CX改善で優良顧客を獲得 “たった1つの質問”で顧客ロイヤルティを測る方法は? 今注目の「NPS」が生む効果を解説

» 2022年03月28日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
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 人口減少によって市場が縮小するといわれる日本で、企業はさまざまな生存戦略を模索している。しかし、海外製品との価格競争は止まらず、他社製品と機能面での差別化が難しくなっている現状では、新規顧客の開拓はおろか既存顧客の維持も難しい。

 企業が劣勢に立たされている今、顧客体験(Customer Experience:CX)を向上して顧客満足度(Customer Satisfaction:CS)を高めることで既存顧客をつなぎ止め、ひいては新規顧客の獲得を目指す動きが広がっている。ところが、従来の満足度調査だけではこうしたマーケティングの根幹をなす顧客ロイヤルティ(企業やブランドへの愛着や信頼感)をうまく評価できなかった。

 そこで今、“たった1問”だけで顧客ロイヤルティを数値化できる設問に注目が集まっている。この設問で得た指標を「NPS®」(ネットプロモータースコア)といい、NPSに基づいてCSやCXの改善策を練ることで具体的な施策に生かせる。

※Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、ナイス・システムズ(旧サトメトリックス・システムズ)の登録商標です。

 NPSを測る設問とは何か、本当にマーケティングへの効果があるのか、など気になる点は多い。そこで今回は、早くからNPSの導入支援を手掛けてきたNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)に解説してもらった。

顧客ロイヤルティを高めるために重要なCX改善 その理由は?

 これまで企業は新製品や新機能を市場に投入することで、新規顧客を取り込んで事業を成長させてきた。日本企業は持ち前の技術力や商品開発力を発揮して他社と差別化を図ってきたが、すぐ競合企業が追従して機能やサービスはすぐ同質化してしまう現状がある。新規顧客の獲得が難しくなっているわけだ。

photo NTTコム オンラインの光安史枝さん(マーケティング・アナリティクス部 シニアコンサルタント)

 そこで既存顧客を重視したマーケティングに着目すべきだと、NTTコム オンラインの光安史枝さん(マーケティング・アナリティクス部 シニアコンサルタント)は指摘する。自社製品を長期間に渡って継続的に選んでもらい、その評判を広げることで新規顧客を集めていく手法だ。

 ここで重要になるのが顧客ロイヤルティだ。「顧客ロイヤルティを高めるためには、商品性や機能面だけではなく、それ以外でいかにお客さまの心をつかめるかが重要です。それは感情面に訴える目に見えない価値を提供すること、つまり優れたCXの提供を指します」(光安さん)

 充実した機能やサービスといった“頭”で理解できる価値に加えて、「この企業は自分のことを考えてくれている」「自分の欲しいものを提供してくれる」など“心”で好ましいと思う価値を提供することが必要になる。言い換えれば、いかにCXを向上させるかが重要なのだ。

photo 顧客ロイヤルティの構成(クリックで拡大)

 こうした機能面と感情面を合わせた顧客ロイヤルティを重視している例として、光安さんは自動車保険を挙げた。一般的な自動車保険は、補償内容や保険料、付随するサービスなど機能面での差は小さくなっており、差別化が図りにくい状況にある。

 この状況で保険会社や保険商品を選ぶ大きな理由の一つになっているのが、心で感じる価値だ。自動車保険は、事故対応を除くと顧客との接点が少ない。そのため、いかに顧客との接点を作ってロイヤルティを形成するかがポイントとなる。例えば、自然災害などの注意喚起や、季節に応じたメールを配信することで、日常的に顧客に寄り添う姿勢を示して目に見えない価値を提供して解約を防ぐ。実際に「台風や災害があった時にフォローメールが届きちゃんと見守ってくれている感じがする。安心してまかせられる」というコメントが寄せられた。

目に見えないCXの評価を測る“究極の1問”

 機能面で差別化できない今、顧客ロイヤルティを向上していくには顧客からのフィードバックを基にCXを改善するのが近道だ。これまでも各企業ではCS調査を実施してきている。しかし、これでは足りないと光安さんはいう。

 CS調査で把握できるのは商品やサービスに対する現時点での評価にとどまるため、満足度が高かったとしても利用を継続するかどうか分からない。あるサービスでは解約者のうち約80%が直前のCS調査で「満足」と答えた事例もある。

 そこで、満足度だけでなく、企業に対する愛着や継続利用の可能性、好意的な口コミといった将来の行動を数値化する指標として登場したのがNPSだ。商品やサービスだけでなく、「期待を超える対応をしてもらえた」など目に見えないCXまで含めた顧客のロイヤルティを数値化できることに加えて、収益性と連動する点がCSとの大きな違いだ。

 このNPSを測る方法を、光安さんは“究極の1問”で測定できると説明する。その一問とは「この商品/サービスを友人や同僚に薦めたいですか」というオススメ度を0〜10の11段階で選ばせる設問だ。0〜6を選んだ人を批判者、7〜8を中立者、9〜10を推奨者と分類。推奨者の割合から批判者の割合を引いた値がNPSのスコアになる。

photo NPSスコアの算出方法(クリックで拡大)

