News 2001年5月28日 11:55 PM 更新

Weekly Top10(5月20日〜5月26日)

Palmが復活するには?

【国内記事】 2001年5月28日 11:55 PM 更新

Weekly Top10 5月20日〜5月26日
1位 苦境に立つPalm,打開策は?
2位 1台でデスクトップにもノートにも――Compaqが変形型PCのデザインを披露
3位 Windows XPは「福の神」,それとも「疫病神」?
4位 Crusoeより省電力で2倍高速――インテル,超低電圧版モバイルPIII
5位 第2のDVDを目指すPS2
6位 SCE,LinuxでPS2をネットアプライアンスに
7位 PS2の暗号技術を破るのは,海水から水の分子を解析するようなもの
8位 ゲーム業界人ではないヒトの“E3見聞録”
9位 UNIXはAppleに福をもたらすか?
10位 IBM,ハードディスクの限界を打ち破るAFC技術を発表

Weekly Top10 米Palmが不調だ。第4四半期の売上高が,当初予想の3億〜3億1500万ドルから1億4000万〜1億6000万ドルに下方修正され,それを悲観した投資家がPalm株の売りに走った。25日の株価は,6ドル25セント。公開当初の株価が異常だったとはいえ,見事に右下がりの曲線を描いている(株価チャートを参照)。

 今回の下方修正の直接の原因となったのは,新製品の出荷が遅れたことだ。発表されただけで,なかなか入手できない「m500」ファミリーは,その魅力ゆえに買い控えを誘い,結果として既存モデルが大幅な値下げを強いられることになった。

 しかし,米国のアナリストたちは,不調の原因がPalmのビジネスモデルそのものにあると見ているようだ。彼らの意見をまとめると,以下の3点に集約される。

 まず,PCなどに比べて単価の安いPalmは,それに比例してOS供給によるライセンス料も低い水準にある。また,ライセンスによってHandSpringやソニーといった競合を生み出し,自ら市場を狭めた。そのうえ,高付加価値のビジネスモデルとなるはずだった企業向けソリューションビジネスも,米Extended Systemsの買収計画を撤回したことで先が見えなくなってしまった。

 これまでは,拡大するシェアに隠れて目立たなかったものの,この「儲かりにくい」体質は,以前から指摘されていたことだ。単一商品の薄利多売モデルは,新製品を投入するタイミングを誤ると一気に危うくなる。同じ商品を扱う企業があればなおさらだろう。それを避けるため,企業は新しい収益の柱を求めてビジネスの多角化を図る。

 ある日本のアナリストは,「PalmはNTTドコモを見習うべき」と指摘する。「iモードのような,しっかりとした課金システムやコンテンツ管理システムをWebクリッピングに取り込み,パートナーを増やして収入を得る。端末の高機能化と低価格化は避けられないのだから,今ある技術とシェアを活かしたサービスが収益構造を立て直す早道だ」(アナリスト)。

 別のアナリストは,より抜本的な案を提示する。「パートナーと競合し,ともに利益を削っている今の状況は,一時期のアップルに似ている。Palmはハードウェア部門を切り離し,ライセンスに注力すべきだ」。

関連リンク
▼ パーム,SDスロット搭載の最新Palmデバイスm500シリーズを発表,5月下旬より発売
▼ 苦境に立つPalm,打開策は?

[芹澤隆徳, ITmedia]

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