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» 2020年05月11日 10時00分 公開

テレワーク導入企業がぶつかる壁とは? 働き方コンサルティングの第一人者が解説 見落としがちな“1枚の意識改革”

[PR/ITmedia]
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 働き方改革やワークライフバランスへの意識の高まりから、テレワークに関心が集まっている。台風や地震などの発生時、感染症のパンデミックが起きた際などのBCP(事業継続計画)の観点からも、テレワークを導入する企業は少なくない。

 しかし、この大きな動きを一過性のものにしてはいけない。これまでに250社以上の企業・団体のテレワーク導入、コンサルティングを手掛けた、テレワークに関しての第一人者、株式会社テレワークマネジメントの田澤由利代表取締役は「パンデミックなどの災害や、国際的なスポーツイベントの開催などで、(テレワークを一時的に実施して)その期間だけ乗り越えればいい、という企業も少なくない。その意識でテレワークを実施しても、それだけでは、日本の働き方は変わらない」と注意を促す。

 より多くの社員が柔軟に働き、企業にとって“効果を出すテレワーク”にするには、どのようなポイントに注意すべきだろうか。テレワークマネジメントの田澤氏、鵜澤純子氏(マネージャー/シニア・テレワークコンサルタント)に話を聞いた。

テレワークは、福利厚生ではなく企業戦略

 田澤氏は「テレワークは女性活躍のためだとか、福利厚生のために導入されるものではなくなってきている」と強調する。多くの企業は当初、育児や親の介護などで忙しい女性のために、在宅でも働ける環境を整えるという目的で、「在宅勤務」制度を導入し始めた。同氏が注目するのは、新聞や雑誌などのメディアに「テレワーク」と「在宅勤務」が取り上げられた回数だ。下記のグラフから分かるように、女性活躍推進法が施行された2016年ごろまで、「在宅勤務」という言葉が多く露出している。しかし国の「働き方改革」の施策の中に「テレワーク」が組み込まれることで、女性のためだけではなくあらゆる社員を対象とし、自宅に限らずさまざまな場所で働く「テレワーク」の露出が高まった。田澤氏は「国の『テレワーク・デイズ』という政策もあり、福利厚生ではなく、企業戦略として、テレワークに取り組む会社が増えてきた」と説明する。

photo 「テレワーク」「在宅勤務」のメディアへの露出回数(出典:テレワークマネジメントの資料より)

 20年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、在宅勤務に一時的に注目が集まっているが、田澤氏は「企業の生産性向上という視点から、在宅に限らずサテライトオフィスでの勤務や、地方で働くワーケーションなど、より広範囲な働き方戦略が求められる」と指摘する。

 例えば、営業社員が訪問の合間にサテライトオフィスで仕事をしたり、長期休暇の旅行中に会社の会議に参加したりするケースも考えられるだろう。テレワークは必ずしも自宅で行う必要はなく、その人がその時、最高のパフォーマンスを発揮できる場所で働く方法だと、田澤氏は力説する。

 「会社のオフィスで働くのはこれまで当たり前だったが、“どこでも仕事ができる”ならば、オフィスは、場所の選択肢の一つにすぎない。ある人にとってオフィスが最も生産性高く働ける場所なら会社に行くといい。しかし、もしその人がケガをすると、松葉づえをついて通勤するより、自宅のほうが働きやすい場になるだろう。それぞれの社員が、最も高いパフォーマンスで仕事ができる環境づくりこそが重要だ」

テレワークで失敗しがちな企業とは

photo テレワークマネジメントの田澤由利代表取締役

 だが、テレワークを導入しても、期待していた効果が得られないというケースも少なくない。田澤氏は「テレワークでできる仕事は限られると考える人が多い。離れてできそうな仕事のみ切り分け、子育てや介護など理由のある人だけが、限られた日数だけ在宅勤務をする、という『切り分け型』のテレワークだと、効果が出にくい」と問題点を指摘する。

 今の全ての業務内容を見直し、一つ一つ、どうすればテレワークができるようになるかを考え、仕事の流れ、仕事の道具、仕事への意識を変えていくことが重要だ。社内で一つの部署、数人だけがテレワークに取り組んでも全社に広がらない。「新型コロナウイルスへの対応でもそうだが、互いに離れていてもチームで、いつもの仕事ができる企業が生き残れるだろう」

 田澤氏は、「どの業種だとテレワークしやすいか?」という質問に対し、「業種ではない。ペーパーレス化・ITツールの導入が進んでいる企業、女性社員が多いなど人材確保の必要性が高い企業、そして、トップが未来を見て危機感を抱いている企業が、テレワークへの壁が低くなる」という。

 一方、テレワーク導入を失敗しがちな企業について、田澤氏はよくあるパターンとして、人事・総務部門が「あの会社もテレワークに取り組んでいる」「やらないとマズイ」という話から、同じ業界の先行事例を参考に、その通りに取り組んでしまうことを挙げる。

 「先に導入している企業からすると、自社でうまくいっていないとは言いたくない。そのため、実際は成功していない先行事例をまねして制度設計をする。そして、まずは人事部で、こそっと試してみる。まわりからすると、『人事部が何かやってるな』と、他人事になってしまいがちだ」と話す。「そうして、限られた社員が週に数日程度の限定的な制度が導入され、あまり使われない制度になってしまうケースがよくある」という。最初の導入時に、トップが自分の言葉で「なぜテレワークを導入するのか」、そのために「全員が取り組んでもらいたい」ということを、しっかり伝えることが重要だと、田澤氏は強調する。

