「スマートフォンのように使えるPC」の実現を支えたクアルコムの統合プロセッサが創る未来5G搭載!“ARM版Windows 10”特集 第一弾

» 2021年06月29日 10時00分 公開
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 日本HPがARM64ベースの統合チップ「Qualcomm® Snapdragon™ 8cx Gen 2 5G Compute Platform」を採用したノートPC「HP Elite Folio」の国内販売を始める。同テクノロジーを採用した製品はまだ少ない。いち早く新しい製品を投入することに、PCメーカーとしてどのような狙いがあるのか。HP Elite Folioが築く新しい市場とその立ち位置について、この製品に搭載されているテクノロジーの鍵を握る主要企業に話を伺った。

photo クアルコム シーディーエムエー テクノロジーズ 営業部 シニアディレクター 中山泰方氏

満を持して登場したPC向け統合プロセッサ

 Qualcomm(クアルコム)は、1985年に設立された半導体企業だ。モバイル端末向けのプロセッサ開発・販売などを中心に手掛け、2020年度時点では5億7500万個のセルラー通信向け半導体を出荷するまで成長している。モバイル業界で長く活躍してきたこともあり、通信技術に関わるノウハウの蓄積は世界トップレベルだ。

 同社の中山氏は「これまで培ってきた通信とコンピューティングの技術をひとつに融合し、クラウドとつながりながらシームレスに動く。私たちが提供しようとしているのは、オールウェイズ・コネクテッドPC(ACPC)という新しいユーザー体験なのです」と説明する。

 HP Elite Folio(以降、Folio)が採用した統合チップは「Snapdragon 8cx Gen 2 5G Compute Platform(以降、Snapdragon)」だ。これはクアルコムのチップの中でもプレミアモデルに位置付けられる。「このチップにはモバイルで培ってきた最新技術と経験、お客さまからのフィードバック、業界のデマンド、それら全てを注ぎ込みました」(中山氏)

 Snapdragonは、5Gはもちろん、LTE、Wi-Fi 6にも対応するSnapdragon X55 5Gモデム-RFシステムと連携しながら高いパフォーマンスを発揮、低消費電力を実現する Qualcomm Kryo™ 495 CPU(オクタコア)とQualcomm Adreno™ GPU、さらにはQualcomm AIエンジンを搭載するほか、カメラやオーディオの機能にも適した専用テクノロジーが生かされている。

 PCに必要なもの全てをインテグレートした統合チップには「8cx」の型番がつけられているが、その意味として「エクストリームなデイリーライフ」「エクストリームなコネクティビティ」といった思いが込められ、最新のテクノロジーを安定、セキュアに楽しめることを表現している。

 中でも日本の通信環境との高い親和性についてはSnapdragonの大きな特長にもなっているという。

 「日本には高速かつ信頼性の高い通信ネットワークがあります。例えば、携帯電話やスマートフォンを使っていてすぐに電池切れになったり、通話が不安定になったりということは日本のみなさんはあまり経験がないと思います。KDDIのような優れたモバイルネットワークを提供されている事業者様がいることも理由ですが、モバイル端末にも高い信頼性を実現するテクノロジーが搭載されているためです。その技術は当然Snapdragonにも生かされており、それを内包するFolioにおいては、最新テクノロジーを安心してお試しいただける製品に仕上がっています」(中山氏)

スマートフォンのように使えるPC

 どんな場所からでもクラウドとつながり、最新のサービスが受けられる環境で仕事ができる──Folioが実現しようとしているシーンは、ビジネスユーザーにとってまさに待ち望んでいた姿だ。その裏側で機能を提供するSnapdragonは、一般的なPC向けのプロセッサとどのように差別化できるのだろうか。中山氏は「スマートフォンがそのままPCになったとイメージしてもらえれば分かりやすい」と話す。

 「クアルコムらしさという面でいうなら、通信技術、低消費電力、PC向けプロセッサとして優れたパフォーマンスがあるという点でしょう。先ほども触れたように統合チップとなっていますが、どれも平均点というわけではなく、全てにおいて100点を目指して開発されたものです」(中山氏)

 これまでのノートPCといえば、出先でWi-Fiを探したり、モバイル通信用ドングルを挿したり、ネットワークを使うためには必ずひと手間が必要だった。中山氏も「私自身もたくさん経験してきましたが、ネットワークにつなげるという行為のために頭の中に宿題が残ってしまいます。すぐに処理したい作業に取り掛かれないときなどは、とてもイライラしますよね。正直、それにはいつもストレスを感じていました」と自身を振り返る。

 一方でスマートフォンではそれがない。画面を開いたときにはネットワークにつながっており、情報はリアルタイムに更新される。しかもバッテリーは1日中使い続けられるほどだ。「その世界観をPCに持っていきたかったのです」と中山氏。

 Snapdragonを得たFolioは、従来のPCとは違い、常時接続を前提としたロングライフバッテリーを実現し、テレワークが日常となるアフターコロナ以降のビジネスに適した環境を提供する。

 中山氏は「その環境が世界中どこへいっても動作することはクアルコムが実証済みです。いつでも好きな場所でパフォーマンスが発揮できる素晴らしい環境がFolioで体感していただけるはず」と、まさにスマートフォンのような使い方を実現できるのがFolioの特長だとアピールする。

