デュアルコアPentium Mは「キャッシュ共有型」
米Intelは6月2日、デュアルコアモバイルプロセッサ「Yonah」に関する一部詳細をマスコミ向け説明会で明らかにし、このプロセッサが2つのコアで1つのキャッシュメモリバンクを共有することを認めた。
YonahはノートPCおよび小型デスクトップPC向けプロセッサ「Pentium M」のデュアルコア版で、来年第1四半期にリリースの予定。Intelの初のデスクトップ向けデュアルコア設計とは異なり、プロセッサ内でストレージや電源管理リソースを共有する、より密に統合された設計になっていると、同社モバイルプラットフォーム部門副社長兼ジェネラルマネジャー、ムーリー・エデン氏は説明した。
リリースされたばかりのデュアルコアプロセッサ「Pentium D」では、それぞれのコアが専用の1Mバイトキャッシュバンクを持っている。Yonahでは、1つの2Mバイトキャッシュバンクを2つのコアで利用し、これにより、データをプロセッサからシステムのメインメモリバンクに一時的に格納する必要性を減らせるという。
キャッシュメモリは頻繁にアクセスされるデータをCPUの近くの保管所に格納するために使われる。キャッシュメモリに格納されたデータは、PCのメモリに格納されたデータよりもずっと高速でアクセスできる。CPUがプロセッサの外にデータを探しに行かなくても済むからだ。
Yonahでは各コアが2Mバイトのキャッシュにフルにアクセスできる。つまり、1つのコアが、もう1つのコアが後で必要とするかもしれないデータをキャッシュに格納でき、もう1つのコアはプロセッサの外にアクセスしなくても、そのデータを利用できるということだとエデン氏。キャッシュ容量が大きいため、Yonahのコアがフロントサイドバス(FSB)を通してアクセスする時間が少なくて済み、命令の実行に時間をかけられる、つまり性能が大幅に向上すると同氏は説明した。
キャッシュの共有により、FSB設計の不利な点もいくつか解消できる。FSBはチップセットを介してプロセッサとシステムのメインメモリをつなぐ経路で、多くのアナリストからデュアルコア時代のボトルネックと見られている。Intelのプロセッサは、FSBがチップセット上でCPUから遠いところに置かれている。しかしライバルのAMDのプロセッサでは、メモリコントローラがCPUと同じチップに載っているため、CPUはFSBよりも高速でメモリ内のデータにアクセスできる。
Intelはいずれ同様の設計に移行する計画だが、それまでの間、2つのコアの活動の増加に対処するために、バスのデータ転送速度を引き上げてきた。Yonahの2つのコアは、現行Pentium Mの533MHzよりも高速な、667MHzで動作する1つのFSBを共有するとエデン氏。
また同氏によると、Yonahは高度な電源管理技術を使って、各コアが命令の処理に必要な電力だけを引いてくるようにする。同プロセッサは各コアを通過するアプリケーションの活動を監視して、必要な電力を割り当て、アイドル時には電力消費を減らすという。
その結果、YonahやそのほかのNapaプラットフォームを搭載したノートPCでは、現行Centrino技術を搭載したノートPCよりもバッテリー駆動時間が長いはずだとエデン氏は語った。Napaは、Yonahと新しいモバイルチップセット、新しい無線チップを組み合わせたプラットフォームのコードネーム。
Intelは来年、デュアルコアプロセッサを積極的に投入する計画だ。同社は、もはやマザーボードが溶けるほどの熱を出さなければ、シングルコアPentium 4の性能を引き上げることはできないと気づき、デュアルコアプロセッサを加速せざるを得なくなった。プロセッサアナリストや熱心なマニアは、最初のPentium Dの設計は、AMDのデュアルコアプロセッサと比べて洗練されていないとして鼻であしらった。
Pentium DとYonahの違いは明確だと、エデン氏は記者の質問に対して語った。
「マイクロプロセッサとロバの違いは何かと尋ねるようなものだ」(同氏)
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