「AIを使えない企業は衰退する」――勝機はAI活用にアリ 明大教授が訴える“知っておくべきこと”とは?

» 2022年03月03日 10時00分 公開
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 「日本におけるAIのビジネス活用は“ほぼ空白”状態で、ほとんど進んでいません。そしてAIを使えない企業は衰退しつつあります」――こう警鐘を鳴らすのは、企業のAI活用を支援する明治大学の高木友博教授(理工学部 情報科学科)だ。

photo 明治大学の高木友博教授(理工学部 情報科学科)

 深層学習やGAN(敵対的生成ネットワーク)といった最新のAI研究の成果を聞くと難しい印象を受ける人も多い。しかし、ほとんどの企業ではもっと簡単なAIで期待する効果や成果を得られる。ところが、AIの導入がどのくらい容易なのか知らないために、ビジネスチャンスを逃している企業ばかりだと高木教授は説明する。

 AI活用は難しくないとはいえ、初めてのAI導入に不安を感じるのは当然だ。そこでデル・テクノロジーズが始めた取り組みが、AI導入初期のコンサルティングや企業の課題解決に適したAIベンダーとマッチングを行う「Dell de AI “デル邂逅(であい)”プログラム」(以下、Dell de AI)だ。

 Dell de AIのビジョンに共感した高木教授は、Dell de AIのアドバイザー就任の依頼を快諾。今回、高木教授にAIのビジネス活用について話を聞くと、日本の企業が置かれた現実が見えてきた。

企業はAI活用のメリットを見過ごしている

 高木教授はAIを構築する理論の一つ「ファジー理論」の分野で世界トップクラスの研究者で、執筆した論文も数多く引用されていることから、まさにこの分野の権威といえる。AIやデータサイエンスといった研究分野をビジネスに生かす取り組みでも注目されており、高木教授に支援を求める依頼も多く寄せられてきた。

 金融関係や建設関係などさまざまな分野でAIの活用支援をしてきた高木教授は、小売業や製造業、農業、医療などあらゆる分野でAIを実用できる可能性があると話す。しかし実際には、「AIをビジネスに活用したいが、何に使えるか分からない」「どのくらい大変なのか分からない」「自社にAIの専門家がいないから手を付けられない」といった状況を数多く見てきた。

 この「分からない」がAIの活用を考える企業の前に立ちはだかる大きな問題だと高木教授は指摘する。「企業が抱える課題にはAIを導入すれば簡単に解決できるものが非常に多いのに、『分からない』ためにその一歩を踏み出せないまま今日も課題を見過ごしている――そんな現状は一刻も早く変えるべきです」(高木教授)

 AIは業界を問わず、全ての分野で活用できる。大学や研究機関で行っている先端研究は非常に高度だが、ビジネス現場で必要とされるAIはそれに比べれば簡単なものがほとんどだ。表計算ソフトのように使えばすぐメリットや成果を実感できるのに、そのことが分からないために損をしていると高木教授は話す。そしてAIを自転車に置き換えた例え話をしてくれた。

AI≒自転車? 例え話の真意とは

 AIを自転車に例えた話は次のようなものだった。

 「普段から買い物に行くスーパーマーケットは歩いて20分かかるから遠すぎる」と不満を言っている人がいるとする。ところが、世の中には自転車という便利な乗り物があって、少し練習すれば誰でも使えることを知っていれば、スーパーマーケットは“近い場所”という認識に変わる。

 運転免許試験の勉強や資格が必要な自動車と違い、自転車は少し練習すれば誰でも乗れるようになる。AIはこの例でいう自転車と同じで、知っていれば簡単に使える便利なツールだ。

 つまり、ビジネスパーソンがAIについて詳しく分かっていない状況は、自転車の存在や便利さを知らずに今日も「目的地が遠い」と嘆きながら歩いてスーパーマーケットに向かっているようなものだ。

AI活用で大切なのは「知っていること」と「思い付くこと」

 自転車の例で分かるように、AIの存在や使い方を知っておくだけでもビジネスで優位に立てる可能性がある。ただし大切なのは、仕組みとその効果や限界を知っていることだと高木教授は話す。

 AIの仕組みや効果と限界が分かっている人がいるとする。その人なら、例えば投資コンサルティング業務のうち市場の動きを踏まえて投資の提案書を作る作業に、AIを生かせることが分かるはずだ。『投資コンサルティングAIがあればビジネスチャンスが生まれる仕組みを作れる』と思い付くことができる。「仕組みが分かっているから活用方法を思い付くし、効果や限界が分かっていれば、その場面でAIを用いることの妥当性を判断することができます。つまり、仕組みや限界を知らないがために、思い付いたり判断したりすることができず、業務改善や新規事業につながるチャンスを逃しているのです」(高木教授)

AIでできることは「予測」と「分類」

 では、AIに何ができるのか。AIのビジネス活用というと「製造業向け」「事務作業向け」など業界や業種別で考えがちだが、AIの基本的な機能で考えると理解しやすい。実は、世の中で活躍するほとんどのAIは「予測」と「分類」のどちらかに大別できる。

