本当に使える薄型モバイルワークステーションの条件を考える製造業開発者やクリエイターも働き方改革の波に乗れ

ハイパフォーマンスが必要ゆえにタワー型ワークステーションに「つながれて」きた「ものづくり」現場の設計開発者やデジタルコンテンツ・クリエイターも、これからはオフィスの外に自由に出られる時代になる。

» 2018年09月28日 19時00分 公開
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 働き方改革は「ものづくり」の現場にも波及しつつあり、様々な勤務形態が試みられている。フィールドワーカー、モバイルワーカー、ハイブリッドテレワーカー、インターナルワーカー。しかし、気軽にテレワーク、モバイルワークができない業務も存在する。重厚長大なワークステーションを必要とする、製造業や建築土木、デジタルコンテンツ制作などの現場だ。

 モバイルワークステーションをうたう製品は存在するが、多くの場合、その処理速度が現場の要求には応えられていない。かといってパフォーマンスを重視すると大きく、重くなってしまう。設計部門で用いられるCADをモバイルで動かそうとすると、データを小さくしたり解像度を下げたりという妥協が生まれる。製造現場に出向いての綿密な打ち合わせ、災害時の事業継続対応など、設計エンジニアが出向いて解決しなければならないときに、薄型でパワフルなモバイルワークステーションがあればと思うのではないだろうか。

 ものづくりの設計現場がモバイルワークできるためにはどうしたらよいのか。まず、ワークステーションを含む法人向けPCの現況に目を向けてみよう。

モバイルワークステーションはこれから「戦略領域」に

 法人向けPC市場は大きく成長している。IDC Japanが2018年8月30日に発表した資料によると、日本国内におけるメーカー製PCの2018年第2四半期出荷台数が前年同期比で6.7%増えている。家庭向け市場が同期比9.7%も減少しているのに対して、法人向け市場は同期比19.1%と2割増しの勢いで成長している。

 IDC Japanのレポートでは、日本市場に参入しているPCメーカーごとにも、前年同期比での出荷台数を掲載している。総じて、ほとんどのPCメーカーは家庭向け出荷を減らす一方で法人向けの出荷台数は二桁の伸びを見せている。

 このように各PCメーカーが好調な法人向け市場で、特に大きく出荷台数を伸ばしたのがレノボだ。他のPCメーカーが14〜19%台のところ、レノボは47.8%という伸びを示した。この背景には、現在日本の企業で進んでいる「働き方改革」の気運にのってリモートワークに対応できるモバイルノートPCと、昨今ますます大規模になっているビジネス関連データ処理における生産性を向上するために処理能力の高いワークステーションの需要が高まっていることが挙げられる。この背景によってモバイルノートPCでは「ThinkPad Pシリーズ」が、ワークステーションでは「ThinkStation」が、それぞれ好調な出荷台数となっている。

47.8%と競合メーカーを大きく引き離す成長を見せたレノボの法人向けPCの出荷台数

 このように、ビジネス市場では「モバイル」と「高い処理能力」の需要が高まっている。そこに注目したレノボでは、この両面を兼ね備える「モバイルワークステーション」のカテゴリーを「戦略領域」として捉えて注力していくことを2018年9月に実施した発表会の中で明らかにしている。特に注目されるのが、モバイルワークステーションへの取り組み。

レノボでは今後成長が期待できるモバイルワークステーションを「戦略領域」として注力していくという

今求められているモバイルワークステーションの条件とは

 実際、製造業や建築土木、デジタルコンテンツ制作など、「ものづくり」の現場では働き方改革を意識したモバイルデバイスの導入が進みつつある。これらの現場は、設計や開発で用いるCADや3Dモデリングとその延長での解析、あるいは映像編集やレンダリングなど、大容量/高精細データの利用が多く、そのアプリケーションを少しでも速く動作させるために処理能力が高いデスクトップ型ワークステーションを導入してきた。そのため、他の業種業態と比べてモバイルワーク、ひいてはモバイルデバイスの導入が難しいという事情があった。

 しかし、ものづくりの現場では、モビリティーの効用で生産性を高めようとする働き方改革を標榜し、モバイルデバイスの導入を強く望む声も大きくなっている。例えば、多くの場合で拠点が異なる試作製造の現場と設計業務の拠点を開発者が行き来する必要があったり、クライアントへのプレゼンテーションで開発途上のデータをCADや映像編集アプリケーションごと、パフォーマンスの高いワークステーションで展開したりという利用場面の他に、最近多発する災害などで必要性が求められているBCP(事業継続計画)におけるテレワークへの対応などで、普段の業務で使っているのと同じ処理能力を持ちながらも無理せず携行できる軽量なノートPCの導入が求められている。

 この「無理なく携行できる軽量なれど普段の業務で使っているワークステーションを同じ処理能力」を実現できるモバイルワークステーションはどのようなスペックになるだろうか。レノボが、「日本のものづくり現場で求められているモバイルワークステーション」の条件として次のような仕様を挙げている。

