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» 2019年08月05日 10時00分 公開

次世代ERPは「自動で分析」「Xデータと連携」――SAPが描く“仕事をラクにする”企業システム

[PR/ITmedia]
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 企業の経営者が自動車を運転しながら、コンピュータに今日の情報を尋ねる。するとコンピュータがスケジュールに加え、自社の経営状況の好調な点を示して『グッドニュースだ』と伝える。さらに経営者の指示通りに数字を示したり、グラフを表示したりする――あたかも部下のように話す、そんな対話型AIの機能を、SAPは「SAP CoPilot」として次世代ERP「SAP S/4HANA」に組みこんでいる。

photo あたかも部下のように話す対話型AIを「SAP S/4HANA」に組み込もうとしている

 SAPは2018年から「Intelligent Enterprise」というビジョンを打ち出し、同社が得意とするERPの分野にAI、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの先端技術を組み合わせ、仕事の在り方を変えようと試みている。SAPジャパンの福田譲社長は、近代企業が広く使用している基幹システムを基礎として、新しい領域へチャレンジすることが重要だと示唆する。

 既にSAPは、同社のアプリケーションにRPAの機能を組み込める「iRPA」をリリースしている。「あらかじめ基幹システムに業種別・業務別の機能として組み込んでおくことで、ユーザーがRPAによる自動化の方法を“考える”必要はなく“使う”ことにフォーカスしてもらいたいです」(福田氏)

photo 7月に都内で開催したイベント「SAP NOW Tokyo」基調講演に登壇したSAPジャパンの福田譲社長

 同社のSAP S/4HANAは、クラウド版がメインになってきており、3カ月ごとに最新機能を追加している。そうした中には、さまざまな機械学習機能、機械学習を前提とした機能を盛り込んでいる。

 「従来は、人間が情報を探して分析し“使う”という働き方でした。ERPの役割は処理・記録が中心で、そのノウハウや知見は人間が学ぶ必要がありました。新しいERPは、情報を自動的に分析して報告し、人間と一緒に働くものです。予測や最適化を役割とし、ノウハウを学びます。従来の固定的・長期安定を目指した構築や運用ではなく、活用や継続的な進化と高付加価値業務にシフト、フォーカスするべきです。こうしたことから自然とクラウドが選ばれるでしょう」(福田氏)

標準化できる部分、できない部分を見極める

 これからの企業ITの在り方を示す「Intelligent Enterprise」には、次の4つのポイントがあると、福田氏は説明する。

(1)SaaS/クラウド

(2)PaaS

(3)データ駆動型

(4)インテリジェント化

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 福田氏は(1)SAP S/4HANAを含む、企業システムの中核部分(デジタルコア)は「徹底的にSaaS化・クラウド化を図るべき」と促す。その上で(2)標準化が難しい自社固有のプロセスや他のシステムとの連携には、PaaSを活用。(3)機械学習エンジンに適する“きれいに整理されたデータ”は、SAP S/4HANAを中心とするデータマネジメントプラットフォームで管理する。

 そして(4)AIや機械学習、アナリティクスなどのインテリジェントテクノロジーを活用し、集めたデータを分析していく。ユーザー企業は、こうしたインテリジェントテクノロジーの機能を個別に購入しなくても、SAPがあらかじめ作り込んだものを導入し、使うことにフォーカスできる。

 既に日本国内では、トラスコ中山がこうしたSAPの技術を活用している。同社は、各種メーカーの機械工具や建築材料、その他の道具や関連製品などを建設・製造現場やホームセンターなどに販売する商社だ。

 トラスコ中山は「誰も考えないようなデジタル変革に向け、SAPをパートナーとし、“最強のIT”を求めてSAP S/4HANAを中核に据え、営業支援ツールやリアルタイム在庫連携などの各種機能を実現してきた」という。

 同社は、標準化できる中核部分はSAP S/4HANAを使う一方、PaaSを活用したユニークなサービス「MROストッカー」を生み出した。天候やその他の地域・環境条件で売れ筋の商品を分析したり、おすすめしたりして、建設現場などに設置したストッカー(商品箱)に補充する。「富山の薬売り」の土木・建築版といえば分かりやすい。

 「企業ITは、標準化・インテリジェント化されたデジタルコアを中心に、差別化が不要なコモディティな領域(経費精算など)は、SaaSを活用します。これらが徹底できればできるほど、PaaSを活用した差別化・連携の領域に注力できるのです。経営・業務・ITがきちんと距離を詰めることが重要で、今こそITの専門家が活躍する出番ではないでしょうか」(福田氏)

「エクスペリエンス・マネジメント」にも注力

photo Qualtrics日本法人の熊代悟代表

 Intelligent Enterpriseを推し進めていく上で、SAPが力を入れる分野がある。同社は2019年、オンライン調査サービス&ソフトウェアを提供する米Qualtricsを買収。ユーザー企業の顧客、従業員の体験の満足度を向上させる「エクスペリエンス・マネジメント」(XM)に注力している。