テレワーク推進の壁とは

 テレワークの概念を知り、必要性を認識し、制度を導入する……と進んでも、多くの企業が「効果を出す壁」の前で停滞しているという。田澤氏は続ける。「壁を乗り越えるのは大変だが、その場に立ち止まっていては、せっかくテレワークを導入しても効果を享受できないままだ。これからは、起業時から『テレワークが当たり前』の企業が増えてくる。若い世代の人たちは『制度はあるが柔軟に働けない』企業と『当たり前のように柔軟に働ける』企業と、どちらを選ぶだろうか」

 テレワークを当たり前にする壁は高いかもしれないが、より多くの社員が、どこにいても高パフォーマンスで、会社にいるのと同じように働くことができる企業が、次の時代を生き抜くことができるのだろう。

photo テレワークを導入しても「効果を出す壁」「当たり前の働き方にする壁」が待ち受ける(出典:テレワークマネジメントの資料より)

意外に見落としがち? テレワークのセキュリティ

 テレワークの導入に当たっては、セキュリティにも気を配らないといけない。総務省が公開している「テレワークセキュリティガイドライン第4版」の策定の有識者会議に参加した、テレワークマネジメントのシニア・テレワークコンサルタント鵜澤氏は次のように話す。

 「会社の中でのセキュリティルールは存在しても、会社の外のルールはない状態のはず。これまでのルールに、テレワーク用のルールを重ねていくべきだ。通信環境についていえば、無料の公衆Wi-Fiに接続してもよいのかどうかなどの指針を、リスクを勘案しながら検討していく必要がある」

photo テレワークマネジメントの鵜澤純子氏(マネージャー/シニア・テレワークコンサルタント)

 鵜澤氏は「(ルールを考える場合は)必ず人事、総務、IT管理担当が協力し、できれば社長直轄のもとで、横串の組織をプロジェクトチームとして立ち上げるのがよい。制度だけ、ITのツールだけの環境整備では不十分で、両輪が回るには横断的な組織でなければならない」と続ける。

 こうした指針を決めていくときに、意外に見落としがちなのは、肩越しに画面をのぞき込まれるショルダーハッキング(ビジュアルハッキング)への対策という。社内であれば「気にならないレベル」と思えるかもしれないが、カフェやサテライトオフィスなど、社外では大きな事故に発展する恐れもある。

 総務省のガイドラインでも、「第三者と共有する環境で作業を行う場合、端末の画面にプライバシーフィルターを装着したり、作業場所を選ぶなどにより、画面ののぞき見防止に努める」ことが推奨されている。

プライバシーフィルターの使用感は?

 こうしたガイドラインに従い、田澤氏、鵜澤氏ともに、2in1のノートPCにスリーエム ジャパン(3M)製のプライバシーフィルターを装着しているという。「(フィルターを取り付けていないと)新幹線やカフェで恥ずかしいと思うくらいに、チラチラと見られてしまう。薄着をして外に出ている感覚だ」と田澤氏は述べる。

 3Mのプライバシーフィルターを装着すると、真正面から見て左右30度の範囲は見えるが、その外側では光の透過率が5%未満になるため、ほとんど見えなくなる。画面上部にシールで取り付けられるため、取り外しも容易だ。テレワークのコンサルティングを手掛ける田澤氏は、客先で画面を「見せるとき」と作業中の「見せてはいけないとき」の切り替えがしやすいと話す。

photo 3M プライバシーフィルターは、真正面から見て左右30度からは見えるが、その外側からは真っ暗に見える
photo 3M プライバシーフィルターを装着していても、真正面(使用者)からはしっかりと画面が見える

 「以前は他社のプライバシーフィルターを使っていたが、分厚くて暗いためにPC画面の輝度を上げざるを得ず、すぐにバッテリーが無くなってしまっていた。3Mのプライバシーフィルターでは、キーボードへの干渉もない」(田澤氏)

 鵜澤氏は「『乗り物の中では、PCを操作してはならない』などと明言していない企業は、環境をどう整えるかを考えるべきだ。企業のスタイルが問われると言ってもいいだろう。PC内にデータを残さないことやUSBメモリを禁止するなどのルールに、ビジュアルハッキング対策も加えてほしい」と提案する。

 PC画面を横からのぞかれることは、重大な事故につながる可能性がある。誰かに横からのぞき見をされた結果、SNSなどを通じ、重要な情報が一瞬で拡散してしまうかもしれないのが、現代の情報漏えいの怖さだ。

 そうなると、企業のブランド価値を毀損(きそん)することにつながりかねない。「これは企業側の啓発活動の一つとして捉えるべきで、個人で買う、部署で買うというよりも、企業がしっかりと支えたほうが良いかもしれない」と田澤氏は指摘する。

 ビジネスパーソンは移動も多く、客先でのプレゼンの機会も少なくない。テレワークがますます普及していく中で、プライバシーフィルター装着から始まる“1枚の意識改革”を始めてはいかがだろうか。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2020年6月10日