News | 2003年9月8日 04:06 AM 更新 |
ところが前回のレポートの最初の写真で紹介したマウスは、ワイヤレス機としては下位機種となるWireless Optical Mouseでありながら、複雑な模様と高い質感を持っていた。これを可能にしているの、新たに採用したモールド製法だ。
この製法では、アクリル系の透明シートに裏面から印刷を施し、型押しと熱処理でマウスパーツの形に成型。それを切り抜いた後、プラスティックパーツに型押し処理で張り付ける。こうすることで、クリア層の奥にグラフィックが見える高級感のある外観をローコストでも実現できるようになった。
グラフィックデザインは透明シートに印刷するだけで良いため、複雑な模様も簡単に作成することが可能で、異なるバリエーションを作ったり、デザインを変更するコストも安くてすむ。量産モデルには、1機種のみしか採用されていないが、今後はバリエーションモデルの追加を行ったり、将来はオプションで好みの模様を選べる製品を開発する予定もあるそうだ。
またカラーバリエーションとともに注目したいのが、フェイクレザー加工。実際にレザー加工された製品に触れてみたが、マウスの背面が自動車のコンソール部分のような質感になっている。実際、自動車の内装部品に使われるのと同じ手法で型押し加工で製造されている。
一方、Wireless Optical Desktop Eliteの付属キーボードに採用されたパームレストのフェイクレザー加工。こちらは弾力性のある素材を挟み込み、表面処理も滑らかにしたマウス背面とは異なる処理となっている。
車のダッシュボードにある弾力性のあるフェイクレザー張り加工に似た質感だが、こちらも型押し加工による製造のため、キーボード製品に採用できるぐらいにまでコストを下げることができた。
“簡単にパーソナライズ”を目指した新キーボード
さてフェイクレザー加工がパームレストに施された新ワイヤレスキーボード。もう一つの注目は5個のフェイバリットキーである。従来のMicrosoft製キーボードは、平均的なPCユーザーがよく操作する機能を直接呼び出すホットキーや、ファンクションキーの機能を切り替えて頻度の高い操作を行う機能などが装備されていた。これらはカスタマイズ可能だが、あらかじめ機能の名前が印刷されている。
キーボードの開発担当者は「ボタンのカスタマイズは可能だが印刷されている機能とは異なるものを割り当てる使い方はユーザーの混乱を招く。また多くのユーザーは、たった5分でできるカスタマイズ設定も面倒だと話して使ってくれない」と話す。フェイバリットキーは、そうした問題に対する回答として装備したものだ。
フェイバリットキーは、お気に入りのWebページや頻繁に利用する文書ファイルの呼び出しを非常に簡単な操作で登録できる。Webページや文書ファイルを開いた状態で、登録したいフェイバリットキーを長押するだけ。割り当て機能を確認するダイアログは表示されるものの設定作業は必要ない。
なお、設定機能を使って詳細なカスタマイズを行えば、フェイバリットキーにバッチファイルやスクリプトファイルを割り当てたり、特定のアプリケーションを起動することも可能である。
とはいえ、主たる目的はごく簡単な操作でパーソナライズを行うこと。このため、その名の通り「お気に入り呼び出しキー」としての使い方が主となるだろうが、ユーザーは徐々に操作に慣れてくるものだ。例えば操作手順をマクロ登録するといった機能は、残念ながら本機には採用されていない。
しかし、「将来的にはキー操作シーケンスをマクロとして登録する機能も実装したい」とのことなので、InteliType(付属のドライバ/ユーティリティ)の将来版では上級ユーザー向けの機能もサポートされるかもしれない。
[本田雅一, ITmedia]
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