「ビジター参加」がWebの新たなトレンドに
あなたが次にお気に入りのWebサイトにアクセスしたとき、そこから得られるのと同じだけのものをそのサイトに与えることになるかもしれない。これは、サンフランシスコで開催のWeb 2.0 Conferenceで講演者たちが取り上げているトレンドの1つだ。
このトレンドは、Pew Internet & American Life Projectによる最近の調査に現れている。Web 2.0 Conferenceのジョン・バテル議長がこの調査から引用したところによると、Webサイトの訪問者の半数以上が、個人情報の提供や調査協力、何らかの方法でフィードバックを返すといった形で貢献しているという。
顧客参加を重視するサイトの1つがAmazon.comだ。同社の創設者兼CEO(最高経営責任者)ジェフ・ベゾス氏もこのカンファレンスで講演を行った。Amazonは社外の人間が同社のプロプライエタリなデータを扱えるAPIを公開することで、ほかでは得られない顧客サービスを提供できると同氏は述べている。
ベゾス氏はプレゼンの中で、ScoutPal.comサービスについて説明した。同サービスでは、バーコードリーダ付きの特殊な携帯電話で手持ちの本をスキャンし、サイト上でその本の販売額を決められる。このサービスは、古本の売買が趣味の妻を持つプログラマーが開発したものだ。「このサービスを構築するためにソフトエンジニアを雇わなくてはならないなら、これは当社の優先項目リストの一番上には来ないだろう」と同氏。
検索の新たな挑戦者
Amazonは勢力圏をインターネットの新たな分野に伸ばそうとしている。Googleは難攻不落の検索の王者だと言うWebユーザーは多いだろうが、それでもAmazonはGoogleへの挑戦に向けた準備を思いとどまることはない。同社の新しいA9.comサービスは、Webサイトのほか書籍の内容、そのほかの「オフライン」の情報源を検索する。
さらに、A9では検索の履歴をサーバに保存できる(検索企業のAsk Jeeves、Yahoo!も最近、Web検索を保存する機能を発表している)。
また新たな検索サイトとして、IdealabのSnap.comも登場した(10月7日の記事参照)。このサービスは、Overture Servicesの創設者ビル・グロス氏が立ち上げた。
Snapは、ユーザーが検索結果を受け取った後に取る行動を予測するよう設計されている。例えば、「カメラ」という単語を検索すると、普通の検索結果の上に表が現れる。この表には、これまでにユーザーが行った検索に基づいて、ほとんどの人気の高いカメラのスペックが表示される。この表を使って、特定の性質(4メガピクセル以上など)を持つカメラのみを表示したり、特定のベンダーのモデルを表示することなどができる。
この機能性は、グロス氏が言うところの「検索の3つの新しいブレークスルー」の1番目、ユーザーコントロールを示している。残りの2つのブレークスルーは、ユーザーフィードバック(Walmart.comの製品一覧など、これまでのユーザーの検索結果を受け取った後の行動に基づいた情報)、そして透明性(検索結果ページに表示される広告に、広告主がいくら払っているか分かる)だ。
ショッピングに追い風
このほかWeb 2.0 Conferenceでは、オンライン商取引の話題も盛り上がった。Web調査会社comScore Networksの会長兼共同創設者ギアン・フルゴーニ氏が披露した調査結果によると、電子商取引は急激に伸びそうだという。ダイヤルアップからブロードバンドへの移行が進むにつれ、ユーザーのオンライン支出は50%拡大していると同氏は指摘した。
もう1つ、電子商取引の追い風となっているのは、家具や宝飾品のような高額な製品の購入が、書籍やCDなどのオンラインで一般的に購入される製品よりも急速に増えていることだ。comScoreが200万人のWebユーザーを対象に行った調査でこの傾向が明らかになった。
実際の購入のほか、Webを買い物前の下調べに利用するユーザーも増えている。
「インターネットは消費者が購入決定をするための選択肢として台頭してきた」とフルゴーニ氏は語り、例として新車の購入者を取り上げた。comScoreによると、車の購入決定の70%で、オンラインでの下調べが行われた。
また同社は、自動車関連サイトでの検索件数の変化が、実際の車の売上の変動を反映していることを発見した。さらには、オンライン求人サイトを検索したユーザーの数と失業率の間にも相関が見られた。さて、フルゴーニ氏の結論は? 「オンライン広告が広告費に占める割合はもっと大きくなるはずだ」と同氏は喜ぶカンファレンス参加者たちに向けて語った。
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