レノボが考えるものづくり現場が求めるモバイルワークステーションの条件
  • CPU:Core i7以上、もしくはXeonレベルの処理能力
  • GPU:Quadro P1000またはP2000クラスのグラフィックス処理能力
  • サイズ:一般的なビジネスバックに収納でき、重さは2キロ未満、本体の厚さは20ミリ未満
  • 冷却ユニット:最大処理能力を発揮できる高い冷却性能と静穏性を有する

 一般事務用を視野に入れれば、重さが2キロ未満で本体の厚さが20ミリ未満のモバイルノートPCは、今やごく普通にある。しかし、そのボディーにXeonクラスのCPUとQuadroを搭載するとなると、途端にハードルが高くなる。例えば、レノボの薄型ノートPCにThinkPad X1 Carbonシリーズがある。この最新モデルに搭載するCPUのTDP(熱設計電力)は15ワットに過ぎず、GPU(Graphics Processing Unit)としてはCPU内蔵グラフィックスを活用している。そのおかげで、厚さ15.95ミリ、重さ1.13キロのボディーに収容することが可能だったが、3Dモデルの処理には非力である。

 とはいえ、Xeonとなると、モバイル向けのモデルでもTDPは45ワットと3倍に、GPUもQuadroとなると独立したチップとなりTDPは30ワットに達する。この熱量を発生するCPUとGPUを載せて厚さ20ミリ以下のボディーに収容し、かつ、最大性能を発揮できる高い動作クロックを実現するには強力な冷却性能を持つクーラーユニットが必要になる。冷却性能が強力になるとクーラーユニットは大きく重くなり薄くて軽いノートPCには搭載できなくなる。

 しかし、現在ではこれらの相反する問題を解決した「薄くて軽いモバイルワークステーション」が登場している。その1つが2018年8月21日に日本発表された「ThinkPad P1」だ。CPUにXeon E-2176M(6コア12スレッド、2.70GHz/最大4.40GHz、TDP45ワット)を載せ、独立したGPUとしてTDP30ワットのQuadro P2000、または、Quadro P1000を実装する。このシステムを18.4ミリという薄いボディーに収容できた。ThinkPad X1 Carbonシリーズと比べて5倍の発熱量をほぼ同じサイズのボディーで動かすことになる。

左側面からその薄いボディーが確認できる
ThinkPad P1の外観

 この熱を処理するために、ThinkPad P1は静穏性を高めた「第10世代オウルファンテクノロジー」と、ファンハウジングとヒートパイプを一体化し、かつ、CPUとGPUのそれぞれにファンを用意して2本のヒートパイプで連結したことで排熱性能を高めたクーラーユニット(FLEXパフォーマンスクーリング)を搭載した。また、ボディー機構ではボディー内部における風の通りと底面の排気口を確保して排熱が十分にできるエアフローデザインも施している。

大型のクーラーユニット2基が存在感を示す
CPUとGPUを冷却するファンと、それらをつなぐ2本のヒートパイプ

 さらに、1.8mmのキーボードストロークによる快適なタイピングや表面温度の抑制によるタイプ中の不快な熱さの回避、ハードウェア200項目以上、ソフトウェア700種類以上による検証、そして、耐衝撃性や経年疲労耐久テストの実施など、ThinkPadシリーズで長きにわたって評価されてきた「道具として使うための品質」をThinkPad P1は備えている。長時間神経の集中を要する緻密な作業を担う道具として使われるワークステーションにとって、地味ながら必要不可欠な重要なポイントといえる。

ThinkPad P1の外観

業務で使う道具に必須の「ISV認証」とは

 PCをワークステーションとして使うとき、重要になるのが「業務で使うアプリケーションの機能を全てフルに動作する」ことの保証だ。特に、製造業や建設業で使用するアプリケーションには、特殊なファンクションを必要とするものがあり、このようなアプリケーションが正常に動作するには、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)が認証した構成で使用することが求められる。PC各機種において、GPUのモデルと特定バージョンのグラフィックスドライバー、OS(エディションやビット数)、アプリケーションのバージョンを組み合わせると、相当数の構成マトリックスとなるが、その構成の一つ一つをパフォーマンスや機能面でテストし、ハードウェアベンダーが認定を受ける仕組みだ。

 その意味でThinkPad P1はワークステーションとして「ISV認証」の対象となっているので、認証のとれている構成とアプリケーションなら、その全ての機能を正常に利用でき、十分なパフォーマンスが得られ、万一の障害時にもPCメーカーとISVやGPUベンダーが協力して迅速な問題解決にあたってくれるという安心感と信頼が持てる。これは、部門や事業所間での互換性をクリアした機器選定と業務の継続において重要な要素となるだろう。

「ものづくり」現場のモバイルワーク実現の切り札

 ここまで「本当に使える」モバイルワークステーションに不可欠な条件について最新の情報を整理してきた。ハイパフォーマンスが求められる「ものづくり」現場でも、ようやくモバイルワークに本腰を入れて取り組める環境が整ってきたといえるだろう。レノボの「ThinkPad Pシリーズ」と「ThinkStation」はその流れを加速する存在になりそうだ。

photo ThinkPadのロゴ

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