News 2003年5月26日 11:59 PM 更新

News Weekly Access Top10(2003年5月18日−2003年5月24日)
国内展示会にも“SARSの不安”

アジア各国では、IT関連展示会がのきなみSARSの影響を被っているが、今年のビジネスシヨウでもその予兆が。隣国での状況が、“対岸の火事”ではなくなってきたようだ

News Weekly Top10 5月18日〜5月24日
1位 なぜ任天堂が敗れ、ソニーが勝ったのか――E3で考えたこと
2位 ビジネスシヨウ 2003開幕――新端末で盛り上がるキャリアブース
3位 PS2ハードの限界? 開発者・山内一典氏に聞く“リアルさ極めたGT4”
4位 ちょっとした騒音から逃げる方法
5位 IBMメインフレーム(現状渡し)、ヤフオクで売ってます
6位 次世代ゲーム機、5年サイクルは有効か
7位 米で“自己消滅するDVD”導入へ
8位 ビジネスシヨウで見つけた“コクヨのヨコク”
9位 18禁PCゲームをストリーミング配信
10位 劇場公開前の「マトリックス」ネットに流出?

Weekly Top10 先週のTop10には、5月20日から開催されていたビジネスシヨウ2003関連の記事が2本ランクインした。

 ビジネスシヨウ2003の開幕前日、主催者から、あるニュースリリースが発表された。タイトルは「Business Show Tokyo 2003におけるSARS対策」。国内外の不特定多数ユーザーが来場し、アジア地域を含む世界各国からの出展もあるビジネスシヨウでのSARS感染の不安を払拭するため、来場者および出展者の健康面での安全対策を知らせたものだ。

 アジア各国では、IT関連展示会がのきなみSARSの影響を被っている。感染地域の台湾では5月2日に開幕予定だった「2003 Softex」が中止となり、6月の「Computex Taipei 2003」も延期となったほか、最も多くの感染者を出している中国でも、上海で5月14−17日に開催予定だった「CeBIT Home Electronics 2003」を中止すると発表(別記事を参照)。シンガポールでもIT展示会「CommunicAsia 2003」が、やはりSARSの影響で中止になった

 ビジネスシヨウでは中国からの出展者に対して辞退を要請したものの、中国に次いで感染者の多い台湾からは出展者を受け入れた。もっとも、感染地域からの出展者は、各人に健康証明書の提出や毎朝のメディカルチェックなどが行われるなど、厳重なチェック体制が敷かれた。

 出展者だけでなく、来場者のチェックも厳しかった。外国人受付では来場国名をチェックし、感染地域からの来場者については問診書への記載と、サーモグラフィ装置による体温チェックが実施された。

 さらにビッグサイトのビジネスシヨウ会場入り口には、「38度以上の熱のある方は入場をお断りします」と、SARS対策を告知する看板まで登場。このような厳戒態勢が、逆に来場者の不安を募らせる結果となったようで、会場内では、台湾パビリオンを含むアジア系出展ブースを避けて通る来場者も目立った。


ビジネスシヨウ会場入り口には、SARS対策を告知する看板まで登場

 ビジネスシヨウ2003の総来場者数は主催者発表によると36万6200人と昨年よりも6000人増え、SARSの影響は一見少なかったようにみえる。だが、海外来場登録者数をみると、昨年が6535人だったのに比べ、今年は3755人と約半減している。

 国内展示会では、海外来場者を多く見込んでいるケースも少なくない。IT展示会においても、隣国での状況が“対岸の火事”ではなくなってきたようだ。

[西坂真人, ITmedia]

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