AIが手書き文字「96%以上認識」 紙帳票を自動処理するRPAで約束する“手作業から解放”される未来

(提供:東日本電信電話株式会社)

» 2019年02月12日 10時00分 公開
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 「受注書のFAXが届いたからPCに転記しておいて」「申込書がたまってるから早くデータ入力してね」――紙書類をめぐるこうしたやりとりは、総務部や経理部に限らず、多くの職場で頭を悩ませている。

 大量の紙書類の存在はバックオフィス業務の生産性向上を妨げる。まず帳票の種類を仕分け、記載内容に漏れがないかを確認し、あとは間違いがないようにひたすらPCにデータを入力していく。単純作業は担当者の大事な稼働時間を奪い、大きなビジネスチャンスを逃す可能性もある。

 大企業はシステム化が進み、バックオフィスのペーパーレス化に取り組む所も多いが、発注書や請求書など、顧客企業との取引の中で紙書類を扱うことが多い企業は、完全に紙書類を撤廃することは難しい。

 紙書類をなくせないなら、せめてその後の工程を効率化できないか――そうした声に応えるように、近年はAI(人工知能)の目覚ましい進化やRPA(ロボットによる業務自動化)などの登場で、これらの業務を自動化する動きが出てきた。

 特に第3次AIブームの火付け役となった「ディープラーニング」の登場により、画像認識技術が飛躍的に向上。これまでのOCR(光学文字認識)技術では難しかった手書き文字の書類も、AIを組み合わせることで高精度で認識できるようになっている。

 しかし、中堅・中小企業の中には「AIやRPAという言葉は良く聞くが、大手IT企業が使うものなのだろう」「情報システム部門がない自社での導入は厳しい」と考える所も少なくないはず。

NTT東日本の庄司哲也氏(ビジネス開発本部 第二部門 ビジネス企画担当 担当課長)

 これに対し、NTT東日本の庄司哲也氏(ビジネス開発本部 第二部門 ビジネス企画担当 担当課長)は「RPAは何でもできるが故にどの業務に落とし込んでいいか分からないと悩む方は多いです。そこで、多くの企業が課題として抱える、紙書類に関する業務の効率化を実現するために、RPAとAI-OCRを組み合わせるという手段を提案したいです」と話す。

 「お客さまにヒアリングする中で圧倒的に多いのが、FAXによる受発注業務を改善したいという声。自治体もほぼ紙の文化ですし、他には消費者から送られてきたアンケートハガキを収集してデータ化するような業務も自動化に向いています」(庄司氏)

 同社は、高い文字認識精度を誇るAI-OCRシステム「AIよみと〜る」やRPAツール「おまかせRPA」を組み合わせて紙帳票の処理の電子化・自動化を支援するサービスを提供。情報システム部門がない中堅・中小企業でも導入できるような工夫をこらした。

「AIよみと〜る」で読み取った文書データを「おまかせRPA」で自社システムに自動入力する

「手書き文字認識率96%以上」「83%の時間削減」 “手作業からの解放”の効果

 これらのツールを組み合わせると、手作業からどのように解放されるのか。まず、紙文書をスキャナーで読み取ってPDF化し、AIよみと〜るで文字を認識して画像データをテキスト変換する流れだ。その後、CSVファイルをダウンロードすることで、おまかせRPAが自社システムへの自動入力などを行ってくれる。

 NTT東日本がトライアルを実施した税理士事務所の事例では、税務業務のために銀行ごとの現金通帳をデータ化し、システムへの投入を行った。

 通帳をスキャナーでPDF化し、それをWebブラウザベースで動くAIよみと〜るで検出する。「氏名」「日時」「金額」などの読み取り項目を利用者が設定し、読み取り結果を確認し、問題があれば修正するという流れだ。ドラッグ&ドロップ操作やプルダウン選択など、簡単なマウス操作で使えるユーザーインタフェースにした。

AIよみと〜る利用画面

 画像認識技術にはAIベンチャーのAI inside社が開発したディープラーニングの学習アルゴリズムを用い、殴り書きのような手書き文字も高い精度で認識できるようにした。

