News 2003年6月2日 09:22 PM 更新

“やんちゃ”な「Afina」が復活――第1弾は10万円切る“スタイル重視”の一体型

ソーテックがPC夏モデルを発表。注目は、“デスクトップでもノートでもない、使いやすい形”を目指した「Afina ASシリーズ」だ

 ソーテックは6月2日、PC夏モデル新製品としてデスクトップ/ノートそれぞれ2シリーズ4機種ずつと、新カテゴリ製品「Afina」1シリーズ3機種の計5シリーズ11機種を発表。同日から予約・受注を開始した。6月19日から順次出荷を行う。(夏モデルの詳細は別記事を参照)。

 新製品で注目は、“デスクトップでもノートでもない、使いやすい形”を目指した新コンセプト機「Afina ASシリーズ」だ。


新コンセプト機「Afina ASシリーズ」

 「キーボード」と「ディスプレイ」――。ユーザーとPCとをつなぐためにもっとも重要となるこの二つのインタフェースを一つにしたAfina ASは、液晶ディスプレイからキーボードまでが緩やかなカーブを描くようなラインでデザインされている。液晶ディスプレイの裏側にPC本体部を配置し、最背面には、角度調整可能なクリアパネルを装備。側面から見たシルエットは、女性のハイヒールを思わせる優雅なデザインに仕上がってる。


ハイヒールを思わせる優雅なデザイン


液晶からキーボードまで1つのラインでデザインされているが、チルトスタンドを動かすことで角度調整可能

 サイズは300(幅)×253(高さ)×330(奥行き)ミリ、重さは4.1キロと、液晶・キーボード一体型としては軽量コンパクト。WinBookシリーズなど同社ノートPCで培った技術を駆使して、PC本体部分の軽量・薄型化を図っている。

 「机にポンと置いて気楽に使ってもらうため、徹底的にコンパクトにした。可搬性を犠牲にして大画面化を図る他社の液晶・キーボード一体型PCとは逆の発想。コンパクトにするためにノートPCの部品を数多く使っているが、HDDだけは大容量で高速アクセスが可能なデスクトップ用を採用してる」(同社)。


液晶・キーボード一体型ながら、コンパクト設計

 12.1インチXGA(1024×768ピクセル)のTFTカラー液晶ディスプレイは、映像コンテンツ視聴に向いた「輝きパネル」を採用。最上位モデル(AS7180AV)にはTVチューナーを搭載するほか、さまざまな映像ソースを楽しめるSビデオ入力端子を装備。また、キーボードとディスプレイの間に配置されたスピーカーは、高音質で奥行きのある音場を得られるアルミコーンタイプを使用している。


スピーカーは高音質が楽しめるアルミコーンタイプを採用

 CPUは、AMDの低消費電力プロセッサ「モバイルAthlon XP-M」を採用。インタフェースは液晶ディスプレイの左右側面にUSB(2.0対応)端子を2基ずつ計4基装備。左側面には、メモリースティックスロットも備える。モバイルAthlon XP-M 1600+を採用したベーシックモデル「Afina AS7160D」(DVD-ROM/HDD40Gバイト/メモリ128Mバイト)とスタンダードモデル「Afina AS7160C」(コンボドライブ/HDD40Gバイト/メモリ256Mバイト)、モバイルAthlon XP-M 1800+でTVチューナー内蔵のAVモデル「Afina AS7180AV」(コンボドライブ/HDD80Gバイト/メモリ256Mバイト)の3機種がラインアップされる。


メモリースティックスロットも装備

 Afina ASシリーズの主な仕様は以下の通り。

製品名Afina AS7160DAfina AS7160CAfina AS7180AV
CPUモバイルAthlon XP-M 1600+モバイルAthlon XP-M 1800+
チップセットVIA ProSavage DDR KN266+VT8235
グラフィックスチップセット内蔵
メモリ128MバイトDDR SDRAM(PC2100)256MバイトDDR SDRAM(PC2100)
HDD40Gバイト80Gバイト
光学ドライブDVD-ROMDVD-ROM+CD-R/RWコンボドライブ
TVチューナー
インタフェースUSB(2.0)×4、メモリースティック×1、LAN(10BASE-T/100BASE-TX)×1、モデム×1
サイズ300(幅)×253(高さ)×330(奥行き)ミリ
重さ4.1キロ
OSWindows XP Home Edition SP1
価格9万9800円10万9800円11万9800円
販売時期6月下旬6月19日7月上旬

“やんちゃ”なコンセプト製品「Afina」が復活

 久しぶりに“Afinaブランド”が復活した。

 同社は2000年10月に、「家電のように使いこなせるPCをコンセプトにした「AFiNA」シリーズを発表。中でも女性をターゲットにした「AFiNA Stlye」は、“液晶・キーボード一体型”というユニークなスタイルで注目を集めた。同様のコンセプトで人気商品となったソニーのバイオWが発売される1年半も前の話だ。今回のAfina ASの特徴的なデザインは、AFiNA Stlyeのデザインも手がけた「GKインダストリアルデザイン」が担当している。

 AFiNA Stlyeと同時に発表されたオーディオメーカーとのコラボレーションモデル「AFiNA AV」も本格AV対応PCの先駆けとなったほか、その後もTVチューナー搭載の「AFiNA PC」、発表当時破格だった12万8000円のノートPC「AFiNAノート」、180度回転式液晶搭載のTablet PC「AFiNA Tablet」など、数々の話題商品を市場に投入。AFiNAは“暴れん坊”な同社の“やんちゃなコンセプト”を具現化するブランドとなっていった。

 もっとも、昨年発売されたAFiNA TabletはAcerのOEM製品。同社独自開発となるAFiNAは、約2年近くも“お蔵入り”だった。今回の新製品では「AFiNA」を「Afina」に変更するなど、新シリーズであることをロゴでも表している。

 「当社の一体型PCのコンセプトは、1985年に発表したPC第1号機『PHC-16』から続いている伝統。新しいAfinaは、PCの自然な発想を具現化したらこんなカタチになった。9月のWPC EXPO前には、第2弾のAfinaを発表する。デスクトップ/ノートなど3機種ほど計画しており、かなり斬新なモデルになる予定」(大邊創一社長)。

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[西坂真人, ITmedia]

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