「ほとんどの人がオフィスで仕事に集中できない」 JINSがメガネ型デバイスで可視化 見えてきた真の働き方改革は

» 2018年12月18日 10時00分 公開
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 「ほとんどの人は、オフィスで仕事に集中できない」──そう話すのは、大手アイウェアブランドのジンズでメガネ型ウェアラブルデバイス「JINS MEME」(ジンズ・ミーム)に携わる井上一鷹さん(JINS MEME事業統括リーダー兼Think Labプロジェクトリーダー)だ。

 アイウェアブランドと働き方改革の接点に疑問を感じるかもしれないが、実はMEMEを使って人の集中度を可視化する仕組みが、働き方改革の効果を定量的に測ることに役立つと注目されている。同社が“集中”に着目した理由を当事者に聞いた。

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JINS MEMEの登場から3年、企業ユースで一番興味を示した部門は

 労働時間の削減や時短勤務、テレワークなど、従業員の労働環境改善が多くの企業で急務となっている。とはいえ、働く時間や場所を変えても業務そのものが減るわけではない。同時に生産性を高めるような施策を打ち出す必要がある。

 しかし、何らかの施策を導入したからといって、それが本当に効果を発揮しているのかを定量的に知る手段がないのが現場の実情だ。例えば、自席を固定しないフリーアドレスを導入した場合、従業員の効率的な業務遂行につながったかどうかは、それぞれの主観的なアンケートで調査するしかなかった。

 「改革だと思って実施した内容が、良かったのか悪かったのかを検証できていない。体重計に乗ったことない人が痩せようとしているのが今の状況です」(井上さん)

 そこで、働き方改革に取り組む企業の人事を中心に注目されたのが、ジンズが開発したJINS MEMEだった。これは2015年11月に発売したメガネ型のウェアラブルデバイスで、3点式眼電位センサーや、加速度とジャイロを取得する6軸センサーを内蔵。メガネを掛けたユーザーのまばたき、視線移動、体の動きなどのデータから、その人の集中度をアプリ上で確認できる。

photo メガネ型のウェアラブルデバイス「JINS MEME」

 経済産業省が17年に主催した「働き方改革×テクノロジー」のアイデアコンテストでは、JINS MEMEを使った同サービスが103社の中からグランプリを獲得。井上さんは「状況を可視化しない限り、そもそも議論の前提が生まれないという視点が刺さったのでは」と当時を振り返る。

 「働き方改革の課題は『議論ができない』ことがほぼ全てだと思っています。人によってどこでいつ働く、どんな業務が適しているかはそれぞれ違う。データとして可視化することで、いろいろな新しい施策を検討したり、次の戦略が立てやすくなったりします」(井上さん)

自分は夜型人間だと思っていた。実際は……

 日本のホワイトカラーの生産性は先進国の中で最下位とされている。一方で、工場などで働くブルーワーカーの生産性はトップクラスに位置する。井上さんは、日本ならではの技術的な優位性が要因ではなく、「昨日は5歩で移動したところを4歩で済ませるにはどうすればいいか」といった定量的な改善が行える現場だからこその出来事であると説明する。

photo ジンズの井上一鷹さん(JINS MEME事業統括リーダー兼Think Labプロジェクトリーダー)

 「分かりやすい何らかの物差しがあれば、日本人は勝手に効率を高めていきます。しかし、ホワイトカラーの環境では『今日どうだった』と聞かれても、『まあまあだった』などと主観でしか振り返られません。最終的なアウトプットをインプットで割ってしまい、結果論で話を進めるから単に残業時間を減らす方向だけになる。これは本質的ではありません」(井上さん)

 JINS MEMEを活用すれば、従業員がタスクに対してどれぐらい没頭し、パフォーマンスが高い状態に近づいているかを客観視できる。例えば「自分は水曜日の朝に仕事をするのが一番効率いい」ということが分かれば、「企画書の大事なところは水曜日の午前中にやろう」といった工夫を行える。

 「もともと自分はコンサルティング業界にいて、仕事は夜型人間でした。でもJINS MEMEで測ってみると、明らかに朝のほうが仕事に集中できていた。夜型だと自分が思い込んでいただけだったのです。このように、何となくではなくデータになると自分ゴト化が進んで働き方を変えるようになるのです」(井上さん)

ほとんどの人がオフィスで仕事に集中できていない

 JINS MEMEで大量のデータを取ることで、人によって集中できる場所や環境が大きく異なることが分かったと井上さんは言う。中でも特に目を引くのが、会社で働く95%の従業員が仕事をするはずのオフィスで集中できていないという結果だ。

