News 2003年9月9日 07:56 PM 更新

半導体市場は“ヒューマンフォーカス”へ――ルネサステクノロジが事業説明会

日立製作所・三菱電機合弁による半導体専業メーカーのルネサステクノロジが、2007年度までの中期経営計画など今後の事業方針について説明会を実施。システムソリューション戦略の一例として「SH-Mobileコンソーシアム」構想も紹介された。

 ルネサステクノロジは9月9日、事業説明会を実施。同社会長兼CEOの長澤紘一氏と同社社長兼CEOの伊藤達氏の経営トップ2人が、2007年度までの中期経営計画など今後の事業方針について語った。


今後の事業方針について語る同社社長兼CEOの伊藤達氏(左)と会長兼CEOの長澤紘一氏(右)

 同社は日立製作所と三菱電機の両社半導体部門の事業統合によって今年4月にスタートした半導体専業メーカー。マイコン(MCU)分野で競合していた上位2社の合弁によって、同分野での市場占有率(全世界)は22%となり、“マイコン世界シェアナンバー1”企業としての地位と重責を設立当初から担うことになった。

 長澤氏は「今年4月にスタートして半年間、経営基盤作りや営業ライン活動に取り組むかたわら、将来の成長を図るための中期経営計画に取り組んでいる。これまでの成果としては、第1四半期で約2300億円の売上げを計上し、黒字化を目標とした9000円億円に向け、順調に軌道に乗っている」と設立から現在までを振り返る。


「黒字化に向け順調に推移」と語る会長兼CEOの長澤紘一氏

 半導体市場の統計機関「WSTS(World Semiconductor Trade Statistics)」では、2003年の世界半導体市場は2ケタ成長に回復すると予測している。だが長澤氏は、2003〜2004年度の短期的には成長率も3%程度にとどまるとみている。

 「半導体市場も、ビジネス中心だったものが、個人生活の豊かさを向上させるための“ヒューマンフォーカス”へとマーケット構造が変化しており、成長も以前に比べて鈍化している。以前のような2ケタの大きな成長はないものとして、中期経営計画をたてている」(長澤氏)

 低成長市場の中では、当面、コスト力強化とキャッシュフロー重視の経営を推進。2003年度は9000億円以上の売上高と経常利益の黒字化を目指しながら自社ブランド定着を図り、900億円を投資して経営・開発基盤作りに専念していく。ただし、2005年度から本格化するとみられている「ユビキタス時代」に向け、次世代成長マーケットに対応した事業体制にシフトしていく方針で、2005年度には売上高1兆円以上、経常利益率10%を狙う。


マーケット構造の変化で、ヒューマンフォーカスへのパラダイムシフトが加速化

 伊藤氏は「以前は、技術がマーケットに追いつこうとしていたが、現在、マーケットが要求する技術と提供できる技術レベルがクロスしてきている。今後は、提供される技術がビジネスに必要なレベルを超越していくことが予想される。これが、マーケット鈍化の大きな原因。ビジネスからヒューマンフォーカスへのパラダイムシフトの中で、われわれはユビキタスにフォーカスした事業を展開していく。中でもシステムソリューション事業では、分野を特化し、優位技術や応用技術を集積したプラットフォーム戦略を展開。成長が見込めるモバイル・PC/AV・自動車の各分野にフォーカスしていく」と、具体的な経営戦略を語る。

 システムソリューション戦略の例として伊藤氏は、「SH-Mobileコンソーシアム」構想を紹介した。

 「携帯電話のような製品は、われわれ半導体メーカーとセットメーカーだけで成り立つものではなく、キャリア(通信事業者)が重要な存在となる。コンソーシアムでは、SH-Mobileに関する共同マーケティング、ライセンス提供、技術サポートなどをパートナーと連携しながら行っていく。具体的なパートナー企業など、コンソーシアムの詳細は10月のCEATECで正式発表する予定。当初は30社ぐらいでスタートできる見込みだが、将来的には100社以上でコンソーシアムを形成し、補完関係を築き上げてSH-Mobileの強化・拡大を図る」(伊藤氏)


「SH-Mobileコンソーシアム」構想

関連記事
▼ ルネサステクノロジ、QVGA/26万色表示対応のLCDドライバ
▼ 三菱電機、DRAM事業をエルピーダに譲渡 日立と半導体事業を統合

関連リンク
▼ ルネサス テクノロジ

[西坂真人, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



Special

- PR -

Special

- PR -