News 2003年9月30日 02:53 PM 更新

COMPUTEX TAIPEIこれが本編
COMPUTEXで見つけた“怪しくも楽しい”パーツたち(3/3)


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 EtasisのブースにおいてあったのはWPC EXPOでも展示されていたブツだが、ここではなぜか撮影を断られたので、WPC EXPOで撮影した写真を掲載しておこう。この製品は、SilverStoneという、Cooler Masterからのスピンアウトした人々が作成した会社のものらしい

 このほか、ブースに展示こそされていなかったが、プライベートな展示を行っていた米国のAntecからも来年早々にはファンレス電源が出るようだ。こちらは、最大で400Wまでの製品を出してくるとのことなので、今年の後半から来年にかけては、ファンレス電源が注目されるようになるかもしれない。

 もっとも、来年の夏を乗り切れるかどうかがやや心配であるが……。

ブロードバンドルータの次の手は

 会場には家庭向けのブロードバンドルータも多数展示されていた。

 昨今、我々が使うような家庭向けルータは、そこそこのパフォーマンスで低価格なものが当たり前になってきたので、最近では興味をそそられない周辺機器に成り下がってしまったきらいがある。

 会場に展示されていた家庭向けルータは、かなりのものがSPIやVPN対応になっていたので、これからはこうした安価なルータが市場に出回ってくることであろう。

 ところで、個人的には、ウイルス処理をクライアントで行うのが邪魔くさいと思っているので、ルータ側にSPAM対策やウイルス除去機能を持たせたいと思っている。サーバを1台作ればさほど難しくはなく実現できるようなのだが、筆者の場合、すでに家庭内にサーバを2台抱えているので、できればルータか小型のPCをサーバ代わりにしたいところである。そうした用途はこれからも増えてくるのではないかと思い、いくつか探してみた。

 すると小型のベアボーンブランド「SUMICOM」で知られているKing Young Technologyより、前面に3基、背面に1基のEthernetポートを搭載したPentium 4システムを発見した。ルータと言うには少々大きいがPentium 4を使えば、ルータでボトルネックになりそうなSPAM処理やウイルスチェックも高速に行えるのではないだろうか。


SEMICOM S600C。チップセットはSIS 651/962を使用しており2.8GHzまでのPentium 4に対応

 しかし、ベアボーンではなく、手をかけずにルータだけでこうした処理をしたい人向けの機器もいくつか見かけた。

 例えばARGUS TECHNOLOGIESのIS5000シリーズはAnti-SPAMやAnti-Virusエンジンを搭載しており、リアルタイムでSMTP/POPを処理したりウイルスのパターンによるチェックを行うことができる。


AGUSのIS5108インターネットセキュアルータ。VPNもサポートしており、CISCO2600のようなハードウェアやSSH Sentinel/Windows 2000 Serverのようなソフトウェアとの接続も可能

 もう少しPCに近いような、HDDが搭載できるルータとPCの中間のような機器も展示されていた。組み込み型機器の製造などで著名なADDVANTECHからは、FWA-660というインターネットセキュリティプラットフォームが展示されていた。

 IntelのCeleron/566MHzという、微妙にそそられるCPUがi815Eのマザーボードに載っているこのシステムは、SO-DIMMのメモリスロットと2.5インチのHDD用インタフェース、そして4枚のEthernetポートと1基のCFスロットを備える“ルータの皮をかぶったPC”とでもいうような製品だ。

 ADVANTECHという会社の性質からして、このマシンが即発売されるようなことはないだろうがいずれ、どこかのメーカーから、ソフトウェアを搭載したモデルとして発売されるだろう。そうなったときに、HDDやCFの拡張性をどう生かした製品になるのかが楽しみだ。


ADVANTECHのFWA-660。外見こそルータだが、中身はPCとほぼ同様のスペック。重量は1.2キロ、30WのACアダプタで動作する

 FW-660に各種ソフトウェアやAnti-SPAM/Anti-Virus機能を組み込んだような機器が、STEPのNet Station 1010Tだ。これには、Web ServerとMail Serverの機能が搭載されていて、Anti-Virus機能も10ユーザーあるいは25ユーザー用が用意されている。さらには無線LAN機能も搭載されている。

 Anti-Virus機能は10ユーザー版はTrendMicroの、25ユーザー版はSOPHOSのAnti-Virusエンジンを搭載していて、1年間は無料でウイルスのパターン定義ファイルをアップデートできる。その後はライセンスにしたがって料金を支払い、アップデートしていく仕組みだ。いわば、TrendMicroのGateLockのようなものである。

 Webサーバについては何に使用するのかよくわからないが、CPUがCrusoe TM5600 500MHzというところから、普通のSOHO程度のサーバを設立するには十分なスペックだろう。Mailサーバに関しても、これでメールをチェックすることができるようなので、外部のプロバイダなどに頼らなくてもSOHOあるいは家庭内部をウイルスから隔離することができる。


STEPのNet Station 1010T 20GBのHDDを搭載し、CPUはCruesoe TM5600 500MHz



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[河野寿, ITmedia]

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