インテル×日本HPが思い描くビジネスノートPCの近未来像 本田雅一氏が両社に聞く

» 2022年05月23日 10時00分 公開
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 世界的な新型コロナウイルスのパンデミックが始まってから2年が経過した。いまだに収束の終わりが見えない中ではあるが、パンデミックの中でライフスタイル、ワークスタイルは少しずつ変容し、社会を取り巻く環境も新しい常識の元に落ち着きを取り戻しつつある。

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 それは仕事に使う道具も同じこと。テレワークの普及に代表されるワークスタイルの変化とともに、求められるビジネスPCの要素も変化。オンラインのサービスを使いこなしたワークスタイルの周知が社会全体で進んだ。

 パンデミックによる混乱が収まった後も、ワークスタイルはオンサイト中心ではなく、オンサイトとオンラインを組み合わせた「ハイブリッドワーク」が新常識として定着していくと予測されている。

 では、新常識の中でビジネスに使う道具としてのノートPCは今後どのように変化していくのだろうか。

 PCのハードウェアプラットフォームを提供するインテルと、ビジネスPCのトップクラスベンダーである日本HP。両社に新常識における近未来のビジネスPC像について話を伺った。聞き手はITジャーナリストの本田雅一氏。

コロナ前から新しい働き方への準備を進めてきたインテル

 個人のクリエイティブツールから業務端末まで多様な場面で使われているPCだが、企業が導入するビジネス向けにフォーカスすると、かつては“仕事を止めない”ことが最優先の選定基準だった。

 仕事を止めないというテーマはハードウェアの信頼性だけではなく、情報セキュリティ対策や大量導入されたPCの管理、故障時の対応など多岐にわたり、さらには導入する環境、あるいは社会的な環境によっても要件が変化する。

 これらはビジネスPCを選定する上で基本的なテーマであり、現在も変化していないが、状況が刻々と変わる近年のトレンドの中では、理想的なビジネスノートPC像はどう変化してきているのだろうか。

 「PC向けにプロセッサーを提供しているインテルの立場では、第一には性能です。ハイブリッドワークの中ではバッテリーで運用されることも多いですから、消費電力を含め効率の良い処理が求められます。インテルは第10世代インテル Core プロセッサー以降で、機械学習処理を強化するために推論処理を加速させる機能を積極的に組み込んでいます。さらにネットワークへの接続も不可欠ですから、Wi-Fi 6への標準対応はもちろん、LTEあるいは5Gネットワークへの接続オプションも必要ですね」

photo インテルの呉孝展(ジョー ウー)氏(クライアント・コンピューティング・グループ セールス セールススペシャリスト)

 そう話すのはインテルの呉孝展(ジョー ウー)氏(クライアント・コンピューティング・グループ セールス セールススペシャリスト)だ。ただし、これらは半導体そのものの進化だけで解決できるものでもない。そこでインテルは、より良いビジネスPCを構築するための多様な構成要素を用意しているという。

 「“仕事を止めない”という面では、やはり安定性が求められますが、これは高い信頼性のプロセッサーを提供するだけでは要件を満たしません。PCを起動させるためのファームウェアも基礎的な部分を検証、提供していますし、信頼性を高め、システムをテストするためのツールセットなども提供しています。もちろん、ネットに接続して仕事をするのが当たり前ですから、暗号化をはじめセキュリティに関しても常に最新の技術を取り入れ、大量のPCを一元管理するための基本的な仕組み、ツールも提供しています」(呉氏)

 ではハイブリッドワークが常識となる今後のワークスタイルの中で、インテルのプラットフォームはどのように変化するのか。

 「一人一人がノートPCを使いこなし、オンラインでコミュニケーションしながら仕事を進めるというスタイルは、以前からインテルが思い描いてきた世界です。AI処理やメディア処理の進化で、ユーザー一人一人がノートPCでできることが増えています。そうした意味では、これまで常に前進させてきた新技術の取り込みや活用が、ハイブリッドワークへの移行によってより一層進んだといえます」(呉氏)

HPが考える“働く場所に依存しないPC”

 日本HPの宮澤彩氏(パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部 モバイルビジネス部 プロダクトマネージャー)も、「新型コロナウイルスのパンデミック後、すなわちエンデミックの社会を考えた上でも、以前の働き方に戻ることはないと考えています。パンデミックの中で、場所にとらわれず、どんな場所でも働けるワークスタイルは業種を問わずに定着してきました。エンデミック後、社会はハイブリッドワークを受け入れるでしょう」と、呉氏に同調している。さらにPCメーカーとして製品の企画、開発がどのように変化したかについて次のように話す。

photo 日本HPの宮澤彩氏(パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部 モバイルビジネス部 プロダクトマネージャー)

