News 2000年12月27日 08:26 PM 更新

iモード対応Javaを作るのに必要なものは?──NTTドコモ,仕様をついに公開

503iシリーズに搭載されるJavaの仕様が,ようやく一般公開された。ただし,ライブラリの公開はまたしても「近日中」だ。

 12月26日,NTTドコモは,iモード対応Javaの実行環境および言語仕様を一般公開した。これにより,503以降のiモード端末で動作するJavaプログラム概要とAPIが分かる。

 NTTドコモのサイトでは,PDFファイルのコンテンツ開発ガイド(詳細,およびAPIリファレンス)がダウンロード可能だ。また,「iモード対応JavaFAQ」というページも設けられている。

iモードJavaの特徴は?

 iモード用Javaは,iモード専用のAPIやメーカーが独自でAPIを拡張することを許しており,“write-once,run-anywhere”というわけにはいかない。

 ただしベースとなるのは,小型組み込みデバイス向けに標準化されている「J2ME CLDC」だ。小型端末向けには,Palmや他の携帯電話で採用されている「MIDP」と呼ばれる仕様もあるが,iモード用Javaとは完全には互換性がない。

 iモード用Javaの特徴をまとめると次のようになる。

○プログラムサイズは1つにつき最大10Kバイト

○各プログラムの保存領域となる「スクラッチパッド」は最低5Kバイト

○GIF87,87a,89a形式のGIFファイルの表示をサポート

○i-メロディファイルの再生をサポート

開発のために必要なものは?

 iモード対応Javaの開発環境はまだ公開されていないが,「i モード対応 Java コンテンツ開発ガイド〜詳細編〜」によると,最低限以下のツールが必要となる。

○Javaコンパイラ(J2SE SDKに含まれるjavacコマンド)

○事前検証ツール(CLDCに含まれるpreverifyコマンド)

○Javaアーカイバ(J2SE SDKに含まれるjarコマンド)

 また,コンパイルのためには,別途以下のライブラリが必要だ。

○CLDC 1.0クラスライブラリ

○iモードJava拡張APIクラスライブラリ

○iモードJava文字コンバータ

 これらのライブラリとその使用法は,別途近日中に公開する予定だという。

特徴はセキュリティ

 全般に,セキュリティに配慮した仕様になっている。以下の4点が安全面での主対策となる。

○Javaアプリは,ダイヤル機能や電話帳にアクセスできない

○Javaアプリは,ほかのJavaアプリを起動したり,書き換えられない

○Javaアプリの通信先は,ダウンロード元のサーバに限定される

○ユーザーは自分の判断でJavaアプリを強制終了できる

技術資料は11月22日付け

 公開された技術資料は,11月22日付け。第1.0版となる。この技術資料は,11月2日付けのものがNTTドコモのWebサイトにいったんアップされ,直後に消去されたという経緯がある。

 iモード用JavaはJava2 Platform Micro Edition(J2ME)のConnected,Limited Device Configuration(CLDC)をサポートしている。

 さらに,各端末には固有の機能を提供する「メーカー拡張API」が用意される。例えば,Javaアプリケーションから携帯電話のバイブレーション機能を用いることは,今回公開されたAPIでは不可能だが,メーカー拡張APIを利用することで可能になる場合もある。


 なお,iモードJavaに対応した端末としては,当初は503以降の50xシリーズとされている。ドッチーモや20xなどへの搭載については未定だ。

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[斎藤健二, ITmedia]

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