News 2002年7月4日 11:54 PM 更新

「究極の入力装置」に「isamuのコクピット」? 産業用バーチャルリアリティ展

産業用バーチャルリアリティ展には、とてもユニークな技術がいろいろ

 東京ビッグサイトで開催中の「第10回産業用バーチャルリアリティ展」(IVR)。展示会場で見つけたちょっと面白い技術を紹介しよう。


大勢の来場者でにぎわうIVRの会場。中には、とてもユニークな技術も

 「キーボードもマウスもいらない究極の入力装置」とアピールしているのは、ルミエール。同社は、米国やドイツなど海外企業のバーチャルリアリティ製品の販売代理店をしている会社。

 ルミエールが展示していた「バーチャル・マウス」は、“指先のジェスチャー”でカーソルの操作が行えるというもの。下の写真のように、U字型のフレームの間に手を入れると、手がマウスの代わりになるのだ。これは、U字型のフレームの両端に付けられたカメラにより、指の動きを検出し、スクリーンに反映させているためだ。「どんなディスプレイでもタッチパネルのように使うことができる」(ルミエール)のが特徴だ。同社によれば、全世界で400以上の娯楽施設や店鋪に導入されているという。


バーチャル・マウスのデモ。ちなみに、U字型のフレームには「特に意味はない」(ルミエール)とのこと。2つのカメラを平行に設置できる形であればどんなものでも構わないという。「でも、U字型はおしゃれじゃないですか?」(同社)。またクリックは存在せず、例えばWebページを見ている場合なら、リンク先に指をしばらく置いているとジャンプする仕様になっている

 このバーチャル・マウスの応用として、「バーチャル・キオスク」や「バーチャル・サインボード」(飛行場やショッピングモールに設置して自由に書き込みができるようにする)などが考えられるという。既存のマウス操作とタッチパネルを組み合わせたようなバーチャル・マウスは、操作していて楽しいのだが、しばらくやっていると、だんだん腕をつりそうになる。自然に構えると、腕を水平に伸ばした格好になるので、長時間の操作はつらいところだ……。  またルミエールブースでは、「MANDALA Virtual Reality System」という技術のデモンストレーションを行っている。このシステムは、「従来のバーチャルリアリティシステムには必須だった、ゴーグルやデータグローブを使わない」(ルミエール)のが特徴だ。

 クロマキーのブルースクリーンの前に立つと、前方のカメラで撮影された自分の映像がディスプレイに写し出される。会場では、「サッカーのゴールキーパー」になって飛んでくるボールをセーブするというデモンストレーションを行っていたのだが、手を左や右に伸ばすとちゃんとセービングすることができた。


お手軽なだけに、ゲームセンターなどでも使えそう。実際、“何も付けなくていい”というメリットは絶大のようで、気軽に試してみる来場者が多かった。もちろん、本誌記者もチャレンジした(写真とは関係ありません)。バーチャルキャラクターの反応が少し遅かったような気がしたのは、記者のオリバー・カーンなみの反応速度についてこれなかったせいか……

isamuのコクピット?

 1999年以来、モーションベース「JoyChair」を出展している川田工業。毎年バージョンアップを行ってきたJoyChairが、「JoyChair-R1」(価格150万円)として今年10月に発売されることが決まった。

 JoyChairは、前後左右に動く簡易2軸のモーションベース。±10ボルトのアナログ電圧指令だけで位置制御を行っているため、「コンパクトで低価格にすることができた。応答速度は、モーションベースの中では最も速いはず」(川田工業航空・機械事業部の平井正之氏)という。最大角速度は1秒で40度だ(カタログスペック)。

 展示会場では、映像にあわせてJoyChair-R1が動くというデモンストレーションを行っている(動きはプリセットされたもの)。ゴーカートに乗っている映像や、ロボットを操縦している映像など数パターンが用意されていたが、映像ごとにJoyChair-R1の動きが微妙に異なっている。「従来のモーションベースでは表現の難しかったクルマのエンジン振動や路面の細かな凸凹まっで表現できるようになった」(平井氏)。


HMD(Head Mounted Display)を使用したほうが(上)、当然ながら没入感が増す

 現在、JoyChair-R1の入力インタフェースはジョイスティックだけだが、「ニーズがあれば、ペダルや前後レバーなど、入力系統は増やすことも可能」(平井氏)。JoyChair-R1の用途としては、ゲームセンターやテーマパークなどが想定されているが、川田工業といえば忘れてはいけないのが2足歩行ロボットの「isamu」である。

 いまのところ、JoyChair-R1をisamuの遠隔操作用に使う計画はないようだが、平井氏は、「JoyChair-R1を販売する際に、isamuとセットでアピールできれば大きな力になる」と意欲を見せている。もしかしたら、来年のIVRでは、isamuとJoyChair-R1がセットで展示されているかもしれない。

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[中村琢磨, ITmedia]

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