News:アンカーデスク 2003年5月30日 11:59 PM 更新

っぽいかもしれない
シームレス受信やシリコンマイクだってあったのだ(3/3)


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 そこで、切る前に両側に粘着テープを張り付けて、後からはがすという技が開発されたのだそうだ。これで歩留まりが一気にあがり、実用化の見通しを得ることができたんだそうだ。

 去年70Hzまでしか出ていなかった低域も50Hzまで伸びた。もう一息欲しいところだが、そこはさらに設計をつめていくだけのことだ。

 「本研究は松下電器産業との共同研究および東北大学との連携による進めています」とのことなので、放送分野以外への応用も期待されるところである。

4000ライン級超高精細映像システム

 これも、去年もあったもの。表示側は去年と差がない。ただし、去年は録画デバイスがなかった(フレームメモリに記録できるぶんしか録画できなかった)のを、「ハードディスクを並列に用いる記録装置」を開発、記録時間が34秒から18分に伸びた。そこで、カメラを持って出かけられるようになったので、渋谷の街角とか、お台場とかのコンテンツが見られるようになった。

 新しいのはカメラ。撮像素子をCCDからCMOSに変更、去年のだいたい半分のサイズのカメラが新しく登場していた。


 「なるほど、これができたから、ロケーションに行けるようになったんですね」。

 「いえ、これ、出来たの一週間前なんです。だから、持っていったのは、あの大きい方です」。

白色LEDライト

 2000年に開かれた「BSデジタルフェア」のときに見つけたLEDライトが久しぶりに展示されていた。

 あのときは、秋葉原で白色LEDをたくさん買ってきて、色温度が6300Kあたりであるものを選別して、組み立ててという世界だったのだけど、今度はメーカーと共同開発することで、色温度を最初から揃えたものができるようになった。しかも、もっと色温度を下げて、撮影用電球に合わせたものというのも作れるようになったのだ。電球色LEDっていうわけ。


 もう現場で使われているんですかってきいたのだけど、NHKでは実際には使用されていないらしい。もったいない。

テレビの仕組み

 小部屋の一つは「ここではテレビの仕組みについてわかりやすく紹介します」というコーナー。小学校5年生くらいを対象として、テレビの原理を見てもらおうっていうもの。ここが妙に充実していた。

 教育テレビファンなら知っているけど、NHKっていうところは、こういう説明するガジェットというのには、やたら凝るという性格があるのだ(*6)。

 というわけで、これがテレビ伝送の仕組みである。


ムービーはこちら

 私が行ったときには小学生はいなかったけど、おばあさんはいらした。そして、これをみて「ああ、なるほどぉ」って喜んでらしたから、確かに効果があったのだ。


*6 「なんでパラパラマンガのためだけに、こんなごつい器械をつくるの?」っていうのもあった(こどもがいくらいじっても壊れないようにするためなんだそうだ)。



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