 その他にも、細かな点にも配慮がなされている。Snapdragonは、Web会議などでクリアな映像やオーディオを提供し、また、AIを活用することで、ユーザーに新しい体験を届ける準備が整っているという。

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関連企業との連携でエコシステムを構築

 Folioについて、クアルコムの考える想定ユーザーについて聞いてみた。その問いに対し、中山氏は「PCを外に持ち出す可能性のある全ての人がターゲットです」と答えた。コロナ禍を経てニューノーマルと呼ばれるワークスタイルを選んでいる企業はもちろんだが、工場や学校のように広い敷地内でWi-Fi環境を探していたような人、あるいは医療従事者で院内のIT化によって帯域が窮迫しているような環境にある人にもFolioは勧められると補足する。「5Gを使い、フレキシブルなワークスタイルを実現したい方には特に向いていると思います」と中山氏はSnapdragonの仕上がりに自信を見せる。

 そもそもクラウドサービスと相性がよいSnapdragonは、モダンマネジメントやフルクラウド化されたシーンに適した端末でもある。実際にそれを構成するためのアプリケーションやサービスとの連携も強化している最中だという。「もちろん、クアルコム1社でそれが成しえるとは思っていません。HP、Microsoft、KDDI、AZPower、こういった各社様とパートナーシップを深め、エコシステムを広げていくことが大切だと考えています」(中山氏)

 例えば、クアルコムがKDDIと協力して行っているのはリモートアクセスサービス「KDDI Flex Remote Access」の動作検証だ。セキュアなネットワークが必要な企業から評価の高いこのソリューションは、安全なイントラネットへの接続が求められるケースに有効だ。両社の協働によって正常動作は確認されており、Folioを端末とした場合でも安心してどこからでも会社のシステムへ接続できることが確認されている。

 同じように他のアプリケーションベンダーへも協力を働き掛けており、グローバルレベルで各ベンダーにARM版Windows10への最適化を促している。「Zoomは2021年夏にARM版Windows10に対応したアプリケーションをリリースする予定です。同じように各ベンダー様と手を取り合って前に進めていきたいと思っています」と中山氏は語る。実際にモダンマネジメントやクラウドサービス製品を筆頭に、セキュリティ、仮想化、VPN、ブラウザ、Officeツール、Web会議ツールなどの各アプリケーションが次々とSnapdragonに対応し始めている。

photo クアルコムを中心としたエコシステムを構成する各分野のベンダーや製品は日々更新されている

新しいサービスの参入を促進するSDKもリリース

 クアルコムはMicrosoftとの協業を通じてARM版Windows10対応アプリケーションの拡大と、ARMに最適化されたアプリケーションの開発支援も始めている。

 「2020年12月にはMicrosoftがWindows Insider Programへx64エミュレーションプレビューをリリースしています。このエミュレーションによってARM版Windows10で動作する既存アプリケーションを増やしつつ、ARM最適化を目指す場合に向けて、MicrosoftのApp Assure Programの適用範囲拡大をはじめ、クアルコムもアプリケーションのテスト・最適化をサポートする開発キット『Snapdragon Developer Kit』を発表しました。これは2021年夏に販売開始予定です」と中山氏は解説する。エミュレーションでの対応だけでなく、ARM最適化を目指すケースへ向けて、App Assure ProgramやSnapdragon Developer Kitなどの開発支援環境も整い、新しい時代へ向けての準備はもはや万全といえる。

 「クアルコムはこれまでもまじめに研究開発投資をしてきた企業です。直近でいうと2020年度では売上比率の25%を投資しています。日本円にして約6200億円ですからかなりの規模となります。モバイルで始まった会社ですが、私たちは社会インフラを作っていると考えています。もちろん、今回のFolioもその一つですし、パートナー様と一緒にこれからもユーザーにとって利便性の高い環境づくりを目指していくという姿勢に変わりはありません。引き続き技術開発とエコシステムを作り、皆さんと一緒に新しい世界を作っていく。Folioと共に、新しい世界をエンドユーザーに届けていくのが私たちの使命だと考えています」(中山氏)

 また、クアルコムはプロセッサ開発のスタートアップであるNUVIAを買収したばかりで、同社がこれまで培ってきたテクノロジーをチップに取り入れていくという狙いがあるという。

 「NUVIAがこれまで集めた知見は、スマートフォンよりも先にPC向けに投入されます。弊社では今後も最新テクノロジーをPC向け製品に取り入れていく予定です」と中山氏。もともと、研究開発に多くの資産を充てている同社の進化は今後も加速していくことが予想できる。それはFolioをはじめとしたARM製品にも受け継がれ、さらなる飛躍を遂げていく原動力となるはずだ。

 Snapdragon 8cx Gen 2 5G Compute Platformを採用したHP Elite Folioがあるのと同様、他社からも同じプラットフォームを持つ製品はこれから次々とリリースされていくだろう。ARM対応のPCの普及と共に、Snapdragonの認知度が高くなっていく流れはすでに出来上がっている。今後、日本企業が進むアフターコロナの世界において、FolioとSnapdragonがどのような地位を築いていくのか注目していきたい。

この記事は日本HPの協力のもと、ITmedia NEWS編集部で一部編集したものです。

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