AMDのデュアルコア版モバイルCPUは2006年前半投入へ
AMDはIntel Developers Forum Fall 2005会場近くで、モバイルAthlon 64を中心にしたノートPC向けプラットフォームソリューション「Turion 64」のデュアルコア対応について説明した。AMDマーケティングアーキテクトのハル・スピード氏は「Turion 64のデュアルコア版は熱設計電力で25ワットと35ワットのフォームファクターを採用し、来年の前半に投入する」と話した。
デスクトップ版の「Athlon 64 X2」は、すでにデュアルコア化によるパフォーマンスアップの大きさや省電力・発熱の少なさなどで評価が高い。デュアルコア化による消費電力の増加が最小限に抑えられていることも評価されている部分だ。これはモバイル版でも同様であり、デュアルコア版Turion 64も従来のTurion 64と同じ熱設計電力を維持している。
AMDは来年、プロセッサソケットを整理し、デスクトップはSocketM2(940ピン)、サーバはSocket F(1207ピン)、モバイルはSocket S1(638ピン)へと収斂させる。いずれもデュアルチャネルのDDR2メモリをサポートする。特にSocket S1は従来からピン数こそ減少しているが、より薄型のフォームファクタとなる。
上記のデュアルコア版のモバイルAthlon 64 X2もSocket S1が採用され、内蔵メモリコントローラもDDR2対応へと進化。さらにセキュリティ機能の「Precidio」や仮想マシン技術のPacificaにも対応しており、IntelのYonahと真っ向から対決する製品となるようだ。
一方、上記のモバイルAthlon 64 X2は、基本的にデスクトップ向けコアをモバイル向けにパッケージしたものだが、AMD関係者によるとK8のアーキテクチャをベースに省電力機能や設計上の工夫を施した低消費電力版を開発しており、さらに全く新規の省電力アーキテクチャに関してもプロジェクトが進行しているという。
K8のアーキテクチャは、Intelの電力効率を重視した次世代アーキテクチャが採用する14段パイプラインの構成に近く、回路規模の面でも現在の半導体製造プロセスに適した無理のないアーキテクチャだ。おそらく65ナノメートル世代になれば、省電力化の改善を盛り込むことができれば、モバイル向けに適したプロセッサとなる可能性がある。
この点に関してスピード氏は、省電力化に向けた改善には取り組んでいることは認めたものの、そのリリース時期に関しては明らかにできないとした。
一方、パフォーマンスの高さが評価されているデスクトップ版のAthlon 64 X2は、まだ一部のハイエンド向けという印象が強い。スピード氏も「Athlon 64のデュアルコアは、まだトップエンドのごく一部のユーザーにしか行き届いていない。パフォーマンスの面ではシングルコアでも十分という面もある」と話す。とはいえ、Intelがデュアルコアを前面に出し、メインストリーム市場にまでデュアルコアを押し込む事でデュアルコアのIntelを印象付けようとしているのとは対照的だ。
スピード氏はAthlon 64 X2の普及価格帯への投入に関して「我々のメインストリーム市場向けデスクトッププロセッサは、現時点でもパフォーマンスが高く、十分に高い競争力を持っている。普及価格帯へのデュアルコア投入を急ぐ必要はない。しかし来年の前半には普及価格帯にも製品が投入されることになるだろう」と話した。
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