米大学、バーチャルな「シェークスピアワールド」を計画
16世紀のロンドン。パブや街路でシェークスピア作品の登場人物たちに出会い、いつしか当時の言葉や風習が身についてしまう――こんな「バーチャル・シェークスピアワールド」が実現するかも知れない。米インディアナ大学は10月19日、情報通信学科の準教授、エドワード・カストロノバ氏授率いるプロジェクトが、24万ドルの助成金を得たと発表した。プロジェクトでは、複数のプレイヤーが同時に参加できるバーチャルな世界を構築。シェークスピアの世界を「実体験」するなどの教育的用途のほかに、社会学研究のツールとしての応用も期待している。
ビデオゲームの世界では既に、多くの人がバーチャルに参加するゲームが存在する。カストロノバ氏は、「社会学者としてみると、これは単なるゲームでなく、研究用のツールじゃないか! と考えた」という。参加者それぞれが現実世界のように感じる「バーチャルな世界」を使えば、研究者は、現実では不可能な実験を行うことが可能。たとえば、政策や法律、経済、文化などの変化が、どのような影響を社会全体に与えるか、といった研究への応用が可能になる。
シェークスピアワールドの開発プロジェクトには、インディアナ大学の英文学準教授がコンサルタントとして参加。「シェークスピアの特徴は、文章以上に、登場人物の複雑さにある」といい、ビデオゲームの世界での再現に挑戦する。
ゲーム業界は成長産業で、人材の供給が追いついていないといわれている。初任給は、デザイナーで年収6万ドル、製作者では年収8万ドル以上になるという。プロジェクトには、音楽、情報科学、教育など、インディアナ大学内のほかの学部も参加予定。カストロノバ氏は「学生たちに、実際にゲーム開発に携わるという、最もエキサイティングな機会を与えることができる」と、人材育成面での効果も期待する。ゲーム開発には多額の資金が必要で、人材や資源は産業界に偏っていると言われるが、「大学には産業界にない優位性がある」ともコメントした。
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