 「自宅でさまざまな作業を完結する必要があり、以前よりもPCでこなすべき業務の幅、内容は広がっています。ビジネスPCにおいて最も重要なことは、どんな時、どんな場所でも生産性を落とすことなく業務をこなせること。そうした意味でバッテリー駆動時を含め、あらゆる環境で最高のパフォーマンスが発揮できることが求められるようになってきました」(宮澤氏)

 そのために最新のインテルプラットフォームを採用するのはもちろんだが、商品としての工夫も盛り込んでいる。

 「いつでもどこでも安心、安全に仕事ができる環境を用意するのはPCメーカーの責任だと考えています。例えばのぞき見防止の表示技術などもそうですね。オフィス外で使うことが当たり前になっていますから、ネットワークセキュリティだけではなく、製品そのものが情報を守るよう考えられている必要があります」(宮澤氏)

 そしてもうひとつ、日本HPが重要視しているのが、管理者がいない環境で使われるPCのダウンタイムを最小限にするための独創的なアプローチだ。

 「どんなに強固にセキュリティを固めても、トラブルの発生やハッキングの脅威にさらされる可能性はあります。そこでセキュリティを可能な限り高めた上で“レジリエンス型”のセキュリティ対策を盛り込んでいます。これは日本語で言えば“自己修復”で、PC自身が問題解決するという考え方に基づいています」(宮澤氏)

 “どこでも仕事ができる”ということは、近くでエンジニアがサポートできないことも意味している。その原因と対策をリモートで行うようではダウンタイムが必然的に長くなってしまう。自己修復は、まさにハイブリッドワークの中で必須の考え方といえるだろう。

 「レジリエンスという考え方は、必ずしもコロナ禍で生み出したものではなく、HPがこれまでの経験と知見を元に組み立ててきたセキュリティ技術の集大成です。HPのPCは世界中で使われていますから、その中でさまざまな脅威にさらされています。これまでのセキュリティ上の脅威について深層学習させ、異常な振る舞いをあらゆるレイヤーで検出します」(宮澤氏)

 “働く場所に依存しない働き方”への対応は、単純にPC運用ルールを変えるだけでは十分な対応ができない。直接のサポートができないからだ。組織全体での効率を高めるためには、社外でのダウンタイム削減の工夫がセットでなければならないというポリシーにうなずくシステム担当者は少なくないだろう。HPはこのコンセプトを実現するため、PCメーカーならではのアプローチをとっている。

 「深層学習を用いて未知の脅威を含めた不正動作を検出、対策するソフトウェアは、あるいはご自身で用意できるかもしれません。しかし、HPのPCにはOS(Windows)、Webブラウザの両方のレベルで検出、自動修復する機能を備えるだけではなく、システム起動時のシーケンスもチェック、不正動作を検出するファームウェアレベルの不正検出・復元機能も備えています」(宮澤氏)

“性能”、“機能”だけでなく体験全体を高める必要性も

 両社が口をそろえるのは、継続的に進化させていく必要性だ。一貫性のあるコンセプトで開発を積み重ねることで、ハードウェアはもちろん、PC上で動作する対策ソリューションを進化させ続けられる。

 「インテルは2003年から取り組んだCentrinoブランドから、機能だけではなくモバイルPCの体験全体を向上させることに取り組んでいます。当時の取り組みはWi-Fiスポットを世界中に増やしていき、PCにWi-Fiを標準搭載することでした。その後、モバイルPCを薄型軽量にするためのUltrabookという取り組みも大々的に進めました。そして2019年から取り組んでいるのがインテル Evo プラットフォーム(以下、Evo)です」(呉氏)

 Evoはインテルが中心となって、モバイルPCの質を向上させるPCメーカーを巻き込んだ取り組みだ。一日中使えるバッテリー、作業に集中できるディスプレイといった優れたユーザーインタフェース、高速であらゆる場所からネットワークにアクセスできる接続性など、Evoのロゴは最高のモバイルPCに求められる要件を満たしたPCにのみ付与されるブランドとなっている。

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 「EvoはProject Athenaの成果で、今後、インテルのプラットフォームが更新されるごとにEvoも進化していきます。一方でインテルはインテル vPro プラットフォーム(以下、vPro)という企業向けのセキュリティ、システム管理のソリューションも提供しています。プロセッサーレベルで組み込まれた機能とファームウェア、アプリケーションを組み合わせたものですが、ハイブリッドワークではこの両方が重要になってきます」(呉氏)

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 「そこでわれわれは、モバイルユーザーが求める最高のモバイル体験を意味するEvoと、PCの高い管理性やセキュリティといったIT管理者向けのニーズを満たすvPro──その両方を兼ね備えたブランドとしてインテル Evo vPro プラットフォーム(以下、Evo vPro)を提供しています。究極のモビリティ体験とvProの組み合わせは企業ユーザーにとっての最もバランスの取れた選択肢だと思います」(呉氏)

