3Dプリンタで印刷できる「美少女フィギュア」の3Dモデルを作る――そんなユニークなクリエイター育成講座などに取り組んでいるのがデジタルハリウッドだ。異色とも言える講座を開いた狙いとは? また、クリエイターを取り巻く環境の変化をどう見ているのか。責任者に聞いた。
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昨今、ネットに映像を投稿して広告収入を得られる仕組みが登場したり、3Dプリンタによって誰もが自作の3Dモデルを造形できるようになるなど、クリエイターを取り巻く環境に大きな変化が起きている。そんな中、“美少女フィギュアの3Dモデリング講座”をはじめとするユニークな講座を続々と展開しているのがデジタルハリウッドだ。
同社は2013年から、3Dプリンタなどで出力可能な美少女の3Dモデルを制作する「『デジタル原型師』育成オンライン講座 〜美少女フィギュア編〜」を開講。このほか、学内で受けられる講座でも3DCGアニメ制作の専門コースを設けるなど、特徴的な取り組みを進めている。果たしてそうした活動の狙いとは……?
「ここ数年でクリエイターを取り巻く業界は様変わりしている」――デジタルハリウッドの齊藤知也さん(ビジネスデザイン事業部 事業部長)はそう話す。それを象徴しているのが、日本のお家芸とも言われてきた“アニメーション制作”現場の変化だという。
「多くのアニメ制作会社が収益構造的に厳しい状況に置かれる中、最新技術を取り入れた3DCGに活路を見出すところが増えています。実際、一見すると日本の昔ながらのセルアニメのように見える作品であっても、いまや作品全体の半分くらいの背景は3DCGになっているといっても過言ではありません」(齊藤さん)
一方、業界だけでなくクリエイターを志す学生にも変化が起きているという。「従来は『入学後にゼロから制作技術を学びたい』という志望者が大半でしたが、今では個人でもパワフルなPC環境を手に入れやすくなったため、『中学・高校時代から映像制作をやっていた』『VJ(ビデオジョッキー)の経験がある』といった志望者も少なくありません」(デジタルハリウッド大学の山本隆三 事務局長)
コンテンツ制作業界と学生の両方が「高度な制作活動」に注目する中、いかに両者のニーズを結び付けられるようなクリエイター育成を行っていくか――。そこでデジタルハリウッドが注目した分野の1つが「3D」だ。
「PCで作ったデジタルデータを誰でも造形物にできる3Dプリンタには大きな可能性を感じています。とはいえ、いきなり工業製品のプロダクトデザインの専門コースを開いたとしても、生徒数が確保できるか分かりませんでした。そこでまずは、ファン層からの応募が見込める“美少女フィギュア”の造形講座に絞り、その後さまざまな分野の3Dモデリングにすそ野を広げていきたいと考えたのです」(齊藤さん)
「高度なデジタル制作にチャレンジしたい」――そんな学生のニーズに応えるための取り組みは、ユニークな講座の設置だけにとどまらない。同社では“制作環境”の面でも学生から魅力を感じてもらうためのチャレンジを続けているという。
その1つが「常に最先端のワークステーション環境」を提供することだ。映像やグラフィック制作のプロの現場では、さまざまなソフトを余裕を持って使えるワークステーションが欠かせない。デジタルハリウッドでは「プロと同等の制作環境」を学生時代から体験してもらうため、PCではなく高性能・高信頼のワークステーションを設置することにこだわっているという。
さらに、このワークステーションを約3年のサイクルで刷新し続けていることもポイントだ。直近では2014年5月にクリエイター向けの「Dell Precision T1700 Small Form Factor」(T1700 SFF)を数十台規模で導入し、2015年度以降も導入を続けていく予定だという。
同社が今回、T1700 SFFを採用した大きな理由の1つは「省スペース性」だ。従来はミニタワー型のワークステーションをデスクの下に配置して利用してきたものの、この設置法では「学生が席を立つ時などに足がぶつかってしまうことも多く、そのために故障を招くこともしばしばあった」(山本さん)という。
