News 2001年8月28日 10:07 PM 更新

ビクター,実売で10万円を切るHDDビデオレコーダーを発売(2)

 同社は昨年9月に,20GバイトのHDDとS-VHSビデオデッキを1つにしたハイブリッドレコーダー「HM-HDS1」を発表している(2000年9月28日の記事参照)。追っかけ再生や録画中の同時再生といったHDDレコーダーの使い勝手に,S-VHSの持つメディアの保存性・可搬性を加えたもので,ビデオデッキの新しい使い方を提案した。さらに今年6月には,HDDを内蔵した32/28型プログレッシブワイドテレビ「NETWORK HDD」シリーズを業界に先駆けて市場に投入した(5月15日の記事参照)。TV内蔵型は単体のHDDビデオレコーダーに比べ,操作が簡単な点や,余分なケーブルや回路によるロスをなくすことでクリアな画質を実現できるといったメリットがある。

 今回発売したHM-HD1は,HDDレコーダー単体としての製品だ。同社では,HM-HD1を「TVが大好きな重ね撮り派」向けと位置付けている。また,HDD内蔵TVは「TVをもっと便利に見たいと思っている,TV買い換え時期の重ね撮り派」,ハイブリッドレコーダーは「録画したものは保存したいと考える,自ら編集を行うライブラリー派」向けの商品としている。


HDDビデオレコーダーのユーザータイプ別チャート

 昨年から話題のHDDビデオレコーダー市場に,今回実売で10万円を切った製品が投入されることで,同市場がさらに活性化されることが予想される。一方で,ビデオデッキが2万〜3万円で買える時代に10万円もするHDDビデオレコーダーは,同じ土俵で考えるとまだ割高なイメージだ。この件について同社は「HDDビデオレコーダーはビデオデッキの置き換えではなく,新規商品と考えている。大容量のHDD搭載やさまざまな機能を考えると10万円を切った価格は“普及価格”だ」とアピールする。

 追っかけ再生や録画中の同時再生といったHDDビデオレコーダーのメリットは,これまでにない全く新しい機能だけに,聞いただけではピンとこないのも事実だ。逆にHDDビデオレコーダーを使ってみたユーザーからは「便利で手放せなくなった」という声が多い。

 現在,ビデオデッキの主流となっているVHS方式は,同社が開発したものだ。VHS第1号機の発売は,1976年にまで遡る。以後,ビデオデッキによって自分の見たい時間に好きな番組を見ることができるようになり,今やTVライフには欠かせない存在となっている。

 HDDビデオレコーダーは,VHSビデオデッキのように「一家に一台」商品となるのだろうか。それには“一度使うと手放せなくなる”という便利な機能をいかにアピールするかが,普及のポイントとなるだろう。

 主な仕様は,以下の通り。

モデル HM-HD1
HDD 40Gバイト
フォーマット 映像:MPEG-2,音声:MPEG1(レイヤー2)
記録時間 SPモード約10時間,LPモード約14時間,EPモード約28時間,SEPモード約40時間
転送レート SPモード8.4Mbps,LPモード6.4Mbps,EPモード3.2Mbps,SEPモード2.2Kbps
予約プログラム数 32プログラム(1年間)
インタフェース 映像入力×2,S映像入力×2,音声入力×2,S映像出力×2,映像出力×2,音声出力×2,マルチダビング端子×1,ビデオコントロール端子×1
本体サイズ 外形寸法 400(幅)×292(奥行き)×77(高さ)ミリ
重量 3.5キロ
価格 オープン(実売予想価格10万円以下)

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[西坂真人, ITmedia]