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» 2016年08月08日 10時00分 公開

LINEに投稿するとラップで返す「ラップbot」誕生 人間 VS botのフリースタイルバトル始まる!?

盛り上がりをみせるbot市場だが、一般参加者向けのハッカソンはまだそれほど多くない。そんな中、データ分析などを専門にするユーザーローカルが開催したイベントで多くのbotが生まれた。

[太田智美,PR/ITmedia]
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 データ分析サービスや解析支援ツールなどを提供するユーザーローカルは7月10日、東京・恵比寿で「人工知能チャットボットハッカソン」を開催した。ユーザーローカルは年間1000億PVのアクセスログ、60億件のSNSデータを調査、分析、可視化するデータ解析専業企業だ。

 LINEやFacebookなどが開発者向けにbot APIの提供を始めたことで盛り上がりをみせるbot市場だが、いざ自分で作ろうと思うと準備に時間がかかりなかなか手が出しづらいという現状もある。そんな中、ユーザーローカルは「自動会話API」「キャラクター会話変換API」「氏名自動識別API」「形態素解析API」の4つのbot APIを無償で提供。ハッカソンでは、そのAPIを使った10チームのbotが発表された。その中からいくつか気になったものを紹介したい。


人工知能チャットボットハッカソン 55人の募集枠に対し241人の応募という大人気イベントとなった

人工知能チャットボットハッカソン人工知能チャットボットハッカソン 「自動会話API」詳細。このほか、キャラクター会話変換API、氏名自動識別API、形態素解析APIがある

1万人の相手と代わりにチャットしてくれる「恋人探しbot」

 はじめに紹介したいのは「恋人探しbot」。このbotは、マネタイズまでを視野に入れた新しい“出会い系bot”だ。

 「出会い系」と聞くとあまりいいイメージを持たない人も多いかもしれないが、このbotは実は、結婚したい人のための婚活支援サービスにも応用できる内容となっている。


人工知能チャットボットハッカソン 恋人探しbot企画概要

 まず会員登録時に、自分と似た反応をする「分身チャットロボ」を生成。すると、会員の分身チャットロボ同士がLINE上で勝手に会話をし、フィーリング判定を行う。ある一定以上のスコアを出すペアが見つかったら、互いのスマートフォンに通知。ここからは人間同士、お互いが「この人と連絡を取りたい」と意思表示したら1000円課金するというモデルだ。

 複数の相手とのコミュニケーションは全てbotがやってくれるため、1000人、2000人、1万人といった会員とコミュニケーションして最もフィーリングが合う人を見つけられるという。また、マッチング保証型の料金設定で、現状のマッチングサービスに比べ安価なのも特徴だそうだ。

 ただし、分身チャットロボはいくらでも“偽装”できてしまう懸念もある。そのため、会員登録時の審査に人が関与するなどのステップが必要になりそうだ。


人工知能チャットボットハッカソン bot同士のコミュニケーションによってフィーリング結果を表示


いい感じの韻を踏んでくれる「ラップbot」

 次に、最優秀賞を取った「ラップbot」を紹介したい。LINEなどのチャットサービス上でユーザーが単語を投稿すると、botがいい感じの韻を踏んで返してくれるというユニークなbotだ。

 利用するAPIは、自動で会話を生成してくれるユーザーローカルの「自動会話API」と、設定したキャラクターの言葉に文末を自動変換してくれる「キャラクター会話変換API」、Webスクレイピング「Nokogiri」、そして韻を踏んでいるかどうかを判定するRubyのライブラリ「rhymer」(日本語形態素解析システム「MeCab」を使用)。

 ラップbotの仕組みはこうだ。ユーザーが投稿した単語に基づきWikipediaから文章を抽出。その文章の中からさらに韻を踏む単語を抽出し、リリックを作成した後botで返す。例えば、「リンゴ」と投稿すると、リンゴについて解説しているWikipediaから文章を抜き出し、その文章から韻を踏む単語を返す。名詞の子音と母音の並びを比較して名詞の組み合わせを列挙する(例えば「tenki」と「genki」など)もので、出来栄えはrhymerに依存する部分も大きい。


人工知能チャットボットハッカソン 作詞モードのほか、バトルモードも

人工知能チャットボットハッカソン デモ画面

 デモで「ユーザーローカル」と入力すると、「ワンダーフォーゲル、オープンソーシャル、ウォーターボーイズ、きかんしゃトーマス」とbotが返してくることが判明。会場で笑いが起きた。



 ちなみにこのbotには「バトルモード」もあり、ユーザーとbotのどちらがより韻を踏んだ文章を投稿したかを判定する機能が搭載されている。


故人と会話ができるbot

 3つ目は、「亡くなった人に再び会える」をコンセプトにしたbot。故人の過去のTwitter内容から「ああ」「おお」「もしもし」など“その人の口ぐせ”らしい感動詞などを部分的に取り出し、botに実装。言葉のやり取りをしていると、故人と会話をしているような気持ちになれるというものだ。

 今後は画像解析や音声解析技術によって、テキストだけでなく写真や音声も返せるようにしたいという。


人工知能チャットボットハッカソン 自分の体験を基に作成されたbot

スケジュール管理を助けてくれる便利なbot

 最後に紹介したいのが、「これはいいな」と会場から声が上がった「スケジュール調整bot」。これは、イベント参加者の管理や日程調整をサポートしてくれるbot。botが主催者(幹事)と参加者の間に入って助けてくれる便利なサービスだ。


人工知能チャットボットハッカソン botがハブになってスケジュール管理を助けてくれる

 使い方は、ユーザーがこのbotを組み込んだアプリケーションを立ち上げ、企画者か参加者を選んで登録。その後、企画者の指示に従って日程調整をスタートする。参加者全員の回答がそろい次第、企画者にそれぞれの回答を通知するという流れだ。参加者の回答から企画者が日程を決めると、メンバー全員に通知が届く仕組みで、5人くらいまでの日程調整に便利そうだ。入力を間違えたり日程調整が終わった後には「ばいばいっぽ!」とbotのキャラクターであるハトが言い、データベースからデータを消してくれる。


人工知能チャットボットハッカソン やりとり例


 このbotに使われているAPIは、ユーザーローカルの「自動会話API」と「氏名自動識別API」のみだが、誰もが一度は味わったことがある面倒な日程調整を助けてくれるサービスとして会場からの共感を集めていた。なお、このサービスはFacebookアプリとして提供を予定しており、現在審査中とのことだ。

 ハッカソンでは他にも、低カロリーレシピを提案してくれるダイエット支援botや健康管理bot、疑似彼女と会話ができるbot、シナリオによってゲームが進んでいくbotなどが開発された。


人工知能チャットボットハッカソン ユーザーローカル 伊藤将雄社長

 多数のハッカソンがある中、botを作るハッカソンはまだ少ない。そんな時流に先駆けて今回のハッカソンを主催したユーザーローカルの伊藤将雄社長は、この取り組みについて「『人工知能の進化は人類の終焉を意味する』――イギリスの理論物理学者スティーヴン・ホーキング氏博士はこう言う。何が起こるか予測はできない。でも、明るい未来を作ることはできる」と話している。

太田智美


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提供:株式会社ユーザーローカル
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ニュース編集部/掲載内容有効期限:2016年9月13日