News 2001年6月6日 11:59 PM 更新

キュービー,ADSL回線を使った“PC不要”の「レンタルビデオ」サービス

まるでビデオを借りるように“2泊3日”“1週間”の期間なら何度でも見ることのできるストリーミング&蓄積型のVoDサービスが登場する。家庭のTVで鑑賞できるのも特徴だ。

 ADSL事業者のアッカ・ネットワークスとキュービーは,VoD(Video on Demand)による「レンタルビデオサービス」を今秋にも開始する。これは,家庭にあるTVと独自開発によるセットトップボックスを利用して,ADSL経由のストリーミングビデオを鑑賞できるというもの。幕張メッセで開催中の「NetWorld+Interop 2001 Tokyo」でデモンストレーションを行っている。

 キュービーは,今年2月に設立されたばかりのベンチャー企業だ。設立時はスタディーエスエルと名乗っていたが,6月1日付けで社名を変更した。高速回線を使ったVoDシステムの開発に加え,xDSL接続業務にかかわるコンサルティング業務なども手掛けている。

レンタルビデオがコンセプト

 同社の開発したレンタルビデオサービスは,その名の通りビデオを借りるのと同様の使い勝手を提供するものだ。異なるのは,レンタルショップまで借りに行く手間が省けるという点。サービスの詳細は未定だが,「ビデオをレンタルするのと同じように,1週間あるいは2泊3日などのコースを用意する。料金も300〜400円と同程度を想定している」(キュービーの遠藤憲幸氏)という。料金はISPの接続料と一括請求する予定で,STBのレンタル料は月額1000円程度になる見込み。

 アッカのADSLユーザーがサービスを受ける場合は,キュービーからSTBをレンタルし,家庭のTVにつなげるだけでよい。STBは,LinuxベースのPCに起動用のROMや独自のユーザーインタフェース,リモコンなどを追加したもので,20Gバイト(試作機)のHDDも搭載。ここにビデオを蓄積しておけば,レンタル期間中なら何度でも見ることができる仕組みだ。レンタル期限を過ぎると,自動的にデータが消去される。なお,コンテンツは,洋画,邦画,アニメ,スポーツなどに加え,教育や医療といったレンタルビデオ店にはないものもラインアップする予定だ。


STBの試作機。製品化の際にはDVDドライブやカードスロットは省かれる

NTT局舎にストリーミングサーバ

 ビデオストリームは独自のコーデックによって圧縮されたもので,VHSレベルの画質を実現するという。デモンストレーションの動画は,1.3Mbpsのビットレートながらジャギーが目立ち,“VHSレベル”とは言い難いものだったが,キュービーの岡安修孝取締役は「秋までに改良を重ね,圧縮率を上げる。最終的には700〜800KbpsでVHSレベルにする予定だ」と話している。


ユーザーがビデオの感想を書き込む「レビュー」コーナーもある

 ただし,最大1.5MbpsのADSL回線とはいえ,現状では700〜800Kbpsのストリーミングビデオを流すのは難しい。たとえADSLモデム間が1.5Mbpsでリンクしたとしても,中継系やバックボーンの回線が混雑していればデータ伝送は阻害されるためだ。しかし,キュービーのサービスでは,各地区のNTT局舎内にコンテンツサーバを設置することで,この問題を回避する。巨大なLANとして機能するCATVインターネットなどと異なり,ADSLの場合はユーザー宅〜NTT局間の回線を専用線として利用できるというメリットを活かした手法だ。これにより,インターネットが混雑している時間でも,ビデオの視聴には影響しない。「既にNTT東日本の東渋谷局にコンテンツサーバを設置して実験を行っている。各サーバへのコンテンツ配信についても独自のシステムを開発した」(岡安氏)。なお,このコンテンツデリバリーシステムに関しては,既にビジネスモデル特許を出願中だという。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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