News 2001年4月18日 10:56 PM 更新

Lモードはオープン化されなければならない

Lモードが認可された。だが,これでNTT法をめぐる議論に終止符が打たれたわけではない。

 紆余曲折の末,4月18日にLモードが認可された。NTT東西地域会社が提出したLモードの補正案に対し,情報通信審議会の答申内容を満たしたと総務省が判断したためだ。これによって,6月には「固定電話版iモード」のLモードのサービスが開始されることになる。Lモード端末は,5月頃にシャープなど各社から発売される予定だ。

 総務省の諮問機関である情報通信審議会は先月,NTT法に抵触すると指摘を受けていたLモードの県間接続部分(アクセスポイントからLモードゲートウェイへの接続)について,主体が他事業者だと明確にすることなどを条件にサービスの提供を認可するとの答申を出した。これを受けてNTT東西は,県間接続に使用する回線をインターネットイニシアティブとNTTPCコミュニケーションズが提供し,料金設定まで行うという補正案を提出。Lモードの認可は規定路線となっていた。

 だが,これでNTT法をめぐる議論に終止符が打たれたわけではない。ほかの新電電各社とともにLモードに反対してきたKDDIでは,今回の認可について「行政訴訟を起こせるようになった」と捉えている。まだ,訴訟を起こすのか決定したわけではないが,「法務部門でその可能性について話しあっている」(同社)という。

 ただ,KDDIでは,NTT東西が提供するということは別にして,Lモード自体の将来性については肯定的な見方を示している。KDDIでは,「α-Eメール」という固定電話による電子メールサービスを提供しているが,「Lモードが消費者の人気を集めるようであれば,現在のサービスを強化することもある」と話す。

義務ではないが……

 そこで問題になるのが,「Lモードのオープン化」だ。情報通信審議会では,Lモードの認可にあたって,県間接続部分の見直しのほかに,公正競争の確保を目的としたいくつかの条件を提示している。Lモードがオープンなプラットフォームとして提供されれば,Lモード端末を使ってKDDIなどが独自のサービスを提供することも可能になる。条件は以下の通りだ。

  • 競争事業者がLモード端末からアクセスできるアクセスポイントを設置し,NTT東西のLモードと同等のサービスを提供できるのに十分な技術条件を開示する(アクセスポイント番号取得のオープン化)
  • NTT東西のアクセスポイントから競争事業者の設置するゲートウェイへのアクセスを,他事業者から請求があった段階で検討する(アクセスポイントのオープン化)
  • 競争事業者が設定するLモード用メニューについて,利用者側から見てNTT東西のものと不公平にならないよう留意する
  • コンテンツ提供業者の選定にあたっては,審査基準の制定・改廃に際して競争事業者の意見要望を十分に反映し,公平性・透明性を確保すること。また審査事務などは第三者機関が行うこと

 Lモードのオープン化について非常に配慮されているように見えるが,「検討」「留意」という言葉からも分かるように,情報通信審議会ではこれらの条件について,NTT東西に実行を義務付けているわけではない。正確には,「NTT東西によって確保されるよう配慮することを要望する」という遠まわしな表現で述べられている。

 だが,消費者にとっては,NTT法に抵触云々とういことよりも,選択肢が存在し,きちんとした競争が行われるほうがずっと意味のあることではないだろうか。マイラインのように,各社が利用者確保を目指してサービスの向上および料金値下が行われる状況が,Lモードにも必要だ。

 KDDIは「Lモードの謳い文句である“デジタルデバイド解消”は大義名分」と反論するが,総務省が公開した意見書では「PCが使えない祖父母ともメールができるようになる」という声も多い。Lモードの認可が決まったいまこそ,NTT東西には何がユーザーにとって利益となるのか考えてもらいたい。

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[中村琢磨, ITmedia]

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