News 2003年7月22日 11:18 PM 更新

News Weekly Access Top10(2003年7月13日−2003年7月19日)
PDA付き携帯プレイヤー、ということでどうでしょう。

先週のアクセストップは、NewCLIE発表の記事。CLIEシリーズ最小となるUX-50は、AVプレイヤー機能を充実させながらも、小型化を優先させるあまり、通信機能で「無線LAN一本」という思い切りの良さを見せてくれた。

News Weekly Top10 7月13日〜7月19日
1位 PHSを捨てて無線LANを選んだNEW CLIEの判断は?
2位 P2P実態解明へノード自動探索システムが稼働
3位 目指すは「シェア50%」――松下、ハイエンド向けDVDレコーダー新製品
4位 40年を生きた「ムーアの法則」、その終焉をゴードン・ムーア氏が予言
5位 机に書類山積みの「ウッディ・アレン」は出世しない?
6位 SCEIがPSエミュレータ開発者を募集中
7位 横長液晶の新CLIEが登場 独自の新CPUを搭載
8位 PCオーディオの鍵を握る「EDIROL」、次の一手
9位 WIRELESS JAPANで見た“青の時代”本格到来の兆し
10位 東京都、自作PCを回収・リサイクルへ

 この「無線LAN一本槍」というあたりが、UX-50の評価の分かれ目になっているらしい。純粋な携帯情報端末としてCLIEを使ってきたユーザーは、PHSを切り捨てたUX-50を「こりゃ、使えない」と評価し、AVプレイヤー端末としてUX-50に期待している人は「そりゃ、PHSじゃ足りんでしょう」と考えている。

 AV、とくに携帯動画プレイヤーとして見てみると、UX-50結構使えるのでは、というのが筆者の感想。30fpsの連続動画再生を5時間こなす200グラム未満の端末というのは、例えば通勤電車で録画していたテレビ番組(映画はやっぱりMPEG-2じゃなくちゃね、という趣味人でなければ、映画だっていいだろう)を見て、仕事中に個人情報を管理するぐらいなら、丸一日持ちこたえてくれそうだ。

 動画、音楽、そしてOpenGLを使った動画コンテンツをネットワークからダウンロードしてUX-50で使ってもらおうと、ソニーは目論んでいるらしい。その場合のネットワークインフラとして、PHSにはちょっと荷が重すぎるだろう。やはりIEEE 802.11bといえども無線LANぐらいは必要になる。

 というわけで、AVプレイヤーとして使うことを考えると「PHSを捨てて無線LAN」というのは、理にかなっているように思えるのだ。

 しかし、これはCLIE、というか脈々と受け継がれてきたPalmOSの系譜からすると、かなり異端の考え。

 個人情報を「いつでもどこでも」参照できる、というPalm本来のコンセプトから考えると、「いつでもどこでも」(携帯電話ではない)汎用的インターネットサービスへアクセスするために、PHSは絶対に必要なインフラだ。

 UX-50に残されている唯一の可能性は「Bluetooth」。このインフラで携帯電話と接続して、インターネットを使ってもらいたいのがソニーの考え。しかし、日本ではBluetooth対応携帯電話は、まったくといっていいほど日の目を見ていない。

 と、そこで思い出したのがソニーの売り上げの7割が国外市場で成り立っているという事実。欧州市場ではBluetooth対応携帯電話が結構普及している。

 「UX-50の海外展開の予定は今のところなし」と語っているソニーだが、欧州市場を見逃すようなことは、当然のごとくありえない。なんったって「UX-50のカラーリングモデルの展開は」という質問に「“国内”では考えていません」と力強く回答するぐらいだから。

 ちなみに、「ザウルスと似ているね」という意見もよく耳にするが、「不自由なLinux環境をウンウン唸って使いやすくカスタマイズしていくところに“玩具”としての面白さを見出すのが、SL-Cシリーズでしょう」と考えるのはあまりにも偏っているだろうか。

[長浜和也, ITmedia]

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