News 2002年12月24日 00:04 AM 更新

ハロ似の“球形PC”に息づく「職人魂」(2/2)


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キレイな球形を低コストで実現するのに欠かせなかった“日本伝統の加工技術”

 球形PCを製品化するうえでネックとなっていたのが「金属製きょう体の球形加工」。これを可能にしたのは、日本の伝統的な金属加工技術「へら絞り」だった。「この日本ならではの職人技がなかったら、球形PCはありえなかった」(山手氏)。

 へら絞りとは、回転している金属に「へら」を当てて、微妙な手さばきで金属を伸ばして変形・加工するというもの。熟練した技術が求められるが、プレス加工で必要な雌型の金型を省略できる上に簡易な設備で生産できることから初期投資を抑えることができ、少量生産では低コスト化が可能となる。また、この道何十年の熟練した職人のへらさばきで生み出されたものは、プレス加工では真似のできないほどの曲げ精度となり、そのハンドメイド製品はH2ロケットや高精度パラボラアンテナなどにも採用されているほどだ。

 「2.5ミリ厚の平らなアルミニウム板が、職人の手によって2ミリ厚の見事な半球形に生まれ変わる。今回の球形PCでは、東京大田区の有名なへら絞り加工会社に依頼しているが、1つ1つに“職人魂”が込められており、手作りの良さが分かる製品に仕上がっている」(山手氏)。


1つ1つに“職人魂”が込められている

 今月初めに同社サイトで球形PCの開発表明を行ってから問い合わせが殺到しており、その中には国内だけでなく海外からの問い合わせも多いという。今後の予定としては、年末から年明けにかけて細部の作りこみやスペックなどを再検討し、1月中旬頃に最終の仕様が決定する予定。出荷第1弾は、1月末になる見込みだ。

 気になる価格だが、仕様自体も固まっていないことから現在のところ未定という。「ケース単体で5万円以下、マザー/HDD/光学ドライブなどすべてを組み込んだ球形PCは10万円以下を目標としている。当初は当社サイトでの直販が中心となるが、若松通商など秋葉原の一部ショップでも扱う予定」(山手氏)。

 ただし、“へら絞り”をはじめとする手作業の工程が多いため、量産は難しいとのこと。初期ロットは50台を予定しているが、こちらは現時点での予約分で完売する見込みだ。「フル稼働したとしても、月産100台前後が精一杯。もともと量産を狙った商品ではないので、本当に欲しいと思うユーザーと、じっくり相談して仕様を決めていきたい」(山手氏)。

こ、この色は……

 さてZDNetとしては、この話題に触れなければならないだろう。プロトタイプで用意された2色のうち、無難なシルバーは分かるが、もう1つの明るいグリーンはPCケースとしてはまさに異色で、どうみても“アレ”にしか見えないからだ。山手氏にその点を聞いてみた。


こ、この色は、もしかして“アレ”……?

 「やはり、そう見えますか(笑)。このカラーリングで“アレ”を意識しなかったといったらウソになります。自作PCユーザーの多くはロボット世代ですし、このカタチにこの色だと親しみを感じるでしょ」(山手氏)。

 ちなみに、“アレ”の設定上の大きさは直径40センチ。もし実物サイズで球形PCを作ったならば、Mini-ITX仕様の超小型マザーでなくても、通常のMicroATX仕様マザーが入りそうだ。さらに容積も増えるので、ノート用ドライブではなく汎用性のある3.5インチベイや大容量電源も設置できるだろう。熱処理さえうまくすれば、Pentium 4搭載も夢ではない。つまり“アレ”を基準にすれば、十分実用的な自作マシン用PCケースとして、球形PCが利用できるのだ。次回はぜひ、実物大バージョンでチャレンジしてもらいたい。


もし、グリーンバージョンを購入したら、目を描いて「元気か!」と起動時にしゃべらせたい。ちなみに、“球形PC似”のオブジェ(右)は筆者が持参したものです

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[西坂真人, ITmedia]

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