日本企業の「意識の変化」は想定外――米Dellのキーマンが語る“日本の働き方改革が進む道”

» 2017年11月13日 10時00分 公開
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 いまや一般用語となった「働き方改革」は、多くの日本企業の関心を集め続けている。そのことは、時間や場所を選ばない働き方につながるデスクトップ仮想化ソリューション(VDI)の市場予測からも明らかだ。IDCの調査によると、日本国内のVDI市場は右肩上がりで推移し、2016年〜2021年の年平均成長率は約7%に達すると予想されている。

photo IDCによる日本国内のVDI市場予測(2016〜2021年) 出典:Dell Technologies
photo Dellのランス・ポウラ氏

 「日本では会社で仕事をするのが当たり前で、意識改革には長い時間が必要と思っていた。これほどの変化はわれわれの想像を超えている」――こう話すのは、Dell米国本社でクラウド クライアント・コンピューティング事業本部セールス担当グローバルバイスプレジデントを務めるランス・ポウラ氏だ。

 実はポウラ氏は、パナソニックの北米法人で20年以上も要職を歴任し、日本企業との付き合いも長い“日本通”でもある。そんなポウラ氏も、昨今の日本での働き方改革に対する機運の盛り上がりを、ほんの数年前まで予想していなかったという。

 日本企業の意識の変化を、グローバルIT企業であるDellはどうとらえ、どのようなソリューションを展開していくのか――ポウラ氏に聞いた。

EMC統合・組織再編から1年 グループ一丸で「働き方改革」を支援

 「働き方改革は、Dellがいま最も注力している領域の1つ。そこで鍵を握るのが、シンクライアントや仮想化ソフトウェア、データセンターなどのITソリューションだ」とポウラ氏は話す。

 2016年9月、DellによるEMCの統合完了を受け、Dell Technologiesを持ち株会社とする世界最大の非公開IT企業グループが発足した。これに伴い、同グループは旧EMCの傘下にあったVMwareや過去の買収で獲得してきた各種事業を再編し、働き方改革の支援に向けたソリューションの提案を一丸となって進めている最中だという。

 その中でも重要な位置を占めるのが、2012年に買収した旧Wyse Technologyの製品群を中心とするVDI/シンクライアントソリューションだ。

 VDIは、デスクトップ環境をクライアントPCから切り離してサーバ上で稼働させるため、ビジネスパーソンが場所や時間にとらわれず働ける環境を生み出せるほか、厳格なデータ管理も実現できる。これを端末内にデータを置かないシンクライアント端末と組み合わせれば、デバイス紛失時の情報漏えいリスクを抑えられるため、モバイルワークや在宅勤務に適するソリューションとして注目が集まっている。

 Dellはシンクライアント端末だけでも、Windows OSベースのLatitudeのほか、Wyse Technologyの独自OS(Wyse ThinOS/Wyse ThinLinux)を搭載した専用端末やオールインワン端末など、幅広いラインアップを展開している。その上で、パートナー企業が中立的な立場から、製品を取捨選択してユーザーに合わせたシステムを設計する事業モデルを採っている。「これにより、お客さまの要望に合ったVDI環境を実現できる」とポウラ氏は話す。

photo 手のひらサイズの超小型を実現したシンクライアント端末「New Wyse 3040シンクライアント」(写真右端)

 さらに各国のニーズの違いに対応すべく、現地と連携した開発体制も整備している。例えば、日本のマーケティング部門との連携により、4G/LTEでの無線インターネット接続に業界で初めて対応したシンクライアント端末「New Latitude 5280 モバイルシンクライアント」を提供するなど、その成果は確実に表れているという。

photo SIMカードスロットを搭載し、4G/LTEによるインターネット接続が可能な「New Latitude 5280 モバイルシンクライアント」

 「グループ全体でのVDI製品群の拡充とパートナーとの連携により、日本企業の働き方改革を加速させたい」とポウラ氏は意気込む。

「WannaCry」もVDI普及のきっかけに?

