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2003/04/02 21:37:00 更新 |
ROBODEX 2003:量産型「番竜」は“お手”もする
テムザックと三洋電機は、「ROBODEX 2003」の会場で「番竜」の量産タイプを披露した。デザイン画は発表されていたが、実際に動作するものが公開されたのは初めて
テムザックと三洋電機は、「ROBODEX 2003」の会場で「番竜」の量産タイプを披露した。番竜は、恐竜をモチーフにした留守番ロボット(昨年11月の記事を参照。製品版のデザイン画は発表されていたが、実際に動作するものが公開されたのは初めてだ。ちなみに“お手”もする。
昨年末から先行予約を受け付けている「番竜」(T735)。ユーザーの手元に届くのは、このタイプ
番竜といえば、肉食恐竜を思わせる大きな頭部が印象的だったが、量産型は頭が小さい。これは、頭部に付いていたCCDカメラを背中に移し、360度回転できるようにしたためだ。
「最も高い位置に回転式カメラを設置したことで、左右や後方にも素早く視点を向けることができる。頭部のツノは、進行方向を決めるための照準器代わりになる」(テムザック)。
体長は1mから90cmへ、幅は85cmから62cmへとシェイプアップされ、5kgの減量にも成功した。丸みを帯びた量産型番竜は、どちらかというと草食恐竜っぽいイメージだ。カラーは「ホワイト」「オレンジ」「ブルー」「グリーン」「ブラック」の5色がある。
また、頭部の軽量化は機動力という点でも有利に働いたようだ。番竜といえば、段差を乗り越えるデモンストレーションが有名だが、「実は、段差を上ることはできても、下りることができなかった」(同社)。
今さら告白されても困るのだが、もう時効だ。量産型では体格のバランスが良くなり、また脚部にサスペンションを組み込んだことで、段差を下りることも可能になったという。
15cmほどの段差を、一歩一歩、慎重に上る番竜。所要時間を計ってみたら、約1分だった
かわいい? ペットモードも搭載
番竜には3つの動作モードがある。1つめはもちろん「留守番モード」。足を縮めて待機姿勢をとりながら、ニオイセンサー、音センサーなど50余りの外界検知センサーを動かして室内をチェックする。センサーが反応を検知すると番竜は立ち上がり、警報を鳴らすとともに飼い主の携帯電話に連絡を入れる。
連絡を受けた飼い主は、番竜を遠隔操作して自宅の様子を探ることができる。「遠隔操作モード」では、対応する携帯電話(NTTドコモのFOMAおよびPHSの一部機種)に「番竜コントロールモジュール」を差し込み、番竜に電話をかけるだけ。後はCCDカメラを映像を見ながら、簡単なキー入力で番竜を動かせばいい。回転式カメラは左右だけでなく、上下にも方向を変えることが可能だ。
遠隔操作のデモンストレーション。画面は新宿にいる番竜の視界
最後のモードは「レスポンスモード」、通称ペットモードだ。このとき、頭や背中を撫でると、番竜が“伏せ”や“お手”をする。
「訪ねてきた友人などに番竜をお披露目するとき、軽いジョークとして使ってもらえればいい」(同社)。
番竜の操縦には免許が必要?
昨年12月から限定50台の先行予約を受け付けている番竜。同社によると連休明けには出荷が開始されるという。ただし、番竜の飼い主(オーナー)になるには、それなりの覚悟が必要だ。
シェイプアップに成功したとはいえ、番竜の重量は約35kg。これが自走するわけだから、家の中でも危険がないとはいえない。「操作する人には、それなりの習熟と責任意識が必要になる」。
オーナーは番竜を購入する際、まずサービスマンによる操作の講習を受け、“講習終了証明書”を発行してもらわなければならない。実際の操作ができるのは、証明書を受けた人か、その直近の監督下にある人だけ。ロボットとはいえ、恐竜を“飼う”のはやはり大変のようだ。
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[芹澤隆徳,ITmedia]