News | 2003年4月3日 02:57 AM 更新 |
アトム誕生の年にふさわしく、ROBODEX 2003には“人間との共生”を目指したロボットたちが集まった。最先端技術が盛り込まれた“彼ら”の動きを存分に楽しめるのが、会場中央に設置されたメインステージ「メガステージ」で期間中毎日30分おきに行われるパフォーマンスショーだ。
HONDAのヒューマノイド型ロボット「ASIMO」は、2000年に行われた第1回ROBODEXでデビュー。このイベントにはなくてはならない存在だ。
デモンストレーションでは2体のASIMO(ノーマル色とグリーンバージョン)がまず登場。スムーズな歩行から階段の上り下りも難なくやってのける。だが実は、極めて複雑な姿勢制御が働いているということはZDNetの読者ならご存知だろう。
昨年12月に発表された新型「ASIMO」は、認識能力が大幅に向上。頭部カメラの画像情報から距離や方向を認識したり、足の付け根にあるカメラを使って地面や階段などにあるマークを見つける機能を搭載した。デモでは、色の違うマーカーを避けてゴールを目指す障害物競走などが行われた。
ASIMOは、時速0キロから最高1.6キロまで歩行スピードが自由に変えられる。1号機が1歩踏み出すのに約30秒もかかっていたことを考えると飛躍的な進歩だが、人間(成人)の歩行スピードが時速3−4キロなのに対して時速1.6キロは少々遅い。だがASIMOは、身長が120センチで体重は43キロと小学生並みの体格。小柄なボディだと、その遅さもさして気にならない。
会場では、ASIMOの前身で“大人サイズ”の「P3」も久しぶりに登場。ASIMOと並ぶと、その進化のほどがよくわかる。
デモでは、人が目の前に急に現れた時に停止できる環境認識機能、呼んだ方向を見ることができる音源識別機能、人の顔を認識する顔認識機能など、より高度になった新型ASIMOのコミュニケーション機能をデモでアピール。だが、ROBODEXネタとしては少々弱いなぁ……。
と、思っていたら、HONDAさんはやはり用意してました。しかも、全身銀色……。
一見、ASIMOのカラーリングを変えただけだが、歩き出してまたびっくり。「はっ、速ぇぇ……」(隣のカメラマン)。
銀色に見えるその塗装は、まさかマグネットコーティング? 説明によると、量産型(従来の)ASIMOよりも、2倍の速さで歩くことができるという。小柄なボディが時速3キロ超で歩く(速足?)さまは、数値以上にスピード感がある。
動画をあらためて見ると、映像を早送りしているみたいだが、これが“ヤツ”の実力なのだ。参考までに、量産型ASIMOの歩行スピードと見比べて欲しい。
この“銀ASIMO”、アトムの誕生日を記念して研究所で開発中のプロトタイプを連れてきたという。2000年に誕生したASIMOは、外観は同じながらも、その時代で最先端の技術を搭載していくことで少しずつ進化している。“銀ASIMO”は、その最新技術を試すための実験機なのだ。
こうなると、次は“3倍速い”赤いASIMOか?
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[西坂真人, ITmedia]
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