進化した「Siri AI」で感じた、iPhoneの操作を一変させる実力 「AI出遅れ」の汚名返上なるか:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)
AppleはiOS 27.2でApple IntelligenceによるSiri AIの日本語対応を開始する。Siri AIはiPhone内の情報を参照し複数アプリにまたがる複雑な操作を音声で実現する。非対応アプリや応答速度などの課題を残すものの、スマホ体験を一変させる可能性を秘める。
Appleは、10月中に配信がスタートするiOS 27.2で、Apple Intelligenceによって機能を大幅に強化した「Siri AI」の日本語版を導入する。現在は、β版として英語でのみ提供されている機能だが、このアップデートによって日本語での指示や回答が可能になる。Siri AIは、いわばiPhoneのAIエージェントと呼べる存在で、これまでのSiriとは回答だけでなく、実行できる操作の幅が格段に増える。
複数のアプリを連携させたり、画面に表示される内容を読み取ってそれに基づいた行動を取ったりと、iPhoneの使い方そのものを変えてしまう可能性も秘めている機能といえる。AIに後れを取っているといわれていたAppleだが、Siri AIで名誉挽回はできるのか。正式サービスの開始に先立ち、パブリックβ版でその機能を使いつつ、Siri AIがどこまでできるかを試してみた。
2年越しで実現したSiri AI、その日本語版が間もなく登場
Siri AIとは、SiriにApple Intelligenceを組み込み、ユーザーのパーソナルデータや文脈を読み解きながら与えられた指示を実行できるようにしたものだ。この新機能が発表されたのは、2024年のこと。WWDCでApple Intelligenceとともに、その存在が明かされた。一方で、OSへの組み込みは延期を繰り返しており、iOS 27の登場に合わせて、ようやく英語でのサービスを開始した形だ。
iPhone内に蓄積されたデータを読み取りながら、複数のアプリを連携させて操作を行うというのは、言葉にすると簡単だが、実際には高度で複雑な推論を要求される。ユーザーごとに異なるデータを、どう蓄積していくかも課題だった。機能的にはいわゆるAIエージェントと呼べるものだが、当初のApple IntelligenceのAIモデルにはそこまでの実力がなく、想定していた品質を満たすことができなかった。2年以上遅れてしまったのは、そのためだ。
そんなSiri AIが満を持して登場するには、Apple Intelligenceの大幅なアップデートを待つ必要があった。既報の通り、Appleは2026年6月のWWDCでGoogleとの協力でAIモデルのApple Foundation Modelsを刷新することを発表。Geminiを“蒸留”する手法でApple Foundation Modelsを強化し、iPhoneなどのApple製品に最適化するようApple Intelligenceを再構築している。
その新Apple Intelligenceは、現在のiOS 27で利用できる。Siri AIはその目玉といえるサービスだ。当初は英語版でのみ提供されていたが、近くアップデートの配信が始まるiOS 27.2で、日本語への対応もスタートする。現在、パブリックβ版がRC(Release Candidate:リリース候補版)まで進んでおり、正式版の登場も間近とみられる。
すでにiOS内では、このSiri AIが参照するためのインデックスが作成されており、アップデートを適用し、Siri AIを有効にするとすぐに利用を開始できる。特徴の1つである個人の情報や文脈を識別する機能は、こうした情報を元にしている。例えば、「子どもに、今日の宿題はやったとメッセージして」と頼むと、連絡先の中から誰が自分の子どもかを見分けて、「今日の宿題はやった?」とメッセージを送信できる。
また、ある程度、頻繁にやりとりする人の情報を見て、個人を特定してくれているようだ。一例を挙げると「田中さんに、今、Siri AIの原稿を書いていますと、Messengerで送って」というと、きちんとITmedia Mobile編集長の田中聡氏を指定し、メッセージを送ってくれた。筆者のFacebookには、田中さんに該当する人は9人ほどいたが、相手を間違えなかったのは優秀だ。
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