News:アンカーデスク | 2003年12月5日 10:19 PM 更新 |
それぞれの車輪は自由な向きを採れるから、横や斜めに水平移動、その場回転、ドリフトしながらのターンなどもお手の物だ。
さらには、「歩く」ことだって可能だ。
駆動系、神経系、バッテリーなどはすべてフラットな床の下に置かれている。シャーシはそれに乗っかってくっついているだけだ。とっちゃっても全く問題なく動く。これが「本当のHallucigenia 01の姿」だともいえる。
Hallucigenia 01はまだプロトタイプであり、実車にするまでにはいろいろな問題を解決しなければならない。たとえば、運転はどうするのかとか。通常の自動車と同じように操作すると、あらかじめプログラムされている動作が呼び出されるようにするということは考えられるけど、それ以上のマニュアル操作をやりたくなったときには、なにかインタフェースを考えなければいけない。
また、見ていて思ったのだけど、Hallucigenia 01は予備動作がわかりにくい。いったいどっちに動きだすのかが、そばにいてわからないのだ。わたしは、この車のそばにいたら、あっというまに跳ねられる自信がある。では、どうすればいいのか。警告灯だけでは、たぶん不十分だ。もっと動きなどの中から直感的に、来るぞと思わせる方法はないだろうか。でも、このあたりのテーマは、山中さんが喜びそうな気がする。
「わたし、車に酔うんですけど」とも聞いてみた。Hallucigenia 01の動きに乗ったときに、酔うのか酔わないのかはよくわからないそうだ(研究テーマにできそうだ)。ただ、前後左右の加速度を打ち消すように床を傾け、常にGが乗客の真下にかかるようにするということは考えられる。そうすれば、酔わない車ができるかもしれない(もっとも、景色が動くだけでも酔うときは酔うんだけど)。
最後に、山中さんにいちばん気になっていることを聞いた。
「これにハルキゲニアって名前をつけたのはどなたですか?」
「私です」
「それでしたら伺いたいんですが、これ、ハルキゲニアというよりはカナダスピスに見えるんですけど……」(*6)
「言われましたか。たしかにハルキゲニアじゃないですよね。上にトゲないし。でも、ハルキゲニアっていう言葉の意味や象徴性を考えて、これにしました」
「たしかに、ハルキゲニアはアイドルですものね」
「そうか、カナダスピスならよかったかな。ハルキゲニアは有名過ぎて、いつか商品化されるときに、このままの名前では商標がとれなさそうで……」
[こばやしゆたか, ITmedia]
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