたもの。欧州では4月、同社のお膝元である米国では、5月に発売されていた。日本版の投入はやや遅れたものの、おサイフケータイに対応するなど、ローカライズも施している。
これまで同社は、フィーチャーフォン時代に一世を風びしたrazrのブランドを冠した縦折りのフォルダブルスマホに特化して展開してきた。このタイプのスマホは、フォルダブルスマホをリードするサムスン電子よりも投入が早く、バリエーションも拡大している。そんなモトローラがなぜ横折りに取り組んだのか。背景には、2026年の市場拡大をにらんだ動きがあった。
他社Foldの不満を解消、カメラもバッテリーも高性能
razr foldは、同社初の横折りフォルダブルスマホとして開発された端末だ。モトローラは、廉価モデルのgシリーズや、ミッドハイのedgeシリーズが主力だが、その上に位置するプレミアムモデルとして縦折りのrazrを展開。海外では、ストレート型でスペックを高めたsignatureも販売している。一般的なスペックでの区分けではなく、折りたたみか否かで商品をカテゴライズしているのが特徴だ。
同じrazrにも複数のモデルが存在し、スペックにも違いがあるが、razr foldはその頂点に位置付けられる性能を持つ。プロセッサには、Qualcommの「Snapdragon 8 Gen 5」を採用。スマホなどの性能を評価するDxOmarkで、フォルダブルスマホのトップを取ったカメラも同機の特徴だ。メイン(広角)カメラのセンサーには、ソニーの1/1.28型センサーとなる「LYT-828」を採用。超広角、望遠ともに5000万画素で、正確な色を実現するマルチスペクトルセンサーも備える。
また、アウトディスプレイには世界で初めて、Corningの「Gorilla Glass Ceramic 3」を採用している。これは、セラミックの粒子をガラスの中に織り込むことで強度を増したガラスで、2mからの落下試験もクリアしているという。さらに、バッテリーはシリコンカーボンを採用することで6000mAhまで容量を高めた。80Wの超急速充電や、50Wのワイヤレス充電にも対応する。
モトローラ・モビリティ・ジャパンの開発事業部長 伊藤正史氏が、「世の中にあるFold端末ユーザーの不満を全て解決した」と語るように、同機は他社製品の弱点といわれる部分をカバーしてきた。実際、フォルダブルスマホでは、ストレート型のフラグシップモデルと比べてカメラ性能が抑えられがち。ヒンジでつながった左右にバッテリーを分けて搭載しなければならない関係で、バッテリー容量が少ないモデルも多い。
横折りフォルダブルスマホの代名詞にもなっていたGalaxy Z Foldシリーズが搭載を見送ってしまったスタイラスペンにも対応する。別売りにはなるが、「motorola pen ultra」を利用すると、手書きが可能になる。このスタイラスは、Bluetoothで本体と接続する仕様で、4096段階の筆圧感知に対応。ペン先が1.4mmと細く、漢字のような細かな文字もキレイに書くことができる。
その分、本体の厚さは開いたときが4.55mm、閉じたときが9.89mmと、フォルダブル最薄を誇るGalaxy Z Fold7よりもやや厚みがある。重量も243gとヘビー級になってしまっているが、高機能なフォルダブルスマホとしては許容範囲。開いたときのディスプレイサイズも、Galaxy Z Fold7よりやや大きい8.1型となり、映像などを表示する際の迫力が増している。
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