想定外の質問でも「分かりません」で片付けない ディープラーニングを活用したチャットボット「goo AI x DESIGN」のすごさ

» 2019年02月25日 10時00分 公開
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 「ごめんなさい、よく分かりません」――近年、顧客からの問い合わせ業務などに、AI(人工知能)を活用したチャットボットを導入している企業が相次いでいます。しかし人間があらかじめ質問と答えを1対1で設定しておくルールベース型のチャットボットなどでは、想定外の質問に対し、うまく答えられないケースも少なくありません。

 例えば「おはよう」というあいさつだけでも、「おはようございます」「オッス」など同じようなニュアンスの言葉がたくさん存在します。ユーザーがチャットボットに投げ掛けそうな質問を全てリストアップし、回答を用意するのには限界がありますが、その一方、答えに対応する回答がなければ「分かりません」と返事をしてしまい、会話が長く続かないという懸念もあるでしょう。

 こうした課題に対し、NTTレゾナントはディープラーニングを活用し、自然な対話を可能にするという「goo AI x DESIGN」(グー・エーアイ・クロスデザイン)を提供しています。ルールベース型のチャットボットにはない、「goo AI x DESIGN」の強みは何でしょうか。NTTレゾナント スマートナビゲーション事業部サービステクノロジー部門の松野繁雄さん(セールスマーケティング担当部長)、中辻真さん(AI担当課長 情報学博士)に聞きました。

photo 右から、NTTレゾナント スマートナビゲーション事業部サービステクノロジー部門の松野繁雄さん(セールスマーケティング担当部長)、中辻真さん(AI担当課長 情報学博士)

想定外の質問でも「分かりません」で片付けない

 NTTレゾナントは2016年、Q&Aサービス「教えて!goo」内で、恋愛相談カテゴリーに投稿された質問にAIが回答するサービスをスタート。2017年からは旅行比較サイト「goo旅行」で、AIがユーザーとの対話を通じ、旅先を提案するサービスを提供しています。2018年からは、これらで蓄積した「gooのAI」技術や大量のデータ、ノウハウを基に、AIサービスの導入を支援するセミオーダーソリューション「goo AI x DESIGN」において、自然な対話によるチャットボットを開発しています。

 「教えて!goo」の場合は、3000万件以上のQ&Aデータから「使われている単語の意味」「質問と回答の対応関係」「質問内における文の組み合わせ」をディープラーニングで学習し、モデル(型)を作成。ユーザーからの質問に対し、作成したモデルを用いて「結論」や「理由」を含む文章を生成する仕組みになっています。

photo 「教えて!goo」の場合は、3000万件以上のQ&Aデータを活用している

 こうした技術を用いることで、想定外の質問であっても、ある一定の単語群が出てくれば、関連性が高い回答を導き出せる、というのが特長。「分かりません」で片付けず、会話が破綻せず長く続くように後押しする仕組みです。

「お客さまだけでデータを用意するのは難しい」

 ただ、違和感のない回答を導き出せるようにするには、大量の学習データを用意する必要があります。チャットボットを導入しようとしているクライアント企業が、自社だけで膨大なデータを用意するのには限界があるでしょう。

 そこで「goo AI x DESIGN」の場合は、クライアント企業が用意する対話コーパスやQ&Aデータ、マニュアルデータ、商品記事を基に、学習データを作成、整形するサポート。その上、NTTレゾナントが「gooのAI」技術を使って自社サービスを開発・提供する過程で、大量に蓄積してきた雑談やQ&Aのデータも活用できます。「オリジナルのデータ量が少なくても、自然な対話を実現させることが可能です」(松野さん)

 例えば、旅行会社のチャットボットを構築する場合、ユーザーが旅行先のおすすめ情報や旅行プランを知りたいときに入力するであろう想定質問とそれに対応した回答や商品記事が必要――というように、クライアント企業がオリジナルの対話コーパスを自社で用意する必要はありますが、その負担をNTTレゾナントが軽減するといいます。

 松野さんは「AIの会話は、学習させる対話コーパスが多いほど自然な応答に近づけることができますが、お客さまだけでデータを用意するのは難しいです。goo AI x DESIGNの場合、お客さまと一緒に1500〜3000件のデータを用意するところから始めますが、その後、当社がさまざまなバリエーションを作ってデータを“膨らまし”ます」と説明します。

 膨らましは、答えは一緒でも、語尾を変更する、男性/女性が発話したようにする、漢字を平仮名にするなどの表記ゆれ対応などをして「お客さまがご用意いただくデータの少なくとも10倍くらいのデータを作り出すことができます」(松野さん)。