 Qualtrics日本法人の熊代悟代表は、XMについて「難しく考えることはない」と話す。エクスペリエンスとは、サービスを利用したり、働いたりするときの“感情”そのもので、よい感情ならサービスを使い続けるし、悪い感情なら止めてしまう。この感情のデータをどのようにマネジメントするかが、重要視されるようになってきているという。

 ある米国企業が実施した経営者(CEO)に対する調査では、顧客や従業員に対して「最高のエクスペリエンスを提供している」という回答は8割にのぼった。ところが「最高の体験をした」と回答した顧客や従業員はたった8%にすぎなかったという。Qualtricsは、この差を「エクスペリエンス・ギャップ」と呼んでいる。

 「すばらしい商品を作れば、マーケティングをしなくとも売れるという時代は去りました。SNSや口コミで、情報が伝わるからです。よい経験と悪い経験のストーリーをマネジメントし、よりよい経験を提供して利益を最大化することが重要です。私たちは、エクスペリエンス・ギャップを埋める取り組みをサポートします」(熊代氏)

 よい経験を提供する“簡単で効果的な手法”は、積極的に顧客や従業員の声を収集・分析し、改善アクションの実施を日々の業務として行うことだ。その業務を支えるのがQualtricsのツールというわけだ。

OデータとXデータを連携してビジネス・組織を成長させる

 企業で一般に利用されているERPは、営業・販売や生産、財務や人事、顧客情報などの業務(Operational)データ、略して「Oデータ」をマネジメントするシステムだ。企業やビジネスで「何が起きたのか」を理解するためのツールといえる。

 一方、Qualtricsが取り扱う「Xデータ」は、顧客満足度や従業員エンゲージメント、ブランド認知度、ユーザー体験といった経験(Experience)データ。「なぜ売り上げが落ちたのか」「なぜ従業員が辞めたのか」というように、その状況が「なぜ起きたのか」を理解するためのものだ。

 「Xデータだけでも多くのことが分かりますが、企業が既に保有しているOデータと絡めることによって、さらなる深い知見が得られ、改善アクションを起こせるのです。ERP(Oデータ)のリーダーであるSAPの傘下に入り、XM(Xデータ)のリーダーになりたいと考えています」(熊代氏)

 Qualtricsが提供している「エクスペリエンス・マネジメントプラットフォーム」では、顧客と従業員のエクスペリエンスの他、製品ニーズや使用状況の見通し、ブランドの知名度や認知度などの4項目を分析、管理できる。

photo 顧客、従業員、プロダクト(製品)、ブランドのエクスペリエンスを管理

 中核になる「Qualtrics RESEARCH CORE」では、さまざまなところからさまざまなタイミングで声を集める「収集+対話」、それらのデータから感情を読み取る「分析+策定」、対策を提案する「アクション+改善」まで、AI技術を活用して提供している。さまざまなOデータを発信・管理するアプリケーションとの連携が可能で、細かな分析ができるという。

 既に世界中の名だたる企業を含む、1万社以上がQualtricsのXMツールを活用している。日本国内での導入実績も豊富だ。

photo メルカリジャパンの田面木宏尚CEO

 自動車メーカーとして著名なBMWは、BMWジャパンを含め全世界で、XMツールを活用し、顧客体験の測定や改善に努めている。従来のBMWでは、1カ月に1回程度、顧客に30問以上の設問で満足度調査を行っていたが、ディーラーへのフィードバックに1カ月以上かかるなど課題も少なくなかった。

 そこでXMツールを導入して、顧客中心の運営に注力。試乗時や購入時といった各タイミングで3〜5問程度のアンケートを行い、リアルタイムでディーラーなどに共有する仕組みにした。その結果、アンケート回収率が向上した他、サービスに満足できなかった顧客にはアンケート回答後48時間以内にフォローの電話をかけられる体制も整うなど、具体的な効果を得られたという。

 “日本初のユニコーン企業”のメルカリも、Qualtricsのユーザーだ。メルカリジャパンCEOを務める田面木宏尚氏は「グローバルな人材を集め、世界でも勝つこと」を目指し、顧客だけでなく従業員のXデータにも早くから注目してきたと話す。

 「メルカリでは、組織の現状を把握するための『メルパルス』とマネジメント層の強み・弱み・改善点を把握する『マネパルス』の2つでサーベイを行っています。Qualtricsのツールでは、重点的に改善すべきことや、続けるべきことを理解しやすい『四象限マッピング』が気に入っています。これらのデータを基に、悪いところは改善し、よいところは継続・強化させていくのです」(田面木氏)

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 SAPの福田社長は、これまでもSAP ERPが支えてきたOデータと、Qualtricsが提供するXデータを組み合わせることで「ITが強くなる」と主張する。そのためには、意志決定や業務の効率化・自動化を徹底することで“ビジネスを支える”領域のコストを低減させ、“ビジネスを変革する”ことに注力できるようにすることが必要だ。

 「SAPは、よりよい世界を創り、より豊かな生活を提供したいと考えています。それは当社の力のみでできるものではありません。各社のビジネスがよりよくなれば、コミュニティーも環境もよりよくなります。顧客のビジネスをサポートすることで、世界をよりよくしていきたいと考えています」(福田氏)

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提供:SAPジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2019年8月31日

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