一方、T1700 SFFは従来のデスク環境に手を加えることなく、ディスプレイの横や後ろのスペースにすっぽりと設置できた。「机の上に移してからは、従来あったトラブル報告が大きく減りました」と山本さん。さらに、デジタルハリウッドの学生はイラスト制作や3D制作のためにペンタブレットなどの周辺機器を使用するシーンも多く、「それらを机の上に置くためのスペースも以前と比べて確保できるようになった」という。
デジタルハリウッドが新型ワークステーションで得られたメリットはそれだけではないという。多くの教育機関にT1700 SFFを提案してきたデルの中島章さん(エンドユーザーコンピューティング事業本部 ワークステーションビジネスデベロップメントマネージャー)はこう話す。
「T1700 SFFは、オフィススペースが比較的狭い日本企業や学校の悩みをDell本社に伝えて生み出された、いわば“日本向け”の製品とも言えます。そのうえ、このコンパクトな筺体の中に高性能なグラフィックボード『NVIDIA Quadro K600』を備え、高度なグラフィック処理が求められる制作活動もストレスなく行えます。しかも、HDDなどを工具やネジを使わずに着脱できるといったメンテナンス性の高さも評価されています」(中島さん)
デジタルハリウッドは今回のT1700 SFFに限らず、従来からデル製ワークステーションを使い続けている。ワークステーションを刷新する際には必ず複数のメーカー製品を比較検討しているというが、「スペックや金額、サービスを総合的に比較すると、デル製品が常に優位な存在になる」と山本さんは話す。
同社がデルのワークステーションを評価しているポイントの1つは、BTO(Build to Order)でのCPUなどの選択肢が広く、さまざまなニーズに柔軟に対応できる点だ。デジタルコンテンツ制作用途では、3DCGのレンダリング処理や高精細画像の加工などで大量のデータを扱うため、基本的な処理性能の高さが欠かせない。それに余裕を持って対応できるメリットは大きいという。
また、製品そのものの堅牢性の高さも評価している。「学内に設置してあるワークステーションは個人用PCと異なり、“常に動いていて、いつでも使える”ということが非常に重要です」と山本さん。もし使えない時間があればそれだけ学生の満足度低下につながってしまうため、「デル製ワークステーションは学内での故障報告も少なく助かっている」という。
さらに、工場で各種設定を済ませてから出荷する「CFI(Custom Factory Integration)サービス」も高く評価しているという。「学生のことを考慮して冬期休暇やゴールデンウィークなどを利用して製品リプレイスを行っているため、1日でも早く、そして簡単に導入したい」(齊藤さん)。その点、CFIサービスを使えば多くの設定作業が不要になり、その分だけ導入期間や工数を減らせるというわけだ。
T1700 SFFの導入後は、学生からも「レンダリング処理が大幅に高速になった」などの声が寄せられているという。ただし、「これで十分だとは決して思っていません」と山本さんは言う。
「ワークステーションのレンダリング性能が上がれば上がるほど、学生はより高度なことに挑戦するようになります。最新の制作環境を整備するのは学生のモチベーションを引き立てるのに必要なこと。つまり“この性能で十分”ということはあり得ないのです」
デジタルハリウッドでは今後、最新の制作環境を活かして新たな挑戦に取り組んでいく方針だ。具体的な目標の1つとして“プロジェクションマッピング講座”の開設を計画しているという。
「(プロジェクションマッピングを実現するための)ハードウェアはどんどん低価格化し、安価なプロジェクタの性能も年々向上しています。プロジェクションマッピングに対する生徒の関心は非常に高く、できる限り早くそのニーズに応えられるようアイデアを練っているところです」(齊藤さん)
また、学生の制作活動を支援するシステム環境もさらに強化していくという。具体的には、4K映像の編集作業に対応するディスプレイの導入や、個人所有デバイスを持ち込んで自由に作業できるような校内環境の整備も進めていくという。
「個人でもネットでサービスを提供できる時代となり、クリエイターが活躍するチャンスもそれだけ多くなりました。もしクリエイティブな活動に関心があるのなら、一度はチャレンジしてみてほしい」と齊藤さん。デジタルハリウッドは今後もユニークな講座や最新の制作環境を用意し、クリエイターを目指す人々のチャレンジを後押ししていく考えだ。
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