 NTT東日本が2018年に実施した3社によるトライアルでは、合計2万字以上を認識した結果、いずれも90%を超える高い文字認識率を実現した。製造業の例では手書き文字は96%超、活字に至っては99%超という結果だった。

 AIを活用することで、二重線訂正印や黒丸の訂正を読み飛ばしたり、欄外にはみ出た文字を自動補完したりもできる。読み取りを行った帳票データのパターンをAIが学習していくので、ユーザー企業が増えればさらに認識精度に磨きがかかっていく。

複雑な文字の読み取り例

 ゆがみ・傾き機能を備え、スマートフォンで撮影して傾いた画像なども自動で補正。オプションサービスとしてAIによる「自動帳票仕分け機能」を組み合わせることで、帳票の種類を自動で仕分けしてくれる。

 そして、読み取ったデータをシステムに自動入力するのはRPAの役割だ。事前にRPAツールで受け取ったデータをどう処理するかの「シナリオ作成」をしておくと、読み取ったデータをCSVファイルでダウンロードし、自社システムに自動入力してくれる。

 これまで紙書類とPC画面を交互ににらめっこしながら行っていた手作業が、スキャナーで紙を読み込むだけになると考えると、その違いはイメージしやすいだろう。

 実際、上記の税理士事務所の例では、通帳1冊当たり1時間かけていた作業が9分程度に短縮でき、約83%の時間削減効果があったという。人間だと目視や入力の際にヒューマンエラーを起こす可能性があるが、コンピュータの場合は最初の設定さえ間違えなければ指示通りに動いてくれる。

 単純作業をコンピュータに任せることで、より創造性の高い業務や、新しいプロジェクトなどに取り組む余裕も出てくるだろう。

「情シスない中小企業」、どう支援?

 しかし、「ツールとして使いやすい」というだけで情報システム部門がない中堅・中小企業でも使いこなせるのだろうか。費用対効果も気になる所だ。

 庄司氏は「これからは、情報システム部門がない企業でもRPAを使いこなせるようにしていきたいと考えています」と意気込む。ペーパーレス化が進まない中堅・中小企業の業務でこそ、こうしたツールの真価を発揮できるからだ。

 初めてAI-OCRやRPAを導入する企業を支援するため、NTT東日本はサポート体制を整えた。AIよみと〜るでは、電話による遠隔サポートで帳票設定支援や故障の受付対応などを行う。「手書きだと枠から文字がはみ出ることもあります。『文字の認識率を上げるために、読み取り範囲を少し広めに取った方がいい』といったテクニカルなアドバイスもします」(庄司氏)

 RPAの場合は、「シナリオ設定」など少し専門性の高い作業が発生する。そこで、オプションとして訪問サービスを提供。担当者が顧客企業に出向き、業務のヒアリングとシナリオ設定の支援を行う。

 AIよみと〜るは月額10万円(税別)から、RPAサービスは月額7万5000円(税別)から利用できる。

 「新しいツールの導入と聞くと、『既存のシステムを改修しないといけないのでは?』とよく言われますが、それは違うのだと知ってほしいです。お試しで使えるよう、トライアルメニューも用意しています」(庄司氏)

 また、新ツール導入の際に不安材料となるセキュリティ面にも考慮した。AI-OCRでの帳票データの検出は、AI inside社のサーバと顧客企業のクライアントPCがインターネット経由で行っているが、SSL暗号化通信を導入している。また、オプションで同社が提供する「クラウドゲートウェイ」のサービスを使えば、よりセキュアな閉域ネットワークも構築できる。今後は自治体向けの総合行政ネットワーク(LGWAN)への対応も考えているという。

 最初はAI-OCRやRPAの導入に抵抗感を示していた現場が、実際に自分たちの業務がラクになることが分かると積極的にその活用に取り組み始めたという事例は少なくない。「他の業務も自動化できるのではないか」と考える人材が増えれば、組織の在り方も少しずつ変わっていくだろう。作業時間やコストの削減だけでなく、副次的な効果にも期待したい。

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提供:東日本電信電話株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2019年9月24日

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