 一方、クライアント企業のオリジナルの対話コーパス以外の日常的な会話、雑談などのデータは、NTTレゾナントが培ってきたデータを使えます。松野さんは「gooのサービスを通じて蓄積した汎用的な雑談データを持っていますので、ゼロから作るのとはスタートラインが違います」と強調します。

 例えば、旅行会社がチャットボットを導入する場合、クライアント側が用意したデータを基にした「旅行に関する回答」と、NTTレゾナントが保有する「雑談時の回答」を併用。ユーザーの質問内容に応じ、旅行関係の場合は前者、そうでない場合は後者を用いる――というように、使い分けられるといいます。

photo 「goo AI x DESIGN」の活用事例。未登録の質問でも「分かりません」で片づけず、会話が続くよう後押し。チャットボットにキャラクターの特徴を持たせることも可能という

 雑談や言葉の揺らぎなどに対応する大量のデータを活用し、チャットボットにキャラクターの特徴を持たせることも可能といいます。例えば、クライアント企業がイメージキャラクターを持っていれば、そのイメージを崩さない形で、言い回しなどを反映できると、松野さんは説明します。

 「特定のパラメータ値を変えると、キャラクターのセリフの語尾を変えられます。これまでデータをお客さまに用意していただくのが一番大変なところだったのですが、われわれの雑談やキャラクター化する技術をうまく使ってもらえると、大量のデータがなくても時間をかけなくてもAIを作れるのが強みです」(松野さん)

 著名なキャラクターを抱えている大企業にとってメリットになるのはもちろん、持ってない企業にはキャラクターを作成するところからサポートするといいます。

「作って終わり」にしない 成長するAIチャットボットに

 NTTレゾナントのデータやノウハウをフル活用すれば、AIチャットボットの企画からリリースまでは平均3カ月程度。ただ、公開したら「それで終わり」では決してありません。松野さんは「AIは成長させるものだと捉えています」といい、ローンチ後も常に学習を続けさせると話します。

 「ユーザーの発話も学習の対象になります。再学習してAIの精度をより上げていくことは、チャットボットの問題点を解消する1つの手法です」(松野さん)。その際、クライアント側にはノウハウやデータを共有し“ブラックボックス”にはしません。

 「精度向上のためのチューニングをお客さまと一緒に進めます。チューニングの内容をブラックボックスにして、なかなか開示しないところもありますが、当社はお客さまと一緒に作って精度を上げていきます。お客さまの要望をもとに、ユーザーの行動や発話の履歴を見ながらチューニングしていくことで、AIが成長していきます」(松野さん)

チャットボットの導入で「チャネルを創造」

 こうして作り上げたチャットボットは、どのような効果をもたらすのでしょうか。中辻さんは「例えば、goo旅行に導入した場合は、ユーザーがチャットボットのキャラクターに親密感を抱いて対話していく中で、チャットボットから旅行先を提案してもらうと受け入れやすいと聞いています」と話します。

photo 旅行比較サイト「goo旅行」では、AIがユーザーとの対話を通じ、旅先を提案するサービスを提供

 また、ユーザーとのタッチポイントを増やす効果もあるといいます。電話やメッセンジャーアプリ、SNSなどを活用し、ユーザーとのエンゲージメントを高めようとしている企業は少なくありませんが、松野さんは「(チャットボットは)24時間365日、場所と時間を気にすることなく対話できます」とメリットを強調します。

 松野さん、中辻さんはこのことを「チャネルの創造」と表現。従来の顧客接点に加えるものとして提案しています。例えば、ある商品を発表してから発売までの期間、顧客との接点を保ち続けるためにチャットボットを活用する事例もあるといいます。

 「ルールベース型のチャットボットでは満足できなくなったお客さま、ユーザーに使われず、うまくいかないと考えているお客さまが、goo AI x DESIGNを使ってチャットボットを高度化したり、リプレースを検討したりする場合もあります。よりさまざまなことに自分たちで挑戦したいと考えたお客さまが、当社のブラックボックスではないAI技術を検討しています」(松野さん)

「人に寄り添うものを作っていく」

 中辻さんは、AIチャットボットについて「いかに人に寄り添うものを作っていくかが重要」と強調します。例えば、ユーザーが再びチャットボットを利用するときに「また来たね」と返事をするなど、前後の文脈や意図を理解し、パーソナライズしていくことも人に寄り添うことだといいます。

 「ユーザーが2度目に訪問したとき『こんにちは』だけでなく『今日はどうだった?』と呼び掛けるだけでも、寄り添っているように感じられます。単純なギミックのように思われるかもしれませんが、よりディープラーニングを活用して過去の対話内容を覚えた状態で返事したりすると、もっと寄り添えると考えています。どこまで寄り添っていくものを作るかということにチャレンジしていきたいと思います」(中辻さん)

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