 企業が働き方改革の手段としてVDIを選ぶ際、重視するのはどのような点か。ポウラ氏は「セキュリティ強化」と「システム運用効率化」の2つを挙げる。

 VDIやシンクライアントがセキュリティ強化につながるのは前述の通りだが、2017年に入り、Dellのシンクライアントソリューションがさらなる注目を集める事態も発生した。Windowsを狙うランサムウェアとして大きな猛威をふるった「WannaCry」だ。

 WannaCryの感染により、企業内のWindows PCのほか、工場や病院、鉄道会社などの業界特有のシステムにも被害が生じたことは記憶に新しい。その点、Dellが提供しているシンクライアント専用の独自OS「Wyse ThinOS」なら感染の恐れはなく、その他のサイバー攻撃対策も格段に容易だとポウラ氏は指摘する。実際、WannaCry騒動をきっかけに、Wyse ThinOS搭載製品の導入を検討したいといった声も増えたという。

 もう1つの要素として挙げる「システム運用効率化」は、今も昔もあらゆる企業に共通する課題だ。企業活動におけるIT活用シーンの増加は、アプリケーションと端末の複雑化をもたらし、管理の手間やコストを増大させる。一方、VDIはデータやアプリケーションをデータセンター側で一元管理するため、管理を大幅に簡素化できる。

 ただし、従来のVDIには企業での導入を難しくする“壁”もあった。その代表的な課題が「初期導入コストの高さ」だ。それに対してDellでは、ここ1年におけるグループの統合・再編により、この課題を解決する新たなソリューションを生み出している。それこそが、2017年に提供を始めたばかりの「VDI Complete Solutions」である。

 VDI Complete Solutionsは、ハイパーコンバージド・インフラ製品の「Dell EMC VxRail アプライアンス」などを基盤に、仮想化ソフトウェアやシンクライアント端末などをパッケージとして提供するもの。従来のVDIソリューションと異なり初期導入費用が不要で、100ユーザー当たりの月額費用だけで利用できる“スモールスタート”が売りだ。

photo VDI Complete Solutionsの概要

 「VDIの本格普及を阻む最大の要因が初期投資の高額さだった。Dellは、ファイナンス部門との協業で実現したVDI Complete Solutionsの提供で、この問題に対処できる」(ポウラ氏)

 システム基盤としてハイパーコンバージド・インフラ製品を用いているため、利用規模の拡大に合わせて容易にスケールアウトできるのも利点の1つ。このことも、従来のVDIでは難しかったスモールスタートを実現しやすくしているという。

経営者に求められるさらなる意識改革

 DellのVDI/シンクライアントソリューションは、ここ数年で経営層との商談機会が格段に増えているという。「これも、VDIが経営戦略で重要な役割を担うとの認知が広がったことの表れだ」とポウラ氏は言う。

 実際、VDI導入を通じてすでに大きな成果を上げている企業は数多い。例えば日本国内では、ソニー銀行が代表格の1つだ。同社は既存の銀行業務向けPCを、Dell製品で整備したVDI環境に移行し、運用負荷の大幅軽減とセキュリティ強化を実現したという。このほか業種業態を問わず、多数の問い合わせがDellに寄せられているという。

 拡大を続ける国内VDI市場。さらなる普及に向けては何が必要なのか。「やはり、経営者のより一層の意識改革は欠かせない」とポウラ氏は指摘する。

 「テクノロジーの発展を追い風に、日本でも働き方改革はすでに進みつつある。だが、多くの企業の意識改革はまだまだ途上だ。企業がよりよい人材を獲得していくためには、従業員にとって魅力的な“柔軟な働き方ができる職場づくり”が欠かせない。働き方改革は将来の人材戦略まで左右することを、経営者により深く理解してもらいたい」(ポウラ氏)

 働き方改革の有力な手段であるVDI。DellのVDI/シンクライアントソリューションは、近い将来の経営力強化を目指す企業にとって強力な武器となるはずだ。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2017年11月26日