大手電機メーカー、業績見通しの開示見送り相次ぐ 「震災影響、見積もり困難」
2011年3月期の決算発表シーズンを迎えているが、通常は決算発表時に開示する今期(12年3月期)の業績見通しについて、大手電機メーカーが開示を見送るケースが相次いでいる。東日本大震災の影響が広範囲にわたるため、影響を予測することが難しいためという。
4月28日に決算を発表した富士通は、今期の業績見通しの開示を見送った。「原材料・部品の調達について不確定要素があり、国内ICT投資についても不透明感が高まっている。これらが当社の連結業績に与える影響を現時点では合理的に算定できないため」として、業績見通しを「未定」とした。今後、予想を開示することが可能になった時点で速やかに公表するとしている。
同日発表したパナソニックも「東日本大震災について、2011年度の連結業績に与える影響を見極めることが困難であるため」として可能になった時点で開示するとした。かわりに震災発生前の状況に基づく見通しを公表している。
シャープも業績見通しの開示を見送り、予想が可能になった段階で改めて開示するとした。震災によるサプライチェーンへの影響や消費マインドの冷え込み、資源価格上昇の懸念などから「かつてない厳しい経営環境」を予想し、震災による生産から販売までの影響が「非常に広範囲にわたり、業績に与える影響額を現段階で合理的に見積もることが困難な状況にある」と説明している。
業績予測の開示は、東京証券取引所など証券取引所が上場企業に対し要請しているもので、アナリストが予想する欧米市場と異なり、経営者自身が開示する点に特徴がある日本市場の慣行だ。ネット企業では「市場の動向が予測しにくく、業績の予想が困難」などとして非開示としたり、四半期ごとの開示にしているケースがある。
富士通、パナソニック、シャープとも営業益が大幅増
富士通が発表した2011年3月期の連結決算は、営業利益が前期比40.5%増の1325億円だった。
売上高は3.2%減の4兆5284億円にとどまったが、為替の影響を除くとほぼ前期並みだとしている。市況の回復でLSIや電子部品が堅調に推移した一方、震災でPCなどが影響を受けた。LSI・部品の増収やLSI事業の構造改革などで増益に。経常利益は51.6%増の1078億円。震災で被害を受けた設備の回復費用などを特別損失に計上した結果、最終利益は40.8%減の550億円だった。
パナソニックが発表した同期の連結決算(米国会計基準)は、営業利益が前期比60.3%増の3052億円だった。
売上高は17.2%増の8兆6926億円。連結子会社化した三洋電機グループの売上高が加わったため大幅増収になった。Blu-ray Discレコーダーなどは好調だったが、携帯電話やデジタルカメラなどは減収に。コスト合理化で増益を達成、税引き前利益は1788億円(前期は293億円の赤字)、最終利益は740億円(1034億円の赤字)とそれぞれ黒字転換した。
シャープが発表した同期の連結決算は、営業利益が前期比52.0%増の788億円だった。
売上高は9.7%増の3兆219億円。家電エコポイント効果で液晶テレビと液晶パネル、Blu-ray Discレコーダーなどが伸びた。経常利益は90.8%増の591億円、最終利益は4.4倍の194億円。
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