・インテル vPro プラットフォームについて詳しくは>>こちら

最新のインテルプラットフォームに構築する最新のビジネスPC

 宮澤氏はさらなるメーカー側の取り組みとして、「あらゆる社員にノートPCを持たせることになりますから、PCメーカーとしては大量に使われる製品の適応性を高めるため、アルミなどの再生可能素材を多用したり、資源回収のプログラムを徹底して進めたりするといったサスティナビリティに対する意識や取り組みも必要でしょう。さらには具体的な機能の面でも、メーカー側から提案できることは数多くあります」と答える。

 機能という面ではオンライン会議への適応性がこの2年で重視されるようになった。以前ならばあまり気にされてこなかったマイクやカメラの質に注目が集まるようになったことは言うまでもない。

 「会議だけではなく、ウェビナーなどを受講したり、あるいは自分自身がウェビナーか何かの発表を行ったりする場合もあると思います。その場合のカメラ画質、内蔵マイクの音質などは、自宅での生活音、あるいはそれ以外の環境でも周囲のノイズをどう排除していくかなど、仕事への集中を高める工夫が必要になりました。HPのPCでは360度全方位マイクが特徴として挙げられます。この機能はコロナ以前から搭載されているものですが、HPがオンラインでのコミュニケーション機能を重視してきたことの証左でもあります」(宮澤氏)

 360度全方位マイクとは、複数のマイクで360度、あらゆる方向からの音を捉えておき、各マイクの差分情報から特定話者の声を抽出するというもの。全員の声を拾った上で、最も大きな声で発言している人の声にフォーカスすることで、複数話者が混在する時の混乱を緩和できる。

 今後、オンサイトとオンラインが入り交じったハイブリッドな環境での仕事が増えてくるとより重要性が増してきそうだ。

 「日本HPのビジネス向けモバイルPCとしてはHP EliteBook 830 G8が中核機となりますが、この製品では内蔵カメラが5Mピクセルとそれまでの4倍になるとともに実効感度も上がり、さらに超広角レンズと組み合わせてHPオートフレーム(自動的に顔を追いかけてフレーミングするAI機能。3つの画角から選べる)を備えています。AI技術を用いたマイクのノイズキャンセリング、マスクをしたまま発言しても声がクリアに聞こえるように自動調整する機能も新たに盛り込まれています」(宮澤氏)

photo 日本HPが今おすすめするビジネス向けモバイルPC「HP EliteBook 830 G8」

 呉氏は、PCメーカーのこうした取り組みをサポートするために、インテルもプラットフォーム全体を改善してきたと応じる。

 「ご存じの通り推論処理を加速させる処理ブロックが追加され、第11世代インテル Core プロセッサーはGNA 2.0にまで進化しました。例えばビデオ会議でのノイズキャンセリング機能がより確実に動作するようになっています。また最新の内蔵GPUであるXeアーキテクチャに組み込まれたQSV(Intel Quick Sync Video)は、高効率の業界標準ビデオCODECに対応するほか、最新コーデックAV1のデコードにも対応しています。カメラ画質をトリートメントするIPU(イメージ処理)を搭載するなど、PCメーカーが時代にマッチしたビジネスPCを構築するためのビルディングブロックを追加してきました」(呉氏)

究極のモバイルプラットフォームと安全性の高いモバイルPCの掛け合わせ

 インテルはPCを構築するための構成要素を、日本HPはそれらを組み合わせながらもライバルよりも先に進んだ製品の開発を、それぞれに目的や立場は異なるが、同様の目標を持っている。

 インテルの取り組みは、あらゆるビジネスPCの性能を高め、企業システムの中で安心して利用できる基礎体力と基礎スキルを向上させている。管理者はvPro対応であれば管理性やセキュリティ機能について安心でき、またEvoであればバッテリー持続時間やメディア処理性能、AI処理に関して水準以上であることを期待できる。

 その上で、日本HPはファームウェアレベルのセキュリティや、製品が導入される現場の事情に即した機能を提供している。高性能かつ安全なEvo vProの上に、電源ボタンを入れた瞬間から、あらゆる側面で守られ、万一の際にも対策が立てられている。そこの部分がPCメーカーとしての腕の見せ所というわけだ。

 Evoは世代を重ねるごとに、その体験レベル、メディア処理性能を高めていくだろう。過去を振り返ると、vProも同じブランドの中で強化を繰り返してきた。

 先進的な技術をインテルが提供し、それを適切な形で日本HPが料理する。この2社の掛け合わせが、ハイレベルなモバイルPCとして帰結しているのだろう。

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提供:株式会社日本HP
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2022年6月7日