毎日新聞“Wikipediaに犯行予告”と誤報 時刻表示を勘違いか、実は犯行後
旧厚生事務次官宅殺傷事件に絡み、毎日新聞が11月19日付けで「事件の約6時間前にWikipediaに犯行を示唆する書き込みがあったことが分かった」などと報じたが、実際には事件後の書き込みだったことがネット上で相次いで指摘された。毎日新聞はWebサイト上から記事を削除し、おわびと訂正を掲載した。
記事は、Wikipediaの「社会保険庁長官」の項目の編集履歴について報じた。それによると、「18日正午すぎ」に、「歴代の社会保険庁長官」というタイトルのすぐ下に『×は暗殺された人物を表す。』というただし書きがあり、一覧表の中の吉原さんの名前の前に『×』がつけられていた」という。
記事によると、「×」が付けられたのは18日午後0時27分から同32分。東京都中野区で元次官の妻が刺されたのは同日午後6時半ごろだった。記事はこれをもとに「事件の約6時間前に犯行を示唆する書き込みがあった」と報じた。
だが記事が公開されると、ネットからはおかしな点を指摘する声が相次いだ。
Wikipediaは協定世界時(UTC)を採用しており、編集履歴もUTCで表示される。日本時間(JST)で閲覧することは可能だが、それには読者がWikipediaのユーザーアカウントを取得し、ログインしてUTCとの時差(JSTとは+9時間)を設定する必要がある。
表示を日本時間に設定し、毎日新聞の記事が指摘した履歴ページを見ると、問題となった「×」の書き込みは「18日午後9時27分から同32分」、つまり中野区の犯行から3時間後に行われていたことが分かる。
毎日新聞は、一部地域の朝刊紙面では「ネットに犯行予告か」と、Wikipedia編集者の名前を大きく報じた。記事をもとに、「ネットに犯行予告?」などと報じる朝の民放番組もあった。
毎日新聞はWeb上から記事を削除し、「書き込みの時刻は事件前ではなく、事件の報道後でした」とおわびを掲載した。
編集したユーザーは「私の書き込みが社会保険庁長官の件で、ご遺族の方々、捜査関係者の方々にたいへんなご迷惑をおかけしましたことを反省いたしております」とWikipediaに書き込み、「地元警察のほうへ、連絡し、謝罪の電話をいたしました」と報告している。
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