 予測の機能は、翌日の来店人数や売り上げ予測、市場の動向を予測する、顧客の好みを予測するといった業務で活用できる。データさえあれば、ほぼあらゆるビジネスで求められる予測業務に対応できると高木教授は話す。

 分類の機能は「判断」とも言いかえられる。分類した人の顔の特徴を元に顔認証で本人か別人かを判断する、迷惑メールを自動でブロックする、購買履歴を基にどの商品を買う人なのか判断するといった業務にAIを生かせる。

 この予測と分類を医療に当てはめると、健康診断で検査した体重や血糖値などのデータから将来の発病リスクを予測したり、CT画像を解析して正常か異常か判断したりできる。このように一見すると難しい業務に見えても、分解するとシンプルな2つの機能にすぎない。自身の業務を振り返ると、きっと予測や分類を含む業務を行っているはずだ。そこは全てAIを応用できる領域だ。

 AIは便利だが、人間が行うこと全てを置き換えるほど万能ではない。AIではできないことを知るのも必要だ。例えば「Excel」は文章を書くことには向いていないと知っているからこそ「Word」を使おうと判断できる。「AIはここまでしかできない」という限界を知ることで、自身の業務にどこまで活用できるか判断できる。

AIをどう活用すればいい? 相談窓口はDell de AI

 AIについて最低限の知識を備えればビジネス活用の扉が開くが、 現実的にはもう一つの壁がある。AIを導入する分野によって取るべきアプローチも、依頼すべきAIベンダーも違うことだ。

 一言でAIベンダーといっても、その得意分野も製品やサポートの質もさまざまで、どのベンダーに声をかけたらいいのか分からない状況に陥る企業も多い。こうして最初の一歩が踏み出せず、 大半の企業がビジネスチャンスを失っている。そこで助けになるのがデル・テクノロジーズのDell de AIだ。AI活用に関する身近な相談窓口だと高木教授は紹介する。

 Dell de AIは、AIの導入や活用を検討している企業が失敗しないために、導入内容や課題解決に適したAI製品やソリューションを提供する企業とマッチングする取り組みだ。現場の課題に向き合って課題解決をサポートする。

 抱えている課題をAIで解決できるのか、どのような手順で進めればいいのかといった部分をガイドするために、デル・テクノロジーズやパートナー企業などが寄り添って支援する。

photo Dell de AIの概要(クリックで拡大)

 高木教授がDell de AIのアドバイザーを引き受けたのは、企業をガイドすることで多くのビジネスチャンスを生かしたいというDell de AIの理念に共感したからだ。「AI活用の進め方が分からないからビジネスチャンスを逃す場合が多いのですが、何らかの方法で最初に踏み出す第一歩までをガイドできれば、その企業は優位に立てます。Dell de AIは勉強会や単なる企業団体ではありません。AI活用を考える企業を支援する現実的な取り組みです」(高木教授)

 Dell de AIの肝は、今後AIを活用しようと考えている企業の「どこに相談すればいいか分からない」というニーズと、AIベンダーの「課題解決に適したサービスがあるのにお客さまの声が届かない」というミスマッチを解消する点だ。デル・テクノロジーズが中心になり、相談内容に合ったAIベンダーを紹介することで効果的なAI活用を後押しする。

 例えば、商品在庫が余剰/不足のどちらかに偏ってしまう課題があったとする。AIで翌日の売り上げを予測して過不足を無くすという目標を設定した場合、活用するデータの種類やAI生成のアプローチはベンダーごとに異なる。Dell de AIに尋ねれば、 ビジネス課題を基にどのようなAIを使うべきか、どのようなデータが必要か、精度はどのくらいか、どのような成果を期待できるのかといった見通しを立てられる。そして、その見通しを実現できるAIベンダーを紹介してもらえる。

AIを「業務を支える部品」として使うことが大切

 「AIについて知らないが故にビジネスチャンスを逃していた」――高木教授は何度もこの言葉を使ってAIのビジネス活用について説明した。企業の事業や業務を支援するAIの機能やソリューションはたくさん登場しているのに、それを生かしきれていない。AIはもっと身近に使えると高木教授は指摘する。

 「AIは難しい技術、“人のようなロボット”が必要、感情を持ったAIが登場するなどと思っているから活用が進みません。そうではなく、業務を支える部品として使うべきであることを知ってもらい、AIの力を生かせる業務から順にパッチワーク的に導入して、PCや表計算ソフトと同じ感覚で使うことが大切です」(高木教授)

 高木教授が力を込めて訴えていたのは、AIは決して難しくないということだ。AI活用を恐れず、一歩踏み出して「活用してみよう」と思うことができれば、最初のハードルはクリアしたも同然だ。あとはDell de AIに相談すれば、自社の課題や規模に合わせてAI活用をガイドしてくれる。AIのビジネス活用を検討する企業はぜひ、Dell de AIに声をかけてみてはいかがだろうか。

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