エアコン商戦早くも熱 「2027年問題」で駆け込み 新基準対応「電気代浮く」指摘も
本格的な夏の到来を前に、早くも家庭用エアコンの商戦が熱を帯びている。省エネ基準が厳格化される「エアコンの2027年問題」を意識した消費者が初期費用を抑えようと、現行モデルへの駆け込み需要が発生。取り付けまでに時間がかかるケースが頻発している。中東情勢の緊迫化が続く中、ナフサ関連の部素材の供給不足も現場の混乱に拍車をかけている。
取り付けに3週間待ち
「例年は6月ごろが商戦のピークだが、今年は急いで購入する人がかなり多い」。ビックカメラ有楽町店(東京都千代田区)の売り場担当者は、今年のエアコン商戦の立ち上がりの早さをこう説明する。4~5月のエアコンの売り上げは前年比1.7倍に上り、設置工事も約3週間待ちの状態だという。
日本電機工業会によると、4月のエアコン出荷額は前年同月比約34%増の1002億円と同月として過去最高を記録した。「霧ケ峰」シリーズを手掛ける三菱電機でも、4月の出荷台数は約30%増で過去最高だったという。
駆け込みの要因となっているのが、27年問題だ。消費電力が最も多い家電とされるエアコンについて、国は来年4月から、新たに14~35%のエネルギー効率改善をメーカーに求める。6~8畳用の標準モデルの場合、現行の6万~9万円程度から、新基準への対応により数万円程度の価格上昇が避けられない見通しだ。
このため「少しでも安いうちに」と、買い替えのタイミングを前倒しする人が増えている。温暖化の影響で暑さの訪れが早まっていることも、早めの購入を後押ししており、「複合的な要因で需要が強まっている」(国内メーカー)。
1万数千円分の節電効果も
ただ、慌てて購入する前に、費用対効果をよく見極める必要はある。
調査会社ユーロモニターの試算では、新基準に対応したエアコンだと年間数千~1万数千円分の電気代が浮く。同社の大和太郎シニアアナリストは「エアコンの平均使用年数は13~14年のため、トータルで見れば本体値上がり分を回収できる。今後、電気代が上がれば回収期間はさらに短くなる」と指摘する。
懸念材料は原油由来のナフサの供給不安だ。「配管カバーなどの部材などがそろわず、取り付け工事の遅れも起きている」(大和氏)。ナフサ不足が解消しない限り、必要なときにすぐにエアコンを設置できない事態が長引く可能性もあるという。(柳原一哉)
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