 「今のオフィス環境はコミュニケーションを主体に置きすぎています。人は何かに集中するまでに23分間もかかりますが、現代人は11分間に1回は話しかけられるか、確認しなくてはいけないメールやチャットが入る。『今ちょっといいですか』の応酬で、その度に集中が落ちる。再度集中できるまでに23分間もかかってしまいます」(井上さん)

 井上さんはコミュニケーションも大事だが、同じぐらい集中も重要であり、イノベーションには両方が必要であると話す。これらはまさにデータから得られた知見だ。

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 「自分の性質を知ることで、もう一歩踏み込んだ仕事の仕方ができます。データを見て面白かったのは、『何をするか』『何をどこでやるか』といった内容を書き出してもらうことで、それだけで集中度が上がったこと。なんとなくPCを開いて『メールから返信しようかな』といった動きでは全く集中できていませんでした。勉強ができる子供って、頭がいいのではなく、『この時間帯はこれをやる』といった管理能力が高いのです。そんな動きをサポートできればいいと思っています」(井上さん)

ジンズが考える理想のコワーキングスペースは

 これらを踏まえ、ジンズは「世界一集中できる場」を目指す会員制ワークスペース「Think Lab」を17年12月に立ち上げた。そこには、集中力を上げるための要素がふんだんに取り込まれている。

 入り口には参道をイメージした、暗くて長い通路がある。薪(まき)の香りに包まれながら先を進むと、自動ドアが開いて開放感のあるメインスペースに出る。これは、適度な緊張感からリラックスした状態に短時間で切り替えることが、集中に適しているというルーティン(習慣)の体形を再現したもの。こういった集中力を上げる手法を至るところに取り入れている。

photo エントランスから入り口に向かうまでの参道。独特の雰囲気で緊張感がある
photo 参道を抜けると、明るいメインスペースに出る

 スペース内には一人用のデスクやミーティングルームなどが並ぶ。大きな特徴は、植物や鳥のさえずりといった自然音が流れていたり、時間帯にあわせて照明の明るさを変えたりしていること。人間が集中しやすい環境として「自然」を再現している。

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 「人間は400万年にわたって遺伝子を形成しながら歴史をたどっていますが、都市部に住んでいる期間は1000年もありません。私たちの遺伝子は変わらないまま、人工物の中にいるわけです。Think Labでは、光を太陽のシフトに合わせたり、視界の10〜15%に植物が入るようにしたり、自然の環境音を耳には聞こえない非可聴域まで再現したり、集中に効果がある仕組みを多く取り込んでいます」(井上さん)

 井上さんは現状のオフィスがコミュニケーションを主体にしすぎていることを指摘する。スマートフォンやビジネスコミュニケーションツールの発展で、本質的に1人になれる機会が減っているのも、Think Labを立ち上げたきっかけだ。

 「いざテレワークをすることが決まっても、家では働けないから近くのコーヒーショップに足を運ぶ人がいる。そんな人が店には集まっていて、コンセントの席が空いていないこともある。加えてカフェの席は2時間以上座ることを想定しておらず、あまり健康的ではないことが多いです。労働環境が整わないまま時間の自由度が上がっている。これは問題です」(井上さん)

働き方改革、成功への道は

 現状の働き方改革は、企業によっては制度を整えること自体がゴールになってしまい、手段が目的化していると指摘する声もある。その先にある「働き方を変える本当の意味」がおざなりになってしまうことも。井上さんは、働き方改革は仕事のパフォーマンスを上げるための仕組みであるべきだと強調する。

 「出勤の移動時間などを含めて1日12時間ぐらい働いている。これを8時間に近づけられるような取り組みをいろいろな会社でやるべきです。環境で人はどう振る舞うかが変わる。人は受動的なので、空間を変えるべきというのが私たちの主張です」(井上さん)

レノボ・ジャパンは、製品を通じて「働き方改革」をサポートします

 働き方改革は、多様なワークスタイルを認めて働きやすい仕組みを整えるなど、従業員のパフォーマンスを最大限発揮させる環境作りが成功の鍵です。これまでとは違う新制度の導入に挑戦する企業も徐々に増えてきましたが、画一的なデバイス環境では、それらに対応するのが難しいかもしれません。

 重要なのは、従業員の働き方に応じて適切なデバイス環境を整備する「デバイス・アロケーション」を最適化すること。レノボ・ジャパンは、ビジネスを支える多様なデバイスを用意することで、より高い生産効率の追求をお手伝いします。

ThinkPad X1 Carbon(2018年モデル)

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Windows 10 Pro搭載。モバイルPCとして画面の大きな14インチディスプレイを備えた、堅牢、軽量な一台。携帯性に優れ、オフィスに戻った際はThinkPad USB Type-Cドックとの接続により、簡単にマルチディスプレイ環境を構築できます。


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