ネット銀初のフルバンク──SBI、住友信託が共同設立へ
SBIホールディングスと住友信託銀行は10月25日、共同でネット銀行を設立すると発表した。SBIのネット金融事業のノウハウと、住信の銀行運営や資産管理ノウハウを持ち寄り、2007年度上期の営業開始を計画。決済、運用、調達の3機能を備えた「ネット銀行初のフルバンク」(SBIの北尾吉孝社長)を目指す。
新銀行の名称は未定。出資金は200億円程度で、SBIグループと住信グループが折半出資する。社長は住信が、副社長はSBIが指名し、それぞれ代表権を持つ。両社は共同で「SBI住信ネットバンク設立準備会社」(仮称)を2006年3月末までに設立し、新銀行設立準備を進める。
新銀行は、預金やローン商品に加え、SBIグループのイー・トレード証券と提携して銀行と証券を融合した総合金融サービスを提供するほか、ネット銀行として初めて、金銭信託や不動産、証券代行といった信託銀行取扱商品を取り扱う予定。ベンチャー企業向け融資なども行うとしている。
開業3期目で口座数50万、黒字転換するのが目標。5期目で業務純益50億円を上げて累損を解消、7期目で口座数80万、業務純益100億円を目指す。
提携を強化するため、両グループで株式を持ち合う。住信は、SBIが11月に行う第三者割当増資を70億円をめどに引き受けるほか、イー・トレード証券の株式を30億円をめどに取得する。SBIは住信の株式を100億円をめどに取得する。
「金融事業に銀行がないと画竜点睛を欠く」
「金融事業の中核として銀行がないと画竜点睛を欠く。しかしストックのビジネスは異質。成功は難しそうで、参入機会をうかがっていた」──同日都内で会見したSBIの北尾社長はそう話し、1年ほどかけてパートナーを探していたことを明かした。
SBIに銀行参入を踏み切らせたのは、米Telebankを買収した米ETradeの事例や、イー・トレード証券と連携したスルガ銀行ソフトバンク支店の運営から得た経験だ。TelebankはETradeの資本参加後に資産規模を拡大し、スルガ銀の支店の18万口座のうち65%はイー・トレードユーザー。「ネットと証券と銀行との融合は非常に有効だと分かった。ネット銀行とネット証券のシナジーは大きい」と判断した。
新銀行は決済、運用、調達という銀行の3機能をそろえたフルバンクを目指し、特にネット証券、ベンチャーキャピタル、不動産事業とのシナジーを追求する。イー・トレード証券口座との連動や、SBIのベンチャーキャピタル運営ノウハウを活かした企業向け融資、SBIモーゲージの超長期固定金利型住宅ローン「フラット35」との連携や不動産流動化関連も手掛けていく。
北尾社長は「今後の金融事業には信託機能が重要になるだろう」と見ており、財務基盤に優れた住信はベストパートナーだと強調した。メイン顧客が団塊世代の住信にとっては、ネット証券最大手のイー・トレードが抱える20~30代中心の顧客を獲得し、資産形成世代の顧客を補完できるメリットがある。住信本体は新銀行と協力しつつ、成熟世代向けとネット世代向けのダブルブランド展開で多様化したニーズに対応していく考えだ。
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