 このNPSは2003年に米国のコンサルティング会社を中心にしたチームが考案。企業の将来的な収益の80%は、既存顧客の20%に当たる優良顧客が担うという調査結果が出発点だ。ロイヤルカスタマーを増やすことで、商品の再購入や長期契約の締結、ポジティブな口コミを広めて新規顧客を連れてくる、建設的なフィードバックを寄せるといったメリットが生まれる。

 NPSの分類に当てはめると、推奨者(=優良顧客)は購入金額や購入数が多くて経済的な価値が高い。中立者層は製品に満足しているが熱烈な購入者ではなく、競合が現れたときに心が移ろいやすい行動特性を持つ。批判者層は購入額も購入数も少なくネガティブな口コミを拡散する。NTTコム オンラインが21年に行ったクレジットカードや生命保険、動画配信サービスなどの業界を対象としたNPSベンチマーク調査では、批判者と推奨者の間で利用料金や保険料など顧客価値に大きな差があると分かった。

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 このNPSは基本的には業界を問わず活用可能。顧客が簡単に乗り換えやすい低価格帯の商品には活用しづらいものの、特定のブランドのオンライン会員向けに調査を実施するなど応用でき、汎用的に使える。NPSを基にCXを改善していけば、企業の成長や業績改善につなげられる。

1問聞くだけなら誰でもできる? それが難しいワケ

 NPSを測るだけなら、アンケートにたった1問追加するだけなので誰でも測定できる。しかし、NPSを測定するだけでは、その後のアクションにつながらないと光安さんは話す。NPSは「あなたは○○を他人に薦めるか」の1問で測定可能だが、適切なアクションにつなげるには「あなたは“なぜ”薦めるのか」という理由の把握が不可欠だが、この視点が抜けているケースがある。

 オススメ度を問う設問と併せて、他人に薦める理由を回答してもらうことで、顧客ロイヤルティのさらなる向上に向けた取り組みに生かせる。もともと目に見えない価値を扱うだけに、自由記述などで顧客の声を柔軟に聞くことが必要になる。加えて、NPS向上に大きな影響を与える要因を特定してCX改善につなげるために、カスタマージャーニーに沿ったCXごとの評価を把握する設問を用意することも重要だ。

 一般的に、NPSはCXについて総合的に聞く「リレーショナル調査」で測定するが、これで終わりではない。その結果を踏まえて、ロイヤルティに影響した要因に注目した「トランザクショナル調査」を実施する。例えばある自動車保険会社のリレーショナル調査で事故対応時のCXが低評価だったことが顧客ロイヤルティを引き下げていると判明した場合、事故対応直後にトランザクショナル調査を実施して顧客の声を取得する。このように多段階での調査を定期的に実施してCXを改善していくことが、NPSの正しい活用方法だ。

NPS活用は素人には困難 頼れるソリューションとは

 「NPSは“たった1問”で測定可能」と聞くと誰でも調査できそうに思えるが、実際には簡単でないと理解できる。これを自社の課題に置き換えて調査し、課題解決策を実施するのは素人には困難だ。

 そこで頼りになるのが「NPSソリューション」を提供しているNTTコム オンラインだ。同社は、NPSを考案した一社である米Nice Satmetrixと独占業務提携を結んでおり、NPS認定資格を持つコンサルタントが在籍。NTTコム オンラインは伴走型の支援を掲げており、基本は顧客企業が自走する体制だ。自走を助けながら、改善アクションを取れる調査項目の設計や調査精度の向上、NPSの活用方法などを支援している。

 さらにNPS活用を支援するツール「NPX Pro」も提供。NPSの調査設計や集計、分析、情報共有ダッシュボード、改善アクションを促すフォローアップまでカバーする一連のプロセスをクラウド上で提供している。NPS調査やその後の対応に関する業務負担を軽減し、本来の目的である改善アクションに注力できる環境を整えられる。

 最近は組織内の啓蒙に関わる依頼も増えている。NPSのメリットを伝えるだけでなく、小規模のNPS調査を実施して有効性を検証することで経営層に理解してもらい、本導入につなげる取り組みの支援だ。NPS導入の自走を後押しするため、調査項目の設計方法を学べるワークショップも開催している。

photo NTTコム オンラインが提供するNPSソリューション(クリックで拡大)

NPSの普及が「CX起点のサービス改革」を後押しする

 NPSの普及に力を入れるNTTコム オンラインが描く将来のビジョンは明るい。「NPSの活用が日本でも広まれば、CXを重視した製品やサービスが広がることにつながります。NPSがCXを可視化するので、機能だけでなく顧客の感情をつかむ顧客本位の製品やサービスが登場し、海外に対しても競争力が高まるでしょう。CX起点のサービス改革がより加速することに期待しています」(光安さん)

 NPSを活用してCXを改善することで、顧客ロイヤルティを高めて優良顧客を増やすと同時に、新規顧客の開拓も期待できる。NTTコム オンラインのノウハウを借りてNPSの測定を高い精度でスピーディーに実施できれば、PDCAサイクルを短期間で回せる効果も見込める。

 CS調査だけではCX改善が難しい、満足度は高くても顧客拡大につながらない、優良顧客を増やして安定的に事業を拡大したいといった悩みを抱えている企業の読者は、ぜひNTTコム オンラインに相談してはいかがだろうか。

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提供:NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2022年4月19日