万が一の事態から会社の大切なデータを守るには? ニフティクラウドの災害復旧サービスを導入した「情シス」がその利便性を語った。
もしもの事態から、会社の大切なデータを守るには――企業の「情シス」なら誰もが抱えるこの悩みに答えるDR(災害復旧)サービスを導入した企業がある。それが、ICT基盤製品のディストリビューションを中核事業とするネットワールドだ。
ネットワールドは、基幹システムをDell EMCのハイパーコンバージドインフラストラクチャ「VxRail」へ移行する際、導入やバックアップ、フェイルバックが容易で、運用の手間がかからず、安価で迅速にDR(災害復旧)サイトを構築できる、ニフティクラウドの「DRサービス with VMware vCloud® Air™ Technology」(以下DRサービス)を導入。
構築から5年がたち老朽化していたDRサーバの運用に対して抱えていた不安を払拭することができた。今後、見積システムなど他システムでも導入を推進する予定だ。
飛躍的に進展するデータセンター、クラウド・コンピューティングを根幹から支えるICT基盤製品のディストリビューションを中核事業とし、コンサルティング、インテグレーション、運用支援、保守サービス、プロフェッショナルトレーニングなど幅広くサービスを提供。顧客企業の情報活用支援を通じ、ビジネス発展に貢献している。
公式サイト:http://www.networld.co.jp/
〒101-0051
東京都千代田区神田神保町2-11-15
住友商事神保町ビル
先進的なIT製品を顧客企業へ提供するネットワールドは、注力製品を自社で利用することでノウハウを蓄積し、顧客への提案や導入支援に役立てている。
同社が現在注力する製品の1つが、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ。これは、サーバ、ストレージ、ハイパーバイザー、ネットワークが1つのアプライアンスに収まった統合環境で、複数の製品を組み合わせることで必要となる検証や調整などが不要になるため、導入までのリードタイム(発注から納品までにかかる時間)が短縮でき、管理も容易になる。
中でも同社が評価しているのが、Dell EMCのVxRailだ。そこで、2015年に400人を超える社員の大半が、受発注から仕入れ、売掛買掛、在庫出荷管理に毎日利用する基幹システムをVxRailへと移行した。
同じようなタイミングで、ニフティとOEM(original equipment manufacturer)パートナーとなり、ニフティクラウドを「ネットワールドクラウド」として再販することとなった。その交渉の中で、ニフティクラウドがVMwareの環境を手軽にクラウドにバックアップできるDRサービスの提供を開始すると知り、導入を決定した。
同社がDRサービスの導入を迅速に決定したのには理由があった。従来のDRサイトに一抹の不安を持っていたのである。ネットワールド 情報システム室 係長 清水俊幸氏は、「東日本大震災後の2011年6月、東京の本社が稼働しなくなった場合に備えて、西日本支店にDRサイトを立ち上げました。しかし、リストアの手順が複雑で構築から5年たっているのもあり、きちんと稼働するのかという不安もありました」と説明している。
ニフティクラウドのDRサービスは、VMware vCloud Availability for vCloud Director®を利用したサービスで、既存のVMware環境からマウスクリックで簡単にクラウドレプリケーションを行うことが可能。有事の際は、既存のvCenter Server®あるいはニフティクラウドからの操作やサポートセンターへの電話連絡で、簡単にDRサイトを起動できる。
プライマリーサイト復旧後のフェイルバックも、レプリケーション作成時と同様の簡単な操作で実現。DRサービスを知った後、他の同様のサービスも調査検討したが、これ以上のものはなかったと、ネットワールド 情報システム室 盛永 昌二郎室長は次のように語る。
「VxRailの機能を利用して、VM(仮想マシン)環境を丸ごと移せるDRサービスは他にはありませんでした。エージェントを入れる必要もなく、導入も容易ですし、DRサイトの起動も、各拠点からログインしてサーバを立ち上げるだけと簡単です。また、DRサイトは必要不可欠ですが、いわば保険なので、そこまで費用はかけられません。その点、ニフティクラウドのDRサービスは、比較的安価に導入可能です」。
同社がレプリケーションを行っているのは、全てのDBデータと、プライマリー環境に8台ある内の3台分の基幹サーバである。その理由を盛永氏は、「東京本社が稼働できなくなった状態を想定しているので、東京の社員はまずは仕事どころではないだろうと考えました。従って、他拠点からの利用を想定しています」と語る。
同社の環境で初期のレプリケーションにかかった時間は、80GBで約3時間。DBサーバは2TBの容量があるが、およそ12時間で完了した。DBサーバは12時間ごと、それ以外は全て8時間に1回差分データを自動バックアップしている。
従来のバックアップは、差分バックアップでは差分データと元のデータをマージするのに手間も時間もかかるので、毎回フルバックアップを行っていた。そのため、送信用データの圧縮だけで1DBあたり3〜4時間。それが2つあるので、データの抽出から送信が終わるまで、毎日約12時間かかっていた。現在は、それが約半分程度に短縮できている(※実施時間は均一ではない)。
DRサービス導入のメリットについて、清水氏は「何よりも精神的な負担が軽減しました。万一の場合、DRサーバが動かなかったらどうしようとずっと気にかかっていたので、その心配がなくなり、運用も任せられるので安心です」と語る。
幸い、まだDRサービスが実際に必要となる事態は起きていないが、年1回テストを実施していく予定だ。
「他拠点の社内からや、東京の社員の自宅からなど、さまざまなケースを想定した手順を明確にし、実際に社内サーバを落とした本格的なテストを実施する予定です」(盛永氏)。
ニフティクラウドのDRサービスについて、「こんなに便利とは思わなかった」(盛永氏)と高く評価する同社では、現在社内の見積システムについても利用すべく調整中。さらに、パートナー企業が利用する見積システムでも、適用を検討している。
また、VxRailとDRサービスを組み合わせたソリューションも提供開始。ニフティクラウドのDRサービスは、導入から約半年で、既に同社のビジネスになくてはならないサービスとなっている。
ハイパーコンバージドインフラストラクチャである、Dell EMC VxRailと、ネットワールドクラウドとして再販するニフティクラウドのDRサービスを組み合わせたソリューション。VxRail上のシステムのクラウドへのバックアップと、万一のDRサーバへの切り替えが手軽に、迅速に実現する。
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