News | 2002年9月30日 07:22 PM 更新 |
セイコーエプソンは9月30日、同社イメージング製品「Colorio」シリーズの新製品として、インクジェットプリンタ7機種と複合機、スキャナそれぞれ1機種の計9機種を発表した。インクジェットプリンタではローエンドモデル1機種を除く全機種で2880dpiに対応したほか、ダイレクトプリント機ではBluetoothを使ったワイヤレスプリントに対応した。10月4日から順次発売する。
今回発表されたインクジェットプリンタの新製品は、「PM-970C」「PM-930C」「PM-870C」「PM-740」「CL-760」のA4対応5機種とA3対応の「PM-3700C」、ダイレクトプリント対応の「PM-860PT」の計7機種。中でも注目は、解像度と印字速度がそれぞれ2倍になるなど高画質・高速化が図られた最上位機種「PM-970C」と、Bluetoothによるワイヤレス印刷やUSB DIRECT-PRINTに対応したメモリカードスロット搭載の「PM-860PT」だ。
解像度/印字速度が従来機比2倍のPM-970C
従来シリーズの最上位機(PM-950C)の後継機となるPM-970Cは、7色インク印刷時でPM-950C(2880×1440dpi)の2倍の解像度となる2880×2880dpiの印刷が可能。2880dpi印刷時は、最小インク滴サイズを従来機の2ピコリットルから1.8ピコリットルに微小化させた。「インクドットを高精細に制御することで、粒状性が全く見えないだけでなく、写真の持っている雰囲気や空気感までも表現できる」(同社)。
高解像度化で印刷スピードが犠牲になってはなにもならないが、PM-970Cではノズル数を従来機比約2倍(黒360ノズル、カラー各色180ノズル)にし、ヘッドの駆動周波数も2倍にした新開発のMACHヘッドを搭載。高解像度化と同時に印刷速度も2倍に向上させた。
またPM-970Cでは、一台のプリンタを異なった仕様で使える「インクチェンジシステム」をさらに進化。独立機構の7色インクカートリッジのうち、「シアン」「マゼンタ」「イエロー」の3色を2カートリッジにすることで、ブラックを含めた各色が360ノズルとなる高速4色インク機として使うことを可能にした。この場合、A4一枚あたり写真印刷で約33秒、普通紙印刷で約10秒という高速印刷が行える。
そのほか、光学センサーでの自動位置調整機能を追加したCD-R印刷機能や、四辺フチなし全面印刷、オートカッター対応のロール紙プリントなど「マルチ・プレイ・プリント」機能を搭載した。PM-970Cの標準価格は5万9800円で、10月中旬から発売する。
3通りのダイレクトプリントが行えるPM-860PT
PM-860PTは、今年3月に発表したダイレクトプリントモデルPM-850PTの後継機。「ワイヤレス」「USB DIRECT-PRINT」「メモリカード」という3通りのダイレクトプリント(3Way Direct Printing)が行える。
また、別売りの「Bluetoothユニット」(PMPTBU1、1万円)を搭載することで、Bluetooth対応のデジカメやPCからワイヤレスでダイレクトプリントできる。対応プロファイルはBasic Imaging Profile(BIP)で、通信方式はBluetooth Ver1.1。通信可能距離は見通し約10メートルとなる。9月30日現在の対応機種は、デジカメがソニーのCybershot DSC-FX77、PCがソニーのVAIO PCG-C1MZX、同PCG-SRX/PB、同SRX3S/BDなど。
同社が8月6日に発表した「USB DIRECT-PRINT」にも対応。独自コマンドを追加した対応デジカメとUSB接続すれば、PCや専用ソフトを介さずに画像を直接プリント出力できる。USBマスストレージクラスをベースに独自コマンドを追加したこの技術では、デジカメの液晶ディスプレイ上で画像を確認しながら、印刷枚数やサイズなども設定できる。
また、従来機はコンパクトフラッシュ、メモリースティック、スマートメディアの3種類のメモリカードスロットを搭載していたが、新製品はこれに加えてSDメモリカード/マルチメディアカードスロットを追加。専用アダプタを使わずに5種類のメモリカードが利用できる。PM-860PTの標準価格は3万9800円で11月上旬から発売する。
2880dpiの写真高画質を実現した新PMシリーズ
今回フルラインアップチェンジが行われたPM(Photo MachJet)シリーズは、上位機種から下位機種まで全モデルで2880dpiの写真高画質に対応した。
PM-970Cの兄弟機という位置付けのPM-930Cは、各色90ノズルの6色インクに変更するなど印字ヘッドをローコスト仕様にした以外は、PM-970Cと同じ機能を搭載したコストパフォーマンスモデル。2880dpi×2880dpiの高解像度と1.8ピコリットルの最小インク滴サイズ、マルチ・プレイ・プリント機能などを装備している。標準価格は4万5800円で10月中旬の発売。
スタンダードモデルとなるPM-870Cは、PM-970C/PM-930C同様にCD-R印刷や四辺フチなし印刷、ロール紙印刷といったマルチ・プレイ・プリント機能を標準で搭載。最高解像度は2880dpi×720dpiで、6色インク印刷に対応した。標準価格は2万9800円(10月11日発売)。
ローエンドモデルとなるPM-740Cは、2万円台の低価格で2880dpi×720dpiの高解像度と6色インク印刷に対応した。標準価格は2万4800円(10月4日発売)。
A3対応のPM-3700Cは、2880dpi×720dpiの写真高画質でA3ノビサイズという大判サイズが印刷できる。標準価格は6万9800円(11月中旬発売)。
低価格・省スペースを可能にしたエントリーモデルの“Colorio ライト”CL-760は、異なる3サイズのインクドットを打ち分けるMSDT(マルチサイズドットテクノロジー)と4色インクのウルトラマイクロドットにより、滑らかな階調表現で1440×720dpiの画質を可能にした。標準価格は1万6800円で10月4日から発売する。
複合機「CC-570L」とフラットベッドスキャナ「GT-9800F」
コピー、プリンタ、スキャナの各機能を備えたインクジェット複合機「CC-570L」は、昨年5月に発売したCC-550Lの後継機。四辺フチなしコピーなど従来機の特徴を継承しながら、さらにLサイズと2Lサイズの専用光沢紙(PM写真用紙)に対応。銀塩写真プリントのコピーも可能になった。また、「2アップコピー」「リピートコピー」「ミラーコピー」といった多彩なコピーモードを新たに搭載している。標準価格は3万9800円で、2002年10月中旬から発売する。
A4フラットベットスキャナのGT-9800Fは、プロ用モデルに迫る光学解像度3200dpiという高画質スペックと、高感度・高容量のオンチップマイクロレンズを搭載した「α-Hyper CCD」を採用。USB2.0やIEEE1394といった高速インタフェースを搭載し、高画質と高速性を両立した。また、原稿カバー一体型の透過原稿ユニットを標準で装備。35ミリ/ブローニ/4×5インチ判などさまざまなサイズのフィルムスキャンが可能。標準価格は5万2800円で、11月上旬から発売する。
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