8つのAI導入サービスを紹介 製造業向け、オフィス業務効率化、DX推進など ビジネス活用のメリットも併せて解説

» 2021年11月24日 10時00分 公開
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 「発明は思い付きでも起こり得るが、イノベーションは相互依存と協力の強化を伴う」――科学啓蒙家マット・リドレー氏の言葉を引用し、「これから普及するAIも同じだ」とデル・テクノロジーズの上原宏執行役員(データセンター ソリューションズ事業統括 製品本部長)は話す。

 デル・テクノロジーズは2021年に、AIの活用を検討している企業とAIサービスを提供する企業をマッチングする「Dell de AI “デル邂逅(であい)”プログラム」を開始。上原執行役員は「AI活用への漠然とした疑問を解消し、具体的なAI活用を進めることはもちろん、セレンディピティ(予想外の発見)を起こしてほしい」と意図を話した。

 11月5日にはAI領域で実績を持つDell de AIパートナー企業8社が、サービスや導入事例を紹介するセミナーを開催。今回はそのセミナーをDX(デジタルトランスフォーメーション)分野別にレポートする。

photo Dell de AI “デル邂逅(であい)”プログラムについて説明するデル・テクノロジーズの上原宏執行役員(データセンター ソリューションズ事業統括 製品本部長)
photo Dell de AI “デル邂逅(であい)”セミナーの講演内容(クリックで拡大)

企業経営やオフィス業務にAI活用

普通のビジネスマンでもデータ分析できる データビークルの分析ツール

 企業のDX推進に欠かせないとされるデータ活用だが、それらが進まない背景には「データ活用の意識がない」「分析担当が現場業務を知らない」「現場が数字に弱い」などの要因があると、データビークルの西内啓最高製品責任者は指摘する。

 そこで同社は、専門スキルを持たない普通のビジネスマンがデータ分析・活用できるツール「dataDiver」を開発。業務データベースから分析用データを自動生成し、分析手法や変数も自動選択する。分析結果は、意思決定者が見やすいように自然言語とグラフで表示する。例えば、経営課題について4項目を入力するだけで分析結果を表示し、売上予測や将来のシミュレーションも可能だ。

 顧客ターゲティングや新商品の開発、キャンペーン企画などに必要な診断的分析(なぜ起こったのか)や予測的分析(何が起きるのか)を自動化することで、手間のかかる作業を削減し、データドリブン経営によって生産性を向上できる。

社内問い合わせの自動化で業務効率化 BEDOREのチャットボット

 DXによる業務効率化を進める上で「人とソフトウェアが一体になった業務設計」を重要視しているのがBEDOREの松橋岳リーダー(Workplace事業部セールスチーム)だ。チャットボット開発を手掛ける同社は、メールや電話など、問い合わせの1次対応をAIで行い、本当に必要な部分だけ人が支援する姿を目指す。

 従来の問い合わせ用チャットボットは、事前に設定した選択肢から質問内容を選ぶ形式か、質問文のキーワードをAIで読み取って自動回答する形式だという。同社はAIの精度を高め、質問文の不足情報を聞き返して対応し、さらに必要があれば人が対応する。

 BEDOREと連携したデンソーでは、従業員約4万5000人から人事・総務・情シス関連の社内問い合わせの負担を自動化することで業務効率化を実現。従業員からは「(人と話さないから)メンタルケアなど相談しやすい」という声も上がった。「Microsoft Teams」と連携して、社内でのチャットボット定着を一層進められるサービスも提供する。

文書管理や翻訳にAI活用

手書きメモもAIでデータ化 Cogent Labsの文書処理サービス

 コロナ禍で書類の電子化やペーパーレス化が進んだが、今後も企業・関係者間でやりとりするドキュメントは増え続ける。蓄積したドキュメント処理を自動化すれば企業の生産性を向上できると、Cogent Labsの泉真悟シニアプロダクトマネージャーは語る。

 同社が提供する文書処理サービス「SmartRead」は、メールやメモなどの複雑なテキストデータを、AIで分類したり情報を抽出したりして業務の効率化を後押しする。こうしたデータを仕分けしたり検索可能な形にしたりすることが、業務DXの肝だ。

 手書き文字も認識でき、埋もれた過去のドキュメントをデータ化することで情報を探す時間を短縮できる。現在は作業報告書やアンケートなどの定型文書と契約書や図面などの非定型文書に対応している。要望の多い請求書や財務書類などの準定型文書にも今後対応するなど、DX支援を続けると話した。

翻訳を内製してグローバルな競争の優位に ロゼッタのAI翻訳

 「メールや契約書などの翻訳作業をAIに置き換えるだけで圧倒的な業務のスピードアップにつながり、グローバルで戦う際に圧倒的な競争優位になる」と語るのは、ソニーや日産自動車など5000社にAI翻訳サービスを提供するロゼッタの古谷祐一営業統括部長(MT事業部)だ。

 人間の翻訳精度を100%とするとAIは95%に達し、50年に一度のパラダイムシフトと呼べるほどの転換点にあるという。外注していた翻訳の内製化で95%のコストカットを見込め、納期がなくなることは経営スピード向上につながる。業務の効率化や情報漏えいリスクの低減といったメリットもある。

 同社はドキュメント翻訳だけでなく、海外拠点とのWeb会議で多言語をリアルタイムで翻訳してテキストを表示する音声翻訳なども提供している。まずは実際にAI翻訳を試してその精度に驚いてみるのも良いかもしれない。

