News 2003年3月14日 11:59 PM 更新

“世界最小最軽量”一眼レフから1350ミリの超望遠ズーム機まで――フォトエキスポ2003

写真関連の展示会「フォトエキスポ2003」がビッグサイトで開催。春の新作デジカメが集まった

 国内最大級の写真関連展示会「フォトエキスポ2003」が、3月14日からビッグサイトで開催。春の新作デジカメが集まった。


写真関連展示会「フォトエキスポ2003」がビッグサイトで開催

 カメラ映像機器工業会が発表するカメラ出荷実績をみても、ここ数年、前年比2ケタ増で成長し続けるデジタルカメラに比べて、銀塩カメラの凋落ぶりは著しい。前身のカメラショーから数えると約半世紀も続いているフォトエキスポも、近年はすっかり“デジタル”が主役の座に定着している。


フォトエキスポも、主役は“デジタル”

 銀塩カメラの需要を下支えしていたのは、主に一眼レフを中心としたFP(フォーカルプレーンシャッター)カメラ。その銀塩カメラマニアが、つい触手を伸ばしたくなるような“一眼レフデジカメ”が、今春各社から登場していることは、先週行われたプロ/セミアマ向け展示会「IPPF2003」のレポートでも紹介した。

 フォトエキスポでも、来場者の注目はレンズ交換型一眼レフデジカメ。中でもペンタックスのブースで参考出展された世界最小最軽量の610万画素一眼レフデジカメ「*ist D」に、熱い視線が注がれていた。


世界最小最軽量の610万画素一眼レフデジカメ「*ist D」

 3月2−5日に米国で開催していた「PMA 2003」でお披露目された*ist Dだが、国内では初公開となる。残念ながらPMAと同様にショーケースの中に展示されて実機を手にとることはできなかったが、ガラスごしにもそのコンパクトさは実感できた。従来の一眼レフデジカメの重さは700グラム−1キロ前後だが、*ist Dは510グラム。常に持ち歩ける一眼レフデジカメとして、6月の発売が待ち遠しい。


ショーケースの中に展示されていたが、ガラスごしにもそのコンパクトさは実感。実売20万円前後という価格にも期待したい


*ist Dは、豊富なKマウントレンズを使用可能。アダプタを介してペンタックス645/67レンズが装着できるのも魅力

 オリンパス光学工業のブースでも、*ist Dと同様に国内初披露の一眼レフデジカメが参考出品。同社と米Eastman Kodakが提唱するレンズ交換型一眼レフデジカメ新システム「Four Thirds System」のコンセプトモデルだ。


「Four Thirds System」のコンセプトモデル。こちらも、ガラスショーケースに収まっていた


 Four Thirds Systemの特徴は、小型で明るいレンズシステムを備えた一眼レフシステム。確かに用意された4本のレンズはどれもF2.8以上と明るい。また、焦点距離が35ミリカメラ換算で約2倍となるため、手持ち撮影がなんとか可能な300ミリレンズで600ミリ相当の撮影ができるのはうれしい。ただし今回のコンセプト機は、思ったよりもサイズが大きかった。小型化できるというのもFour Thirds Systemの魅力の1つだけに、気になるところだ。

 「今回のコンセプトモデルは、小型化を狙ったものではなく、性能重視モデル。システムのバリエーションとしては、小型軽量タイプも十分ありえる。6月の正式発表時には詳細が分かるだろう。製品の発売は今秋で、20万円を切る価格を目指したい」(オリンパス広報)。

1350ミリの超望遠デジカメ

 一眼レフデジカメは、レンズ交換によって500−1000ミリといった超望遠撮影が楽しめるのも魅力の1つ。しかし、このような長焦点レンズは数十万−百数十万円と高価で、一般ユーザーにはなかなか手の届くものではない。

 そこでバードウォッチングなどに使われるスポッティングスコープと呼ばれる望遠鏡にアダプタを介してデジカメを取り付け、野鳥やスポーツ撮影を行うという方法がある。だがこれだと、デジカメの液晶ディスプレイごしに被写体を見ることになり、非常に使いづらい。

 それならスポッティングスコープにデジカメ機能を内蔵してしまおうというのが、興和が参考出展した超望遠ズームデジタルカメラ「TD-1 SPOTTING SCOPE/DSC」だ。


超望遠ズームデジタルカメラ「TD-1 SPOTTING SCOPE/DSC」

 TD-1は有効314万画素のCCDを採用。75−225ミリでF2.8−4の明るいズームレンズは、35ミリカメラ換算で450−1350ミリの超望遠となる。


 デジカメとして使わない時は電源を切って、通常のスポッティングスコープとして使用可能。バードウォッチング中に珍しい野鳥を見つけた時も、スコープで被写体をそのまま見ながら、電源ONですぐに撮影できるというわけだ。

 「今夏、遅くとも8月には発売したい。価格は未定だが、実売で20万円を切るのが目標」(興和)。

コンパクトデジカメも見どころがいっぱい


オリンパス光学工業の有効400万画素の光学10倍ズーム機「C-750 UltraZoom」。前モデルよりボディが一回りほどコンパクトになった。「松下電器産業のFZ1より、体積比で15%少ない」(同社)。ブース2階には、会場内を高倍率ズームレンズで撮影できるコーナーも設置。4月下旬発売予定


京セラの400万画素3倍ズーム機「Finecam L4v」。小型軽量ボディの背面に広がる2.5インチの大型液晶ディスプレイが新鮮。4月上旬発売予定


コニカブースでは、PMAでお披露目した400万画素3倍ズーム機「KD-410Z」を参考出品。従来機(KD-400Z)と外観はほとんど変わらないが、動画撮影性能の向上(15フレーム/秒から30フレーム/秒)や起動時間の短縮、画作りの改善などが図られている。「当社が得意とする肌色再現性が向上した。上位機種(KD-500Z)の画作りが生かされている」(同社)

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[西坂真人, ITmedia]

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