製造業でAI活用 異常検知や外観検査を効率化

5ステップで異常検知AIを構築 クロスコンパスのAI開発ツール

 製造現場では、ビッグデータの解析や高度な異常検知の実現などさまざまな課題を抱えている。AIで克服しようにも、専門人材の確保や導入まで時間がかかるなど障壁が高い。これらを解決するのが、クロスコンパスのAI開発ツール「MANUFACIA」だ。

 異常検知や予知保全に使うAIの学習を、データ取り込みやラベル付けなどノーコードの5ステップで行える。画面上で直感的に操作でき、製造現場の改善アイデアを短時間で実行できると同社の木村真規子チームマネージャーは説明する。

 導入にはGPUサーバの準備が必要だが、「本格的な導入の前に試したい」という要望に応え「MANUFACIA-CPU」を用意。通常版と同じ分析機能を事務用PCで実行でき、少ない投資で効果を検証できるとしてスモールスタートを後押しする。

60枚のデータで精度90%のAI生成 HACARUSのAIモデル構築ツール

 製造現場では技術の継承や人員の確保も課題だ。外観検査の工程では、検査員の採用や教育に時間がかかって事業拡大を阻んだり、自動化装置を導入してもエラーの過剰検出が多かったりする。しかし過剰検出を3分の1に低減できるAIを使えば、現状の人手で事業を3倍に拡大できる。

 このAIはHACARUSが提供するAIモデル構築ツール「HACARUS Check 外観検査エンジン」で実現できる。50〜100枚のデータがあればAIを構築でき、太陽光パネルの不具合検査事例では、60枚のデータを19秒で学習して90%の精度を実現したという。

 熟練検査員の知見を継続的にAIに反映すれば精度向上も期待できるほか、複製できるため人員採用や教育のコストを大幅に抑えて事業を拡大できる。GPUを搭載した高性能PCは不要で導入ハードルも低い。サポート体制について同社の糸井紀貴ビジネス開発マネージャは「クラウド型やエッジ型など目的に沿った方法で導入時の入り口から出口まで支援する」と説明した。

建設業でAI活用 設計図面を自動で解析

建設知識あるエンジニア×データサイエンス専門家 構造計画研究所の支援チーム

 建築分野ではAI活用による省力化が進んでいる一方で「使えないAIが納品された」という声もあるとして、業務上の課題や問題を特定した上で解決策を実行するのがいいと構造計画研究所の本多健一建設デジタルプロジェクトプランナー(西日本営業部)は話す。

 創業当時から構造設計や数値解析のシステム開発を手掛ける同社は、建設分野の知見を持つエンジニアとデータサイエンスの専門家を合わせたチーム体制で、業務ごとに課題を洗い出して効果的なAIサービスの導入を支援する。

 設計図面内の壁や柱などの部品数をAIで自動的に数えたり、社内でたまった物件情報や検査記録のノウハウを抽出して共有したりできるサービスを提供する。人の動きをシミュレーションして空間設計・都市設計に生かす技術なども提供しており、業務課題の解決に向けたAIの活用を推進している。

AIで監視カメラのデータ解析 スマートシティーを実現へ

画像認識でスマートシティー実現へ モルフォの画像認識技術

 携帯電話の進化とともに画像処理技術を発展させてきた企業がモルフォだ。フィーチャーフォン時代には手ブレ補正など、スマートフォン時代にはダイナミックレンジ補正などの技術を開発してきた。カメラとエッジAIが連携する現在、同社が挑むのはスマートシティーだ。

 監視カメラ映像から数千人規模の人数を数える技術は、混雑状況を可視化して利用者に店舗の空き状況を知らせる手段として、コロナ禍でカフェやフィットネスクラブが導入を進めているという。

 映像に写った車椅子の人や倒れている人などを検出して警備員やスタッフに通報したり、人の少ない郊外で警備に活用したりできる。AIで映像内の人や窓を認識してモザイクをかけてプライバシー保護に生かすことも可能だ。約35億ライセンスに技術提供している同社は、製品・サービス開発で協業できるパートナーを募っている。

AI活用をデル・テクノロジーズが支援
製造業や金融業、情報通信分野など幅広く対応

 Dell de AI “デル邂逅(であい)”プログラムでは、これまで紹介したさまざまな専門分野のパートナー企業がAI活用を支援する。デル・テクノロジーズも「AIを駆使して新ビジネスを開発したい」「既存ビジネスの生産性を向上したい」という企業を全力で支援する構えだ。

 上原執行役員は「今日のセミナーで今後のAI活用のイメージを持てたらうれしい。今回は一方通行の出会いだったが、双方向の結び付きになる最初のステップとして、多くの問い合わせをお待ちしている」と締めくくった。

今回レポートした「Dell de AI “デル邂逅(であい)”セミナー」のオンデマンド版をこちらのページで公開しています。本記事内では短い紹介でしたが、より詳しい講演内容を知りたい方は、ぜひご視聴ください。

編集履歴:2022年3月7日午前10時00分 タイトルや本文見出しの記述を変更しました。


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Dell de AI(でるであい)とは──


dell-deai

「AIをビジネスで活用する」──そう言い表すのは簡単です。しかし、組織にとって本当に価値のあるアクションへ落とし込むには、考えるべきことがあまりに多すぎます。誰に相談すればいいのか、どうすれば成果を生み出せるのか。「Dell de AI “デル邂逅(であい)”」は、そんな悩みを持つ企業や組織にポジティブな出会いや思いもよらぬうれしい発見──「Serendipity(セレンディピティ)」が生まれることを目指した情報発信ポータルhttps://www.itmedia.co.jp/news